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クイーンズ・ギャンビットというドラマを見た

Netflixでクイーンズ・ギャンビットを一気に見た。https://www.netflix.com/jp/title/80234304?s=i&trkid=13747225&vlang=ja&clip=81335475

起承転結がしっかりしているところ、どんどん話が進むところ、時代設定に合ったファッション、アニャ・テイラー=ジョイ演じる主人公ベスのビジュアルが最高。名前かわいすぎ。あにゃ。

「チェス版の半沢直樹」と言って勧めてもらった。スポ根みたいな側面だけではなくて、女性学の観点からも、かなり高く評価できると思う。ベスと、義母アリスおよび高校同期マーガレットが、かなり対照的に描かれている。ベスかっこいい、やはり専業主婦になるのは避けたい、という感想に落ち着く。

アリスとマーガレットは、ベティ・フリーマンが著書『女らしさの神話』(“The Feminie Mystique")で指摘した女性像そのものだった。それはつまり、こんな感じ。

①中産階級の専業主婦で、妻・主婦・母親としての役割だけを求められている
アリスは母親としての役割を果たすために養子縁組を希望したのかもしれない。マーガレットは高校卒業後すぐに結婚、妊娠、出産、ワンマン子育てに突入した模様。

②金銭的・精神的に男性に依存している
アリスは夫が「出張」から帰るまで現金を手にできない。マーガレットをはじめとするベスの高校同期は、流行りのラブソングを熱唱し、男性から愛されることが人生の目標という感じ。

③家に閉じこもり、自分のしたいことができないアリスは上手にピアノを弾けるけど、誰に聞かせるでも教えるでもなく、辛気臭い曲を1人で奏で続ける。マーガレットの能力が、ハイスクールのマドンナたりうる社交性の高さだったとしても、子どもとずっと2人っきりだから活かせてない。イソギンチャクの死骸みたいなピンク色の変な帽子をかぶってたけど、あれなに?

④フラストレーションからの精神不調
世間と遮断された感覚や虚しさが原因の鬱と無気力。お医者さんが精神安定剤をガバガバ処方。薬物依存。ビールやワインを飲んで頭をぼおっとさせておくと、ちょっとはマシ。アルコール依存。

教訓としては、社会と関わって生活費を稼ぎ、スルースキルを身につけ、自分のことは自分で決めることが大事なんだろうなと思う。フェミニズムは「全て男性が悪い!」と激昂しているイメージがあるが、女の役割とされるものを疑わずに受け入れてきた女性も、悲しいけど悪に加担してきたのだ。性別を根拠にして無理に全てを背負わなくてもよくて、大変なことは分け合って、生活の負担を軽くすればいいんじゃないかな。


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