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詩|(すべての希望はかつて絶望と呼ばれていた)

かけっこが得意だった一等星、いつのまにか最後尾で明日待ち中。
ぼくが見つめる光の先できみは希望を歌って、立ち尽くすだけのぼくに影を落とした。

嫌にじめっとした夏の終わりのことだった。

あの夏に似た夜。
知らない駅できみに似たひとを見つけたけれど、背負った希望の形が違くて振り向くのを躊躇った。
指先でつまめる僅かな光を、ぼくは絶望と名づけて胸の奥にしまい込んだ。

一生をかけて忘れたいあの夏を、思い出なんて呼ばないでほしい。

大切なものばかり大切に出来ないで、甘ったれたことばかりタイプライター、もう息も出来なそうだ。
存在の証明、それって区役所で出来ますか。
生きる意味、それって明日には仕入れてくれますか。
どうやって歩けばあの夏へ帰れますか。

今日もまた誰かがぼくを追い抜かす。
言い訳ばかりが上手くなる。
あ、今日もまた誰かがぼくを追い抜かす。
言葉ばかり立派になる。
ねぇ、今日もまた誰かがぼくを追い抜かす。
周回遅れでも、今から走り出せってきみが言う。

燦然と輝く眼前を、誰のせいにしてもいい。
すべての希望はかつて絶望と呼ばれていて、光の姿さえ持っていなかったんだ。
きっときみは笑うから、この胸の奥底の、僅かな光を閃光と呼ぼう。
明日なんて待ってらんない速度で行くよ、大丈夫、もう何も思い出せない。

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