#5: 『ダークナイト』に学ぶ"過去"を表す現在形
本記事では
タイトルにもある通り
『ダークナイト』に学ぶ"過去"を表す現在形
をテーマに話を進めていきたいと思います!
まずは、簡単に映画の紹介をしておくと
『ダークナイト』(原題: The Dark Knight)
2008年公開
監督: クリストファー・ノーラン
主演: クリスチャン・ベール(バットマン役)
✅ バットマン VS. ジョーカーを実写化
✅ ジョーカーを演じたヒース・レジャーの怪演に注目
✅ 人間の善悪がテーマ
私もこの映画が大好きで何度も見ています🤡
なんと言ってもジョーカーを演じる
ヒースの怪演が素晴らしい!
彼はこの作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞しましたが
授賞式の前に亡くなってってしまったんですよね。
とても残念です。。。
まさに彼が命をかけた作品と言えるでしょう。
それでは本題に移っていきます!
作中にこのようなシーンがあります。
マフィアのボスであるGambolは手下に
ジョーカーを捕まえるように命じます。
彼が提示した条件は
「死体なら50万ドル。生け捕りなら100万ドル。」
というものでした。
数日後、手下たちはジョーカーの死体を彼のもとへ。
しかし事態は急変。
死んでいるはずのジョーカーは実は生きていたのです。
手下もジョーカーに操られていただけでした。
そして彼はGambolにナイフを突きつけ、
こう言うのです。
「生きていたとしたら? ("How about alive?")」
その後、自身の口の傷について語り始めるのでした。
以下ジョーカーのセリフ
[THE JOKER]
Wanna know how I got these scars?
(どうしてこの傷ができたかって?)
My father was a drinker and a fiend.
(俺の親父は酒浸りで酔っては暴れたもんだ)
One night he goes off crazier than usual,
(ある夜いつにもまして暴れ狂ったもんで)
mommy gets the kitchen knife to defend herself.
(お袋は防衛のために包丁を取ったんだ)
He doesn't like that.
(だが親父はそれが気に入らなかった)
Not. One. Bit.
(ただの少しもな)
So, me watching, he takes the knife to her,
(そんで、親父は俺の目の前でお袋を刺し殺した)
laughing while he does it.
(笑いながらな)
Turns to me and says 'why so serious?'
(そして振り返ってこう言うんだ
「そのしかめツラは何だ?」って)
Comes at me with the knife
(ナイフを持った親父が俺に近づいてきて)
'why so serious?'
(「そのしかめツラは何だ?」)
Sticks the blade in my mouth
(俺の口に刃を突っ込んで)
'Let's put a smile on that face' and...
(「笑顔にしてやるぜ」 そして...)
Why so serious?
(「そのしかめツラは何だ?」)
めちゃくちゃ怖いですよね。。。
でもここで疑問が生じます。
『ジョーカーは過去の話をしているんだよね?』
『なんで過去形じゃなくて現在形を使っているの?』
あれ?ジョーカー間違っちゃった?
いいえ!間違っていないんです!
このように動詞の現在形を使って過去を表すものを
劇的現在(もしくは歴史的現在)と呼ぶそうです。
上のセリフのように
過去の出来事をあえて現在形で表すことによって
まさに今目の前で出来事が起こっているかのような
臨場感を出すことができるんです!
まさに劇的ですよね!
でも現在の話と間違えたりしないのでしょうか?
聞き手に誤解を与えてしまったら元も子もないですよね。
安心してください!
劇的現在を用いる場合、かなりの確率で
その前に過去時を示すマーカーがあります。
過去の話であるということを前提として
現在形を使うんですね!
この作品の場合であれば
Wanna know how I got these scars?
(どうしてこの傷ができたかって?)
My father was a drinker and a fiend.
(俺の親父は酒浸りで酔っては暴れた)
この部分に当たります。
ここで誤解のないように
「過去の話だよ!」
ということを明示しているんです!
聞き手のことをちゃんと考えていて
意外とジョーカー優しいかも🤗
いかがでしたか?
このように現在形は
必ずしも現在のことを表す
とは限らないんです!
本日はこれで以上になります😊
少しでも「面白い!」と思っていただければ幸いです!
最後までご覧頂きありがとうございました!
すみのふ
Ω
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