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詩|雪

美しさを燃やして出来た灰から、人間は産まれて、その灰にふたたび火を灯すのだ、と、誰かから教えられた気がする。
ぼくの美しさをきみは知って、きみの美しさを僕は知って、それだけがある地平線で、灰は雪のように燃え盛った。
本当はぼくら、ここに産まれるべきじゃなく、美しいまま、別々の惑星で、好き、と、嫌い、くらい輝いて死んでいきたかったです。
燃えることなく、そのまんまで、焼却炉で、死んでいきたかったです。

窓の外では、灰が雪のように燃え盛り、愛だのと呼ばれていて、地球はとうに、ぼくのことなど忘れてしまっている。

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