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サポート校って?Loohcsってどんな学校で何してるの?

「高校で働いてます」と言ったときに、当たり前に返される台詞No.1が「何を教えてるんですか?」なわけで、「全部です」「全部!?!?!???」というやりとりはもう慣れっこになってしまいましたね。

初めましての方も友人の方もこんにちは、すみれです。
Loohcs高等学院という通信制サポート校で、今年教員3年目になる28歳です。今回はご挨拶と自己紹介兼ねて、サポート校とは何で、Loohcs(以下、ルークス)でわたしがどんなことをしているかを紹介できればと思います。

「サポート校」ってなに?

この問いに答えるためには、まず通信制高校のことを理解した上で、サポート校の役割を見ていった方がわかりやすいでしょう。

通信制高校とは?

そもそも高校には、全日制・定時制・通信制の3つの教育課程があります。

全日制高校は、中学までと同じように、毎日昼間から授業があって、学校に通うタイプのいわゆる『普通の』高校です。

定時制高校は、夜間やその他特定の時間・時期に学習を行う課程です。元々は、働きながら夕方以降に短い時間の授業を受け、4年かけて卒業することが主流だったらしいですが、最近は社会や学生の状況の変化に伴って、昼の通学や3年で通うことを選択できる定時制高校も増えているみたいです。つまり、実質的には全日制の高校に近付いてきていると言えるわけですね。

さて、最後に通信制高校ですが、これは文字通り通信による教育を行う過程です。全日制・定時制との最も大きな違いは、登校の頻度です。全日制・定時制の高校では、毎日通学することを前提としていますが、通信制高校は基本的には自宅学習を行い、学校に登校するのは最短で年に4日程度となっています。

自宅学習で何をするかと言うと、レポート課題です。レポートと聞くと、大学を経験されたことのある方はいわゆる大学のそれを想像すると思いますが、形としては問題集のような穴埋め式のものや、オンライン授業の内容や感想について記述式でまとめるものなどがあります。

このレポート提出と、スクーリング(対面授業)への参加と、テストによって高校の単位を取得することができます。

サポート校とは?

サポート校(正式には通信制サポート校)もまたその名の通り、「サポートする学校」、つまり通信制高校をサポートする立場にある学校です。

サポート校は、学校教育法によって「高等学校」と認められていない学校です。つまり、サポート校を卒業しただけでは、高校卒業資格を得ることはできません

通信制高校とサポート校に同時在籍することで、高校卒業資格は通信制高校の方で取得しながら、普段はサポート校に登校し、学習面や生活面などであらゆる支援を受けることができます。

学校に2つ通う???

いわゆる『普通に』全日制高校を出られた方は、いろいろとイメージがつかないかもしれませんが、ものすごく簡単に言えばサポート校は「全日制の塾」だと思ってもらえればわかりやすいかもしれません(細かいことを言うと、サポート校でも毎日通うわけではない学校もあるのでざっくりしたイメージの話です)。

なぜサポート校に通うのかは、なぜ塾に通うのかと同じことで、塾では学校で得られないサポートが得られますよね。そういうことです。

考えてみれば容易にわかりますが、(量としてはそれなりの)レポート課題を、計画的にしっかり取り組んで、期日までに忘れずに提出するって、大人でも難しいじゃないですか(苦笑)。自宅学習が基本となると、勉強で困ってもすぐに質問できる先生もいないわけですし、相談できる友達もそばにいないわけで。そんなこともあって、通信制高校の退学率は全日制高校の5倍程度高くなってしまっている現状があります。

そういう背景があり、通信制高校をサポートする学校である「サポート校」が、近年では増えてきているんです。

サポート校では何をしているの?

これが実は説明がややこしくなるポイントで、というのも、繰り返しますがサポート校は国に認められた「高校」ではないため、自由なルールの下で自由なカリキュラムを提供できるんです。塾だって、集団塾もあれば個別塾もあるし、ビデオ教材が売りのところも、「授業をしない!」が売りのところもありますよね。そういうことです。

なので、一般的なことを言おうとすると「学習面・生活面・精神面のサポート」というようなかなりふんわりした話になってしまいます。学校ごとで全然違うんですよ。

なので、ここからはわたしが教員をやってるルークス高等学院の話で具体的に説明できればと思います。

ルークスってどんな学校?

Loohcs高等学院は、通信制高校である代々木高校のサポート校で、2019年に開校した新しい学校です。

キャンパスは渋谷にあり、渋谷駅徒歩3分という、田舎出身のわたしからすると信じられない立地です。代々木高校のスクーリングは年に4日のみなので、ルークスに通う学生たちは基本的には毎日この渋谷のキャンパスに通います。

ちょっとここまで堅く書きすぎたなと反省しているので、ここからはぶっちゃけ半分ダイマ半分でポップに書いていこうと思います。

ここがすごいよルークス①リベラルアーツの授業の本気さ

時間割を見ていただければ少し伝わるかと思うのですが、かなり大学です

社会科学・人文学・自然科学では、いわゆる大学で触れるような学問分野を扱います。ちなみに今学期は、社会学・哲学・科学史をやっています。

国語や数学も、みなさんが高校で受けた授業とはおそらくかなり異なることをやっています。国語は言語学から、数学は数学史から始まっています。

当たり前(?)ですが、カリキュラムはすべて独自のもの、つまり手作りです。教員陣がいろいろな本を参考にしながらすごいがんばって作ってます(笑)。

なおかつ、授業は講義ではなくワーク中心です。みんなで議論したり、実際に作ってみたり、いわゆる探究学習的なスタンスです。正直なことを言うと講義を作るよりワークを考える方が大変です(笑)。

なお、講義の内容はルークスのPodcastで配信しています。ぜひお聴きくださいと言いたいところですが、時間のない方はタイトルだけでも見てください。本気さが伝わるかと思います。

ここがすごいよルークス②「まじの」個別最適

先の時間割を見て、「え、『普通の』勉強がしたい子はどうするの?」と思った方もいるかもしれませんが、それは3限でできます。3限の時間は、自分の好きなプロジェクトに取り組むことができるので、受験勉強をしてもよし、資格の勉強をしてもよし、創作活動をしてもよし、いわゆるプロジェクトを立ち上げてもよしの時間です。

つまりこの時間は、英検の勉強をする子、受験物理の勉強をする子、音楽を作る子、絵を描く子、イベント立ち上げの打ち合わせをしている子などなどが共存する時間になります。そんでもって、全部見ます。わたしは元々は文系だったので、化学や物理はこの学校に入ってから勉強しました(楽しい)。これが、わたしが冒頭で「全部教えている」と言ったワケですね。

もちろん教員だけではアドバイスしがたい専門分野もあったりするので、そういう場合はより詳しい大人を紹介したりもします。基本的に、学生が何をやりたいと言っても応援するのがルークスの強みです。

ここがすごいよルークス③合格実績

手前味噌は今さらなのでこのまま突っ走りますが、創立3年、規模としては全学年で30人いない程度の学校ながら、かなり良いと言わざるを得ない合格実績になっています。

ホームページを見ていただければわかりますが、ミネルバ大、早慶上智、医学部等々……個人的には、卒業生の人数に対して文理・芸術系などこれだけ進路に幅が出るのもまたルークスらしいなと思っています。

「Loohcs高等学院は大学受験に強い!」という売り方をさせていただいておりますが、というのも、総合型選抜対策塾として業界大手のLoohcs志塾(旧・AO義塾)と運営会社が同じであるため、「高等学院のリベラルアーツで学んだ考え方+自由な時間で取り組んだプロジェクト」×「専門的な総合型選抜対策」で、難関大学にもチャレンジしやすい環境になっています。

ちょっとダイレクトマーケティングが過ぎましたかね。一応自己紹介がてらの記事なので、最後にわたしがルークスでやっていることだけ紹介します。

わたしがルークスでやっていること

①(もちろん)授業

当たり前ですが、教員なので授業をしています。と言っても、先でも触れた通り、いわゆる「黒板に向かってつらつら板書する」タイプの教師ではなく、学生とのおしゃべりと言いますか、「議論」や「問答」が中心です。

科目の勉強であっても、とにかく学生に説明をさせます。「関係詞ってなに?例文で言うと?」「因数分解ってなんのためにするの?」などなど……。どうしても、いわゆる受験的な勉強はドリル的な取り組みになってしまいがちなので、目の前の問題そのものよりも、必要な「概念」をわかっているか?を重視して教えるようにしています。

②学生との日々のおしゃべり

とにかく教員と学生との距離が近いのも、ルークスの大きな特徴です。インスタやHPなどでは「すみれ先生」と書いていたりますが、実際には学校では「すみれさん」「すみれちゃん」などと呼ばれています。もはや一部の男子は「すみれ」と完全に呼び捨てです。

そんな距離感なので、もちろん「面談」もあるにはあるのですが、毎日のおしゃべりがプチ面談のようなものです。趣味の話や友達の話、最近の悩み事や、ちょっと重めの相談まで。

教室に「職員室」がないので、教室にいるときはいつでも学生と一緒です。授業も大胆に言ってしまえばおしゃべりの延長なので、仕事の大半がおしゃべりなのかもしれませんね。

③授業/教材作り

先にも触れましたが、教材は基本的にすべて手作りなので、デスクワークのメインは教材づくりです。教材の性質上かなり読書量が求められるので、休日は本を読んでいることが多く、仕事なのかプライベートなのか曖昧ですね(笑)。

授業そのものではない外部向けのコンテンツについては、すでに紹介したPodcastは、教員としての同僚かつ会社の取締役(!)の谷口がメインでがんばっていますが、わたしはInstagramで「新しい教科書」を作っています。よかったらぜひフォローしてください。

④(これからもっとがんばる)「あまねく」のための仕組み作り

そもそも教育でわたしが何を目指したいか?は、あまりにもありがたいことにLoohcsが目指すものとほぼイコールと言っていいので、それについてはまたの機会に書ければと思います。

ごく個人的なミッションとしては、いい教育をあまねく実践できるための仕組み作りです。教育という分野はどうしても労働集約的になりがちな側面があり、まぁ現実問題わたしもかなり労働集約的に働いているわけですが、誰がどこでやっても同じように質の高い授業になるような教材を作りたいですし、そういう運用ができるだけの教員育成のシステムも作りたい。「結局先生次第じゃん?」みたいな部分を、できるだけ少なくしていきたい。そのためにはそもそも「いい実践」の蓄積と言語化が必要で、そういう意味でまだまだ学生に学ばせてもらっているなと日々感じています。


がんばって短めにおさめようと思ったのですが、気づけば5000字近く書いてしまいました。悪い癖です。とはいえ、わたしがどういうあり方で教員をしているのかは、なんとなくわかっていただけたのではないでしょうか。

細かいことはまた別の記事で。今後とも何卒よろしくお願いします。

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