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好きな歌

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読んでいて、いいなと思った歌について書いています。別の場所に既出の文章です。
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2022年2月の記事一覧

やすらはで寝なましものを小夜更けてかたぶくまでの月を見しかな

中の関白、少将に侍りける時、はらからなる人に物いひわたり侍りけり、たのめて来ざりけるつと…

音
2年前
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風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ

風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ (かぜをだに こうるはともし かぜ…

音
2年前
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真砂なす数なき星の其の中に吾に向ひて光る星あり

真砂なす数なき星の其の中に吾に向ひて光る星あり (まさごなす かずなきほしの そのなかに…

音
2年前
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月立ちてただ三日月の眉根掻き日長く恋ひし君に逢へるかも

月立ちてただ三日月の眉根掻き日長く恋ひし君に逢へるかも (つきたちて ただみかづきの ま…

音
2年前

ねになきてひちにしかども春雨にぬれにし袖と問はばこたへむ

ねになきてひちにしかども春雨にぬれにし袖と問はばこたへむ (ねになきて ひちにしかども …

音
2年前

けふもまたこころの鉦を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く

けふもまた こころの鉦を 打ち鳴らし 打ち鳴らしつつ あくがれて行く (きょうもまた こころ…

音
2年前
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いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る

いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかへしてぞ着る (いとせめて こいしきときは むばたまの よるのころもを かえしてぞきる) 訳 あの人が恋しくてしようがないときは、真っ暗闇に襲われそうな夜は、衣を裏返しで着て寝ます。 むばたまのというのは枕詞ですが、京都の祇園祭の生け花としても有名な「ヒオウギ」の真っ黒な種子のことです。 「むばたまの夜」というのは、あのヒオウギの種みたいに真っ黒な夜、という意味です。 夜の闇に押し潰されそうな彼女を、裏返しで着た衣が包みます。衣

夏ふかみ野原を行けば程もなく先立つ人の草がくれぬる

夏ふかみ 野原を行けば 程もなく 先立つ人の 草がくれぬる (なつふかみ のはらをゆけば…

音
2年前
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