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第1回(前)この仕事で本当にいいのかな?

悩んでいるとき、いつも思う。
「同じような悩みを解決した人から話が聞きたい!!」
でも、誰かに悩みを打ち明けることが難しい。だから本を読んだり、ネットで調べたりしてみたけれど、ヒントが見当たらない・・・
そんなことありませんか?

「キャリアの悩み、処方箋」は、そんなみなさまに、
社会で活躍する方々が「悩んだり困った時、どんな風にハードルをクリアしてきたか」をインタビューすることで今の悩みを解決するヒントが少しでも提供できたらと始めた企画です。

第1回目は、この仕事で、本当にいいのかな??とモヤモヤする皆さんに、以前同じような悩みを抱え、今活躍の場を広げている野島優美さんの経験から解決のヒントが提供できたらと思います。
お伝えできる情報が豊富で、第1回目ながら前・後編でお伝えします。

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悩みのヒントが見つかりそうな方

・やりたいと思っていたけど、始める前にこれでいいのかなと悩みがある
・やりたい仕事をしているはず。なのに何か違うとモヤモヤする
 
・やりたい仕事とは違うけど、成果がでてる。でもこのままでいいのかな?とモヤモヤしている

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野島さんと出会ったきっかけ

私が日経スタイルで不定期に執筆しているコラム「人事部の視点」で、就職氷河期世代からコロナ世代の学生に向けてのメッセージを書く際、取材させていただいたのが野島優美さんでした。
取材で「大学生の当時、どんな就活をしていていましたか?」という質問に対する野島さんの答えが「よしもとの養成所(NSC)を受けておりました。」 
「学習院大学の学生が、なんで芸人?」          
とキャリアの始点で「この人おもしろいな」と興味を抱いたのが初印象でした。

天職に憧れすぎて、芸人になろうとする学習院大生

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将来を考え始めた大学2年生の頃から父親に「天職が見つけられたらNO1になれる」「会社に入るだけが人生ではない」と言われていたのもあってか、天職を探さなければ!という思いがあり、まわりの友人が就活を意識する前から「自分にとっての天職って何だろう?」と真剣に考え続けていました。

当時は興味のあることを知ろうとしてマスコミや広告のセミナーを受けたり、同時に興味にあったJAZZボーカルに挑戦したり、色々な行動をして模索を続けていました。
模索しながら出てきた当時の答えが、
・想いをモノに託すことも面白いけど、自分自身が表現者になるのもいいな
・人の心をつかむことがしたいな

ということで、当時「天職をまっとうして生きた人」と憧れていた横山やすしさんと同じ芸人の道に進むアイデアが出てきたんです。
ただ「いいな」という主観だけでなく、「(当時)大卒で女性の漫才師が少ないから希少価値があってチャンスが掴めそう」と客観的な観点からも考えていました。

NSC合格後に「本当に天職?」の違和感が生まれる

父親に相談したら「面白いやん!!(生粋の大阪人)」と賛同も得られて、みんなが3年の冬頃から開始していた就活も全くせず、そのまま4月にNSCを受験しました。結果は合格。無事に芸人の道を進むことになる。
と思いきや、合格して芸人の道が目前に来た途端、
「これって本当に私の天職??憧れの人の天職ではあるけど、私の天職なのかな?」
と急に違和感が出てきたんです。

今から考えれば、急に悩みが出たのは、目的(人の心をつかみたい)と手段(漫才師)が逆になっていたからだと思います。
手段に飛び付かず、「芸人も一つの道だけど、それ以外に自分が表現者となって『人の心をつかむ』には、どんなことができるだろうか?」と考えたり、まわりの大人に沢山質問したりするプロセスを飛ばして決めようとしたから、急に不安になったんだと思います。いろんな案を複数出した上で選択すれば違ったのかもしれないのですが、当時は「私の道は芸人だ」と思い込んでしまっていて。
悩みつつも、とりあえずNSCに入学するという道もあったと思うのですが、「これでいいのだろうか?」という気持ちが解消しないと中途半端になると思っていたこともあり、結局気持ちが入学に向かず辞退しました。

天職の糸口が掴めないまま、敗北感で終わる

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当時の就活は5月上旬に内々定が出て就職先が決まっているという感じだったので、就活するにしてもとても出遅れている状況でした。そんな中、私は天職につながる原動力ってなんだろう?それが見つかれば、辿り着けるはずと思い、ずーっと内省を続けていました。
そんな私の様子を見て、父親が「そんなに悩むくらいなら、一度就職してみたら?よく雑誌を研究しているし、アパレルは女性が早くから活躍しているからいいんじゃない?」とアドバイスをくれ、親に勧められるままにご縁のあったアパレル企業に入社することに。

時間を掛けて自分と真剣に向き合ったのに、この結果・・・・と敗北感でいっぱいでした。

コメント1上

★当時の私へ★
「天職を探したい」という気持ちが高じると、ついつい「これかも?」と安易に飛びついてしまうこともあるけど、早計な思い込みは危険。
試したことがないことはすぐに1つに絞らずに、ぜひ色々な人の話を聞いて、複数案持ちつつ試してみて欲しい。その上で行動して、違うなと思ったら、修正して徐々に1つに絞り込めば大丈夫。

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同期ほど情熱がなかったのに、どんどんのめり込んだ販売時代

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 『洋服が好き!』という情熱から入社した同期が多い中、『ファッションは好きだけど、同期みたいな熱さはないな・・』と思いながら、販売職として毎日過ごしてました。
ただ現場で気づいたのが、購入するお客様はモノを買うことで、願望を叶えたいのであり、洋服はそのためのツールなんだということ。
そして同じように洋服を提供するお店の中で、自分の店を選んでもらうには「ブランドの良さが一番伝わるお客さまは誰か?を考えること」がポイントだと気づき、「その方々の目を引くディスプレイとは?喜んで購入してくださる接客とは?」など試行錯誤する中、ノウハウがどんどん蓄積されていき、仮説の精度が上がって、狙った結果がどんどん出せるようになってきました。
また、販売職は個人プレーと思われがちですが、チームプレーもとても重要。売れ続ける店舗には良いコミュニケーションがあることを実感し、店長になった頃には、店舗メンバーが気持ち良く働けるためのコミュニケーションにもこだわるようになりました。成果も上がり、友人達からは「店長は天職ね!!」と言われるまでになりました。  

コメント2上

今のお仕事の中に、得意なことや自分自身の価値観を満たすポイントが必ずあるから活躍しているのだと思います。
そこを見逃さず今後のキャリアに繋げていけば、継続するにしても、違う道に進むとしても、納得したキャリアが積めるのではないでしょうか。

コメント1細下

次回後編へ

天職はこれだ!挑戦したもののその道に進めず、敗北感から始まったキャリアにどんどんのめり込み達成感や満足感を感じ始めた野島さん。
後編では、そんな野島さんがまた新しい悩みを抱えることになります。
どうぞ、お楽しみに〜(。^^。)

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