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このご時世の空の旅

上空で見た日の出は美しすぎて、そのグラデーションに目が釘付け。

このご時世、旅する人々は少なくて広く使える飛行機のシートは超快適。いつも費用を支払い好みのシートを予約していたけれど、今回ばかりはその必要もなく、出発30時間前の無料シート指定をした。ブエノスアイレスーパリ便は、だいたい一列にひとり。4席に悠々横になってぐっすり眠って移動した。パリー日本便は、もう少し人が多く、一列に4人くらい。一人当たり2席を使える感じ。
このご時世に移動する人々のそれぞれの事情はどんなことなのかなぁと、隣人たちの表情を覗き見ると、ビジネスとか留学とかそんな感じの外国人で、日本を経由して他国に行く人も多かったみたい。

意外だったのだけど、上空の食事も飲み物のサービスも通常どうり、軽食類も普段と同じように勝手に取りにいけるようになっていて、エアライン側の対応の変化はマスク着用くらいみたいな感じだった。ゆったりスペースでぐっすり眠り、見たかった映画を見て快適な移動だ。

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飛行機会社によって対応は違うらしいけれど、エアフランスは搭乗時にPCR検査の陰性証明が必要で、ブエノスアイレスで72時間前に検査を受けた。鼻の穴をグリグリされるやつ。このグリグリの不快感はトラウマ級で、あれを成田でもやるのかなぁという気持ちは、結構大きなストレスだった。でも実際の入国時の検査は、唾液検査だったので、ホッ。

検査では、試験管型プラスチックの容器の印の位置まで唾液を溜める必要がある。列に並んで、案内される選挙の記入空間みたいなパーテーションのその正面には、梅干しと、レモンの写真が貼ってあった。
確かに酸っぱい想像は唾液が出るけれど、このシチュエーションはウケる。だいたい外国人に梅干しは、どうなの??あまりに面白くて写真を撮りたかったけれど、きっと同じ思いの人が多すぎたのか、撮影不可の張り紙。うーん残念。

検査自体は楽だったけれど、飛行機を降りてからの長い迷路のてくてく時間には閉口した。通常のイミグレ空間は全部仕切りがついて、入国者が順路に沿って進む迷路が作られている。飛行機の中で記載した紙を提出して、チェックしてもらって、検査の受付をして、検査をして、待合場所に行くまで歩いて歩いて、登って降りて果てし無く歩く。
今回ブエノスからほとんどの荷物を引き上げてきたせいで、スーツケースは重量オーバーギリギリ。お土産を入れるスペースはなかったので、ブエノスとパリの免税店でがっちり買って大量の手荷物を持っていたわたしに、このてくてくは拷問みたいだった。所々に立っているご案内係員の方々に、「まだですか?ふう・・・」を何度も言う。多分、この不満を検査員にぶつけるケースがあったのだろうと予想できるのは、「暴言は・・・」のようなご注意書きが目に入ったから。残念なことだけど、ちょっとその気持ちもわからなくもない。

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検査の番号、待合所のお席の番号と割り当てられ、次はこちら、その後あちらと、とてもシステマチックにスムーズに流される様子に、アルゼンチンではありえんなぁと感心しているうちに小一時間で『陰性』証明をもらう。この先2週間のご注意事項の書かれた用紙と、厚生省健康確認用のLINEの登録用紙をもらって、やっと入国審査。荷物はすでにターンテーブルから降ろされて並んでいた。

税関の人に、アルゼンチンに行っていた理由を尋ねられ「住んでいます」と言うと、今度は日本での滞在期間を尋ねられ「わかりません」と言う。
出国扉を出たその先は、自己責任の領域。あとはご注意に従ってよろしくね。の国、ニッポン。帰ってきました。

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