見出し画像

自分の撮る写真から見えてきた事

「何もしなくていいから、一緒に来てくれる?」この一言が始まりでした。

思ってもみない世界へ


以前の職場で、写真部なるものに入部をしていました。部員4名。季節ごとに休みを合わせて一緒に出掛け、好きに写真を撮るというゆるい集まりです。

きっかけは私の同僚Sちゃん。彼女は写真を撮るのが好きで、よく一人でカメラを持って出掛けては色々写真を撮っていました。

ある日、同じように写真を撮るのが好きな別の部署にいたKさんとNさんが、一緒に写真を撮りに行こうとSちゃんを誘います。
顔見知りではあるものの、普段あまり交流がない人達とプライベートで出かけるのはちょっと緊張する…と言う事で、仲の良かった私に白羽の矢が立ったのです。

そんな私の写真事情はと言うと。
旅行などのレジャーに出かけると写真をたくさん撮る方ですが、日常の風景を写真に納めたり、構図にこだわったりはしないタイプでした。もちろんカメラにもこだわりなどなく性能より使いやすさ重視。

「すみちゃんは居てくれるだけでいいよ」と言われたものの、せっかくの機会だし私も挑戦してみるか!とデジカメ持参で参加したのです。

部活動開始

第一回目のお題は、大阪造幣局の「桜の通り抜け ライトアップ」。
初回からナイトシーンととんでもないハードルの上げ方です。
当日、集合場所でミラーレス一眼を装備する一行。対して数年前に買ったコンパクトデジカメをちょーんと構える私。流石にこれは持って来ない方が良かったか…?と一瞬思いつつも、撮影開始です。
四者四様、好きに写真を撮っていきます。私も頑張って撮ってみるのですが、やはり夜景の撮影は難しく、よく撮れた写真は数えるほど。
こういう時は露出を調節できる一眼は強いんだなぁと改めてカメラの性能について感心したのでした。

そこから、少し写真を撮る事に興味が出てきた私は、データで共有してもらった同僚たちの写真を見ながら、撮る人によってこんなにも違うのかーと、写真のアングルや構図などを意識する様になりました。

季節は夏になり、2回目の部会。この時のお題は「風鈴まつり」。
私の手には春と同じくデジカメが。写真の面白さには目覚めたけれど、やはりそこにお金をかける程にはならず、むしろ「安い道具を使っていい写真撮った方がすごいってもんよ!」とそんなウデもないくせに、訳のわからないこだわりを持っていました。

そして現地に着いて発覚した衝撃の事実。
カメラの電池が入ってない。
匠の意気込みはどこへやら。まさに「お前何しに来た」状態です。

そこから秋は「ススキ」、冬は「中之島」と、気ままな部活動は続き、(もちろんデジカメ参加)私も腕を上げたいと出掛けて写真を撮ってみるのだけどなんだか納得がいかない。
やっぱり天性のセンスとかあるのよね…とため息。ここが写真のあんまり好きになれないところかも、とも思っていました。

写真部のデータはみんなでシェアするのですが、同僚たちの撮る写真はどれも素敵。一枚の中にまるでそれぞれの物語があるようで、そこにいつもイマイチな感じがする私の写真をシェアする事はとても憂鬱でした。

経験から学ぶ

この春から私はオンラインコミュニティに参加し、webライターについて学んでいます。
コミュニティのリーダーがよく口にするのは 

「正解に合わせに行かないこと」


初めは、うんうんと思いながら聞いていたのですが、最近Googleフォトのアーカイブで当時の写真が出てきた時、その言葉が腑に落ちた感じがしました。

正解に合わせに行くが故に個性がなくなる。
正解と不正解に分けるから視野が狭まる。
正解に合わせに行くとつまらなくなる。

自分の撮る写真がいつもイマイチだと感じていた原因は多分ここだなと思います。
この写真を撮っていた時の私はきっと、正解に合わせに行ってたんだろうな、と。
身をもって学習しました。

つい、人に良く思われたいと思ってしまうところも人間味があっていいのかもしれないけど、
純粋に良いと思ったものや、心から自然と出てきたものには、「その人らしさ」が出る。
自分にはない、その「らしさ」に人は心動かされるんだなぁと、同僚の写真を眺めてしみじみと思うのでした。


そして「正解に合わせないように!自由に!」
とまた正解に合わせに行こうとすぐさま考える自分に苦笑い。
まずせっかちをなんとかしないと。

書く事、描く事、撮る事、踊る事。
時間はかかるかもしれないけれど、全てにおいて何にも縛られない「自分らしさ」を出るようになればいいなぁ、というのが今の目下の課題です。

そして、もう長らく部の活動はしていないけれど、いつかまた集まって写真を撮ることがあるなら、今度こそ自信を持って、デジカメで参加しようと密かに心の中で企んでいるのです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?