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映画じゃなくても

いつも二択で間違える。

一生の仲間になるしこれ以上頑張れるものは無いと思って大学生活の全てを注いだ劇団は、人間関係の絡れにより散り散りになり(表向きは無期限活動休止だが実質解散状態らしい)、これ以上の人はいないと思う程人間性の似た人に恋心を抱いてしまったらSNSを全ブロックされ、堪らず自宅まで押しかけてしまったところ「迷惑だ」と本当の別れを告げられる。
後者は本当にとんでもないことをしたなと反省しているし、通常の自分なら絶対にやらないことだ。相手には申し訳ないし、ダサいし恥ずかしい。
あーあ。消えてなくなりたい。
運命だと思ったら全部違った。映画ならハッピーエンドになるんじゃないかと思って行動したら、全部選択肢を誤った。
そりゃそうだ。人生って映画じゃない。監督はいないし素敵なBGMはかからない。主題歌なんて無い、起承転結なんて無い。大根役者な主演女優と、汚くて騒々しい街で行われる脚本演出の無いエチュード。
泣くほどの恋を忘れる為にマッチングアプリで会った男と毎日セックス、泥酔状態で終電を逃して歩いて帰る寒空の下。高円寺から阿佐ヶ谷は寒くても余裕で歩けます。
3年勤めた会社を辞めて入社した会社はたった2ヶ月で退社。職業欄にはフリーター。詩人なんて書けたらいいんだけどなぁ。
もうこれ以上にストーリーライティングを間違えない様に映画を見て教養をつける毎日で、最近は日常を過ごすよりも映画を見ている時間の方が楽しくなった。
映画に入り込んでいる時間だけ、何もかもを忘れて自分を世界から消す事が出来るからかもしれない。
でもたまに、はっと我に帰る事がある。
映画なら運命が運命として機能しているのに、現実はそう上手くいかないですよねー。
とか、
運命っぽく感じても、それ脚本が用意されて無いから上手くいくとは限りませんよって誰かもっと早く教えてくれよ。
なんて。

そのくせ、最悪な毎日を糧にポエトリースラムで初優勝しちゃったから、私の人生は映画かもしれないって思っちゃうんだ。
人生に脚本はないけれど、伏線回収は出来るかもね。
主題歌くらいは考えておこうか。

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