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信州ダービーという果てなきサバイバルの物語

2週続きの信州ダービーを過ぎてちょっと虚脱感を覚えつつなんか残したい、と書いてます。
おぼろげながら文章としてのイメージはあるんだけどうまく伝わるかどうかは未知数で、とりあえず紡いでみようかと思います。

シーズン序盤の頃は北信越リーグ・JFL
そして時を経てJ3で対戦する事になってから
『このダービーに経験がある者として今はどう向き合えばいいのかな?』とずっと考えていました。

なんせしつこいようですが11年振りの直接対戦ですので【それ以降】の仲間の方が大半です。
ドキュメンタリー映画の「クラシコ」も『そういうのがあったのは知識としては知ってますけど…』程度がせいぜいポジティブな反応で。

かようにかつて「この長野県でふたつのJクラブは存続し得ない」という地元民にとって説得力ある不安要素から→先んじて昇格しないとクラブが無くなっちゃう!とにかく実績を!と走り続けていた頃とはとりまく環境も知名度も変わりました。

その間に我々はJ1へ2度昇格をし、弾き返され一時の地方クラブの雄としての勢いを失い
パルセイロはスタジアム新設へと機運を高めるべく頑張り新しい拠点を備えるに至ったもののあと一歩が足らずにそのスタジアムを持て余している。

そんな両クラブの成長曲線の停滞期を迎えたタイミングに

世界的なパンデミックでスタジアムからチャントが消えた。

かつての鬱陶しいほどの熱気はどうやって起きていたのか、思い出すのも難しい程にサムい状況の各地のスタンドを誰もが困った顔で見守っている。

そんな下向きな矢印を抱えながら、つまり不本意ながら迎えた今年、J3での信州ダービーに向けてまず最初の関連リリースでは両クラブ共同でダービー用ロゴを作ったり限定グッズを発売したりしてる様子を見ると「もうギスギスしてんのも違うんかなぁ」と思ったりして。
かつてを知るサポーターと話しても「もう信州ダービーもビジネス絡むようになったんだねえ」と少し残念そうな感じで、それもしょうがないかと大人の折り合いの付け方を探っている。

そんなフォーカスが定まらない中容赦なく近づいてくるダービーにせめて過去のことだけでも知りたい人が知れるように、と書いたのがこちらです。

『また昔話?』『古い話を自慢げに』とか受け取られるかなぁと少し不安に思いながらも公開すると比較的に良い反応をいただき一安心して信州ダービーウィークに突入し、まず天皇杯予選決勝を迎えた日の感想はこちら

記事中では触れませんでしたが、この日の入場者数は8000人ほど。
少し拍子抜けする感じの数字にやっぱり今の人たちにはダービーの競い合いって響かないのかなぁと残念に感じたりもしていました。

ただ先の記事に書いたように山雅サポーター的には前回には夢でしかなかったアカデミー育ちの選手たちがトップでも躍動しているのを目の当たりにして未来への希望を感じました。

今の信州ダービーのありようのエッセンスってこれなのかもしれない。

そんな予感とUスタ初の信州ダービーはチケット完売。
私は争奪戦から早々に撤退しDAZN観戦を決め込みました(今ではちょっと後悔してるけど)

試合当日早くからTwitterのタイムライン上に次々に現地のハイになってる様子がいくつも投稿されているのを眩しく見てました。


Twitterで「信州ダービー」で検索するとスコアレスドローで終わった試合とは思えない程の感想と情報がリアルタイムに怒涛のごとく溢れかえっていました。
心配されていた満員札止めの観客を迎えた運営も大きな破綻なく行われていたそうで良かったです。

そして試合以外の部分で一番心が動いたのは記者会見での名波監督の言葉のこの部分。
こういう目線で現場に立ってくれてる人がいるのはとても心強く思います。


【まとめっぽいもの】


思えばJリーグを目指し始めてから
長野はいつもいつも邪魔な存在でした。
蹴散らして頂を目指す、その為に
チームもサポーターもその時その時に
出来ることを全力で、マックスで、
出し惜しむことなく闘ったのが信州ダービー。
直接対決がなくても全然意識はしてたじゃん。
そういう事だよ。

いつの時だってライバルに変わりはなかったんだ。
その時のカテゴリーには左右されない
なんも変わらねえものが絶対そこにあるんだよ。
譲れないものが。

いつだって今の最高のものを。
いつだって今の全力で。
それをやれんのが信州ダービーだろ。
そう思います。


名波監督が声を掛けたパルセイロユースの選手がもしかすると将来いずれかの機会のダービーに出てくるかもしれない。
その日が来るのを楽しみにしてる。

いつの時代もココロ痺れる信州最高の舞台はここにあるから。

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