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ボイスチャットできない母ちゃんと一人で喋るパスファインダー

私は10ヶ月の息子の母親である。
ゲームは当然、育児のスキマ時間または終了後にしかできない。

育児のスキマ時間とはつまり、息子が寝てくれている時。私は息を潜めてゲームをしているのである。

そのことで度々悩むのが、ボイスチャットが出来ないこと。

最優先にすべきはゲーム内の味方さんと報連相することよりも、息子が起きないようにすること…。

Twitterで「#APEX募集」タグを見れば色々な人が募集していて、「あ、ここ入れてもらいたい」と思ってもVCなしはダメだと書いてあることがほとんど。

まあ当然といえば当然。
攻め、引きの判断、ウルト仕様のタイミング、喋らなければ分かりづらいことばかりだ。

しかし……

野良でたまに、喋らなくてもめちゃめちゃ連携取れる仲間に出会うことがある。

つい最近、野良でランクをしていると、一人でVCをつけている男性に出会った。

「よろしくお願いしまーす」
とか言われるわけでもなく、
「っは〜……(ため息とゲーミングチェアのきしむ音)……よし、ここ降りますか……」
と言いながら始まったので、
「なんか変わった人だな〜怒られないように頑張ろ…」
とビビっていた。
でも、選択したレジェンドがパスファインダーだったのでそんなに害悪な感じはしなかった(個人の独断と偏見を含む)。

ゲームを進めていると、この一人でVCをつけているパスファインダーはたくさんピンを指してくれるし、ありがとうって言ったら
「どういたしまして。僕も君が好きさ。」
と返してくれた。

もしかしたらいい人かもな〜と思っていると、私が漁っていた建物の上に敵が来たのでシグナルを出した。

するとこの1人で喋るパスファインダーが
「えっマジか。置いて行っちゃってた。ゴメンゴメン。すぐ行くわ。」
と言いながら助けに来てくれた。
そして素早く3タテ。めちゃめちゃ強い。

その後も一人で喋るパスファインダーは相変わらず一人で喋っていた。

「あそこ漁夫るか……いややっぱりやめよう」
「ここ詰めよう詰めよういこいこいこ!!」
「ジブ割った、ブラハ撃って撃って撃って」
「ナイスナイス、ゆっくりでいいゆっくりで」
「やらなくていい、ほっといても死ぬから」

私は思った。

これはもしかして……指示厨?!!!

 
ただの独り言というよりは、攻めるタイミング、待機する旨、誰を撃つのかなど伝えてくるようになっていた。そしてこちらのピン刺しにはあまり答えない。どちらかといえばキルムーブで、グラップルでめちゃめちゃ先に行くので戸惑ってしまった。自分の中に理論があるようで、それを曲げられるのは嫌そうな感じ。

しかし味方のワットソンさんも、この喋るパスファインダーにきちんとついて行き、指示を守っている。このパスファインダーさんはこちらのオーダーにはあまり答えてくれない指示厨だけど、とにかく上手いしありがとうって言ってくれるし褒めてくれるのでなんかモチベ上がる。

残り3部隊になり、2部隊になり……
「なんか投げ物あったら階段下に投げて!」
の指示に、投げ物はなかったが階段を上りきった場所にガストラップを設置してみたら
「あーそれめっちゃナイス!」
と褒められた。

アタイ……チャンピオンになれるかも!!!!

3v3で味方のワットソンさんが落とされてしまった。最終リングは閉鎖中。私が投げたガスグレネードの中で撃ち合いになる。

2v1、私のガバエイムのせいでショットガンが相手のヴァルキリーに当たらない。しかし相手はどんどん私の体力を奪っていく。

あれ?もしかして死ぬ?あぁ、ついにパスファインダーさんに暴言吐かれるかもしれないーーー。

喋るパスファインダーの一撃だった。
金ノックダウンシールドをチカチカさせる相手のヴァルキリーがそこにいた。
2人でボコボコにし、無事チャンピオンとなった。

マッチリザルトはこうだった。

9キル、2700ダメージ。
この結果を見たパスファインダーさんは、
「ふんふんふん、まあまあダメージ出せてるね……よし、おっけ」

と言いながら去っていった。

よろしくお願いします とも、ありがとうございました とも言われなかったが、なんとなくこちらのことも意識してくれながら喋ってくれるパスファインダーだった。人によっては好き嫌いがあるかもしれないが、私は好きだ。

実力が伴う指示厨は喋ることの出来ない野良を救うのだ。

しかし、やっぱり野良ランクはつらい。
ボイスチャットがなかなかできないプレーヤーですが、何でも言う事きくのでパーティー入れてください。お願いします。。。

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