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友人からの進路相談

 こんにちは、スミレです。
 この時期ですから、進路で悩む学生が大量生産されていることでしょう。無論私もその1人ですし、周りの友人や教員もそれぞれに頭を悩ませています。
 私が通っている通信制高校は自分の時間割を自分でカスタムする方針を推しているので、「生活リズム整えとけよー」「大学って9時から始まるぞー」と言った具合に、早起きだけは習得するよう呼びかける声がよく聞かれます。

 さて先日、下校前に先生から声をかけられました。

先生「ちょっとコイツの人生相談に乗ってあげてくれ」

 コイツというのは同級生の友人A。私が所属している軽音サークルのリーダーですが、元々の気質と進路という重圧でなかなか登校できていませんでした。
 かれこれ1〜2ヶ月ぶりに顔を出してくれたので喜んでいましたが、恐らく進路について話したいと先生に催促されての登校で、流れで放課後のサークルに来てくれたのだと思います。
 そこにたまたま、来春から専門学校に通うと決まった私が通りかかったので、カウンセラー(仮)に選ばれたわけです。

 友人Aとは帰りの電車も一緒なので、下校しながらの進路相談が始まりました。

私「とりあえず、今のところはどんな状況なの?」

友人A「進学か就職。多分大学は行かないかな」

 あまり進んでいなかった、何も決まっていない。時期は11月の頭。
 私はサークルの顧問から、友人Aが進路についての一切を決めかねている上にメンタルもやられてきていると伝えられていたので、まあそうだよなと。
 もし全日制の高校で同じことを言ったらめっちゃ怒られそう(ド偏見)。

友人A「進学なら音楽系がいいんだけど、なんか、うん」

 友人の言う音楽系の専門学校は、私も検討していた学校だったのですぐにわかりました。私は音楽を趣味としてエンジョイしていたい派なので泣く泣く除外しましたが、友人Aはそもそも進路を考えること自体にノリ気ではない様子。

友人A「基本的に人間嫌いなんだけどさ、誰かと喋ってないと多分死んじゃう。学校も今あんまり行けてないし、どこ行ってもやっていけなさそうで不安」

 友人Aの語りが一旦途絶えたところで、私は頭をフル回転。
 寄り添いつつ、下手な提案で悩みの種を蒔いてしまわないように。
 ……どうせ先生が色々と言い切ってくれるでしょうから、慌てすぎて思い詰めないようにさせてあげたいと思いました。

私「じゃあ、喋る相手は誰がいいの?就職だったら職場の人か、進学なら学校の人か。あとはそれ以外のコミュニティ、例えば高校の友達とかと繋がっていればオッケー?」

友人A「あー、あんま考えてない」

私「進路先で誰とも仲良くなれなくても、他の場所に話し相手がいればいいとしたら、まあ進路なんて大人になってからでも変えられるし」

 誰からかは忘れましたが、30歳までに安定できればいいから焦りすぎないで、と言われた覚えがあります。それも伝えたところ、友人Aはやっぱり「う〜ん」と唸るだけ。

友人A「先のこと考えるってめっちゃむずいし面倒だし、不安だね」

私「スッゲェ嫌なこと言うけどな、進路って決まったところで結局不安だぞ」

友人A「スッゲェ嫌なこと言うじゃん(笑)」

私「予告したじゃん(笑)」

 専門学校に学費を振り込んだ直後の私は、「これでもう後戻りできない」感に襲われていました。
 通い出してから、もしなんらかの事情で嫌になったら、果ては途中でやめることになったら。学費を負担してくれた親にあまりにも申し訳ない、常々「学費のことは気にすんな」と言ってくれていただけに、なんとしてでも卒業して手に職をつけなければと強迫観念まがいの思いに駆られていました。

友人A「確かに。就職と違って学費っていうマイナスがスタートだね」

私「うん。そういう意味では就職の方が気負わなくていいのかな?」

 私と友人Aを一層不安にさせるのはきっと、不登校という過去です。ハードルの高い「普通」についていけなくなり、これからは「普通」の波を自力で乗り切らなければいけない、何せそれが「普通」だから。
 私たちの共通の友人が言っていた言葉を借りるなら「良くも悪くもドロップアウトした人たちの集まり」な我が校。今私たちが生きていられるのは、この居場所があるから。一歩外に出たら、私たちは一体どうなってしまうのでしょうか?

友人A「いやだー、高校卒業したくねー」

私「わかるー、居心地良すぎるもん」

 あーでもないこーでもないと進路について議論し、昨年度の先輩と全く同じセリフに落ち着いたところでいよいよ解散の時間。

私「進路のことは、今日はもう考えなくていいよ。いっぱい考えたもん。あんまり思い詰めすぎないでね」

 電車を降りようとする友人Aに、私は祈りを込めてそう言いました。駅のホーム特有のうるささで友人Aがどう返答してくれたのか全く聞こえなかったのですが、表情は幾分かマシになったように見えました、そうであると信じたい。

 そんな感じで終わった、友人からの進路相談です。学生とか社会人とか関係なく、先が不安な人にとって参考になる部分がありましたら幸いです。
 ここまで読んでくださってありがとうございます。

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