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11年の時を経て迎えた信州ダービーの日アルウィンで思ったこと。

過去の対戦を経験している一サポーターとして何もしないで当日を迎えるのは嫌だ、という思いで書いた記事が私の書いた中は珍しく好評だったので、そのアンサーというか答え合わせみたいな事を書き残したいと思います。

こちらやTwitterでいいね、を押していただいたり共有して下さった皆さま改めてありがとうございます!
普段絡みのないアカウントの方にも広がっていくのを感じて『山雅のサポーターが増えてった過程もこんなだったよなぁ』と思い出していました。

「オラもサッカーはあまり詳しくないけどあそこ行けば面白いじ」そんな感じで人から人へと熱が伝播していった、集まった人たちがそこでまた仲間となっていったのが我々の成り立ちですもんね。

さて、迎えた県決勝当日は晴れてはいるもののこの時期に意外と多い冷たい北風が終始吹き続けていましたね。ゲーム展開に直接は影響は出なかったもののスタンドでは「着れば火照るし脱げば薄ら寒い」といった面倒くさい体感でした。

普段のリーグ戦と違い開場前のアトラクションはほぼない感じでしたが、芝生グラウンドでは図らずも信州ダービー前哨戦が行われていました。

この牧歌的環境、懐かしい!

Twitterで前夜行われたスペース山雅で「決勝直前にも女子のダービーがあります」との情報で

U-15女子サッカーリーグで山雅とパルセイロの対戦がまさにこの日にスケジュールされてたのです。
狙ったのか狙ってないのかは謎ですが、とにかく格好のアピールの場でありまた女子サッカーをあまり知らない我々にとっては興味がそそられるカードだったので見物させて貰っていました。

先に書いたように冷たい北風が吹くコンディションで芝生グラウンドではもろに風の影響がありました。比較した場合キック力が男子とは違う女子サッカーなのでそれはもう割り切るしかないですが。
そんな中でも両チームの選手たちは随所に日頃の練習で伸ばした柔らかいボールタッチや連携で試合を組み立てていて感心しました。
もう一つ印象に残ったのは山雅ベンチから「笑顔でプレーしよう」「笑顔忘れるなよ」との声かけが頻繁にあったこと。
普段の試合や練習の場面は知りませんが、注目を集めるこの場でともすれば堅い感じになりそうな現場にこの呼びかけはとても好感が持てましたね。
試合の方はその効果もあってか前半の得点を守りきって山雅U-15レディースの勝利で終わりました。

ところで「2011年」「女子サッカー」というキーワードで思い出すのはドイツで開催された女子ワールドカップでのなでしこジャパンの優勝ですよね!

東日本大震災の甚大な被害と続く余震で暗い雰囲気に覆われていたあの年に明るい話題となったなでしこジャパンの活躍の時にはまだチームもなかったU-15レディースがリーグ戦を行い、当時はまだ小学生でもなかった彼女たちが選手として活動をしている。
それだけでも感動的じゃないですか!
とても良いものを見せてもらい上機嫌で入場の列へ・・・は並びません。
個人的にあのぞろぞろ並んで歩く時間が嫌いなんで周囲をうろついたりして列が短くなるまで過ごすのが常なんですよね。

そんな風に思ってベンチの辺りで座るでもなく過ごしていた私の側をIDパスを掛けた県協会の方がパトロールというか入場ゲートの見守りのためにか歩いてました。
不思議なものでマスクをしてても背格好や出ている顔の部分で(あれ?この人)ってなるんですよね。
それこそ11年ぶり以上会っていないだろうから自信なかったのでちょっと回り込んでIDのお名前を拝見したらやっぱり県協会のMさん。
サングラスを外して「お久しぶりです!」って声を掛けたら「え、あ!シンさん!」

09年の県予選決勝に勝利してのグリーンシャワー作戦

天皇杯予選であるこの試合は普段のリーグ戦とは違い県サッカー協会の主催になるので、たとえ試合後であれこういうピッチへ何かを投げ込むようなセレブレーションをするための許可を得る先が県サッカー協会になります。
俺らが勝手に準備して勝手にやってたんじゃないのよ、あれ(笑)
当日そういう施設利用関係の部門のメンバーで我々の意図ときちんと回収する準備もしていることで実行に理解を示してくれたのがMさんでした。
昨日の再会が本当にどのくらいぶりかもう思い出せないくらい久しぶりでお互い感激してしばし雑談。
一番嬉しかったのはMさんが「ずっとウルトラスのみんなが入場や観戦のマナーを守って模範を示してくれてたからみんなが安心して観戦できてたんだよ」と当時の様子を覚えててくれたこと。
影で支え見守ってくれた県協会のみなさんとの信頼関係が今日までの観戦文化の根底にあったのを思い出してこれまた時の流れを感じました。

そしてだいぶ入場まで文字数も費やしましたがスタンドへ。

今日はここからビュー

ゴール裏の面々と次々にグータッチをしながら会話するとみんなどこか吹っ切れて勝負へと向かう清々しい表情で「今日はいい応援できそうだな」と予感しました。

試合の方はやはりどちらも譲らないゆえにカテエ内容と多少のコンタクトは流しまくるレフェリーにより決して華のある試合ではない展開でしたね。
これもまた負けられないダービーらしいな、と苦笑して「まあ90分以内でも120分以内でもとにかく勝つのが大事だからな」とか話してたんですが、
まさか終盤にあんな素晴らしい場面が生まれるとは本当に驚きました。

表彰式での田中想来(そら)選手。早速辞書登録しました。

事前の報道でユース所属の田中想来選手が出場登録の可能性が書かれていたものの、まさか勝負を決めるファインゴールを叩き込んで山雅サポーターの大歓喜とパルセイロサポーターの落胆をサンプロアルウィンに巻き起こすとは誰が想像し得たでしょうか?
ピッチに出れば歳は関係ない、とはいえあの痺れる瞬間に落ち着いてボールを撃ちこむのはプロでも難しい仕事でしょう。
彼も11年前にはまだ6歳!
いやはや、素晴らしい選手がこの新しい信州ダービーでデビューしたものです。

これもまたここまでの年月がトップチームばかりではなく、育成組織も地道な成長をしてきた証じゃないでしょうかね?
ずっと才能ある選手の県外流出が続いていましたが、この数年はユースから生きのいい選手たちがトップチームの主戦力を伺ういい流れが出来つつありますよね!
そして去年からその選手たちの才能を見極め、引っ張り上げてくれた名波監督の目にも感謝です。

ということで昨日の今日でやや走り書き気味ですが過去の思い出と現在の繋がりや、昨日目撃した【新しい信州ダービー】の幕開けの姿を書き残してみました。

いやー今年は山雅にとって何か「節目になった年」と言われる年になりそうな予感がしますね!

そんな今年、折もよく信州へのサッカー旅を一冊にまとめた「すたすたぐるぐる信州編」がもう間もなく発売されます!
私は『地元のサポーターおじさん』という枠(?)で2篇書かせていただきました。
信州ダービーの2チームの事以外にも信州各地のチームやローカルフード、ちょっとひと味違う信州旅のあれこれが個性溢れる作家さんたちの文章で綴られています。
サッカー愛溢れる俺たちの興文堂さんや通販で入手可能です!
ぜひぜひ皆さんよろしくお願いします!

それではまた!
なんか書きたくなったら書きます!

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