あの坂をのぼれば海がみえる
この季節になると、毎年自然に思いだすフレーズがある。
「あの坂をのぼれば海がみえる」だ。
小学校の頃、教科書に載っていた、授業で何度も朗読した短い作品だ。Webで調べると杉みき子さんの作品「あの坂をのぼれば」だった。当時印象に残った子が多かったようで、何件もヒットする。
あの坂をのぼれば、海がみえる。あの坂をのぼれば、海がみえる
気温や湿度が高く、むっとしたまとわりつくような熱気と、自分の汗とシュッとしたイネ科の雑草から生まれる青々しい匂いに包まれる。植物の葉っぱに太陽の光があたって、眩しい感じ。坂はけっこうだらだらと続いて、向こう側が見えない。
「草いきれ」という言葉を生まれてはじめて聞いたのもこの作品だ。この作品以降、使われている文章を見たことがないし、わたしも実際に使ったことがない。
杉みき子さんは現在どうされているのかを調べたら、89歳でご存命だった。心に情景の残る作品をありがとうございます。
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