#18: 奥が深いよ"進行形" 【3/3】
本記事は 奥が深いよ"進行形"【2/3】の続編になります!
先にそちらをお読み頂くと、より楽しめるかと思います👍
前回の記事では、
進行形が持つ "前段階性" という
特性について確認しました😊
それを踏まえ、今回は、
進行形を含む様々な文に
"前段階性" の概念を
当てはめていきたいと思います!
はじめに、少しだけ
前回の復習をしておきましょう!
前段階性の定義とその例文、
及びそれを図に表したものを再掲します🧐
進行形によって表される出来事は
基準時よりも前から始まっている!!
(※ 約束・手筈なども前段階に含む)
Look out of the window! It is snowing outside!
(窓の外を見てみなよ! 外は雪が降っているよ!)
"It is snowing outside."は、文字通り
"今この瞬間に雪が降っている"
ということを表した文です。
しかし、俯瞰的に見てみると
"雪が降る" という出来事は
現在を基準として、その基準時よりも
前から始まっていることが分かります。
これが "前段階" でしたね!
では、「〜している」という意味以外で
進行形が使われた場合はどうでしょうか。
(進行形のさまざまな意味に関しては
奥が深いよ"進行形" 【1/3】で
確認しました😊 )
以下の例は、一般に
[確定的な未来]と呼ばれる
進行形の用法のひとつです。
例文のように、(現在)進行形は
確定的な未来の出来事に対しても
使用することができます:
[確定的な未来]
I'm leaving tonight. I've got my plane ticket.
(今晩出発します。飛行機のチケットは買ってあります)
この文を、図に表すと以下のようになります!
もちろん、この文の場合、
第1例( = "is snowing")とは異なり、
実際に "leave" という出来事が
進行しているわけではありません。
(まだ出発していないわけですからね🧐)
しかし、この文にも前段階はあります!
ポイントは、定義で示したように
"前段階には約束・手筈なども含まれる"
ということです!
この場合の前段階は
「チケットを既に買っている」
ということになります🤔
未来の出来事に対して
(現在)進行形が使われるのは
出来事の実現に関する
約束や手筈が既に整っていて、
その出来事が確定的に生じると
予想される場合がほとんどです!!
したがって、未来を表す進行形にも、
ほとんどの場合、前段階があると
考えられます!
それを踏まえると、
約束・手筈が整えられない
( = 前段階が存在しない)
未来の出来事に対しては
通例、現在進行形は
用いられないというのも
納得ですね!
ex) *It is raining tomorrow. (明日は雨になります)
☞ [明日は雨が降る]という出来事に対する
約束・手筈は整えられない (人工降雨システムがあれば別ですが🧐)
話を戻しましょう!
次の例を見てみます!
[一時的な状態]
We are living in Tokyo.
(私たちは(一時的に)東京に住んでいる)
上記の例では、いわゆる状態動詞が
進行形で用いられ、[一時的な状態]を
表しています。この場合にも、
もちろん前段階は存在します。
一時的なものであるとしても、
基準時( = 現在時)よりも前から
"live in Tokyo" という出来事は
始まっているわけです。
それがこの文の前段階です!
長くなってきたので
次の例で最後にします!
[漸次移行的な状態変化]
Tina is resembling her sister more and more.
(ティナは、ますます姉と似てきた)
先程と同様に、状態動詞が
進行形で用いられている例ですが、
この場合の進行形は
一時的な状態ではなく
"状態変化" を表しています。
"状態が変化しつつある"
= 状態の変化は既に始まっている
わけですから、前段階がありますよね😊
いかがだったでしょうか😊
3回に渡って、進行形の"前段階性"
という性質を追いかけてきました!
教科書や参考書では、
あまり触れられることのない概念ですが、
理解していただけたでしょうか。
進行形、そしてこの "前段階性" には
まだまだ面白い点がたくさんありますので、
また次の機会に紹介したいと思います😊
最後までご覧いただきありがとうございました🙏
参考文献:
『ことばを彩る1 テンス・アスペクト』 吉良文孝 著
『英文法解説(改訂新版)』 江川泰一郎 著
すみのふ
Ω
よろしければサポートよろしくお願いいたします!頂いたサポートは本やセミナーの資金に充てたいと思っております!