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効率的に書く、読書感想文の本の選び方

夏休みの宿題の定番・読書感想文を効率的に書くための、本の選び方についてお伝えします。

夏休みはあっという間に過ぎてしまいます。

・読書感想文が苦手
・読書感想文に割く時間がもったいない
・夏休みに好きなことをするために、読書感想文はさっさと終わらせたい
・夏休み残りわずかで時間がないのに、読書感想文が終わっていない
・自分で書く意思はあります!

という方(または保護者の方)は読んでみてください。

※読書感想文コンクールで賞を獲りたい!上手に書きたい!という人向けの記事ではありません。
※「本の選び方」のみの記事です。肝心の「感想文の書き方」はありません。

本を探し続けた経験から

4年間市立図書館でお仕事しましたが、7月から8月は子どもたち(と保護者)の読書感想文と自由研究のためにかなり骨を折りました。
読書嫌いや作文嫌いはたくさんいます。宿題だから仕方なく、読書感想文の本を探しているのです。
読書感想文が書きやすい本をうまく選ぶことが、効率的に書くためにはとても重要です
毎日毎日子どもたちの本を選びまくった経験から、気をつけていたポイントをお伝えします。

NGな本① 苦手ジャンルの本

誰にでも得意なジャンル、苦手なジャンルがあります。
学校の授業や遊びといった生活の中で「これが好き」というものがあるはずなので、基本的にはそれにマッチする本を選んだ方が楽しく読めます。楽しく読める方がより早く読めますし、書くときも「あそこ面白かったな」と思い出せて、効率的に進められるのです。

あえて苦手なジャンルに手を出すと読み進められない上に、何とか読了しても感想文に書くことが思い浮かばず苦しむことになります。
生物に全然興味ないのにファーブル昆虫記選んじゃうとか、野球分からないのにベーブルースの伝記とか(極端な例ですが、本当に読書慣れしてない人ががんばって選ぶと、こういうこともあったりします)。
あと、そもそもフィクションは読まないという人もいます。ノンフィクションもそう。
「これなら読めそう」と思える本を選びましょう。

NGな本②  背伸びしすぎな本

また、年齢や読解力に合っていることも大事です。
毎年学年別に課題図書が発表されますが、正直「これはかなり読める○年生向けかな」と思うことはよくありました。

読めない本に当たらない方法は、書店や図書館へ行って自分の目で見て選ぶこと。
ネットの試し読みやレビューを頼りに買うと、届いてみたらなんか違う、となりがちです(本に限らずですが)。
書店も図書館もほとんどの本が試し読みし放題なので、最初から足を運んだ方が効率が良いです。

NGな本③  学校が読書感想文NGにしている本

ここは学校や先生の方針がそれぞれ違って難しいのですが、手に取った時点で直感的に「これ、もしかしてダメかな?」と違和感を覚える本というのがあります。
例えば人気はあるのですが、ノベライズ(アニメや漫画、ゲームを原作として小説に書き直したものや、スピンオフ)はNGとされていることが多いです。漫画そのものもNGなことが多いでしょう。クイズや謎解き、ゲームブックも同様です。
「知らされてなかったから」と逃げ切れるかもしれませんが、駄目だと最悪一からやり直しになるので、とても非効率的ですよね。うちの学校はOK!と明らかに分かっているのでなければ、避けておくのが無難でしょう。
(宮部みゆきさんの「ICO」なんかはどうなるんでしょうね……。今の学生さんたちはプレイしてないか。)

NGな本④  短すぎる本

ページ数の少ない本は早く読めますが、感想文を書くときの「ネタ」が少なくなってしまいます。
読書感想文は原稿用紙○枚と決まっているはずなので、文字数を稼がないといけません。
「この人物に共感した」「このセリフが印象的だった」などのエピソードをいくつか書きたいものですが、短すぎる本だとネタ切れしてしまいます。引き伸ばしてダラダラ書くのって、意外と時間がかかります。
「あれとこれとそれについて書こうかな」と自然に感想文の流れを作りやすい、適度な長さは必要です。

夏休み前に読んだ本の感想を書こう

今までに何か読書感想文向きの本を読んでいれば、その本について書きましょう。新しく本を読む時間とエネルギーを使わなくて済みます。
参考書に一部掲載されていて、そこだけ読んだことのあるものも良いでしょう(他にも通信教育とか、模試の過去問とか)。多少早く読めるはずです。
一冊じっくり読めたら言うことありませんが、感想文が書ける程度に拾い読み、流し読みするのもアリです。
あくまで「早く読書感想文を終わらせる」のが目的なので、少しでも近道を探します。
ただし、もう読んだことのある本や文章も、一度読み返しましょう。読んでから時間が経つと案外忘れているものなので、とんちんかんな読書感想文になりかねません。とはいえ初見の文章よりは早く読めるでしょう。

どういう本が書きやすい?

読書好きの作文嫌いはけっこういます。好きな本が読書感想文向きではない、というのが一因かもしれません。
普段から読んでいる本の中に読書感想文が書けそうなものがあれば良いのですが、そうでもないという人もいます。

図書館で夏休みによく貸出されていた本の傾向は以下のとおり。

・キャラやエピソードが満載の物語小説
・偉人の伝記
・戦争を扱ったもの
・時事ネタ(今ならオリンピック、SDGsなど)

書きやすそう!と感じて借りていく人が多かったのだと思われます。
伝記は夏休み以外でも一年中人気ですが、子ども時代のエピソードが濃い人物だと特に共感しやすく、感想文にも向いていそうです。

逆に書きにくいものといえば、例えば宮沢賢治はよく読まれますが、感想文書くのは難しいようです。世の中の理不尽や人間の矛盾、自然の美しさなんかが描かれていて、考えさせられる内容ですが、「良いことしたら返ってくるよ」みたいな分かりやすい物語じゃないんですよね。(もちろん宮沢賢治で感想文書ける人もたくさんいるでしょう。)

まとめ

けっこう当たり前のことをたくさん書いてしまいましたね……。全部分かっとるわ!という方、すみません。

読書感想文は「書かされる」ものなので、残念ながら読書好きを生むきっかけにはなりにくいなと思っています。運良く良書に出会えても、そこから読書習慣を定着させるのは難しいんですよね。
(逆に読書好きな人は、もちろん読書感想文がなくてもどんどん読みます。書く方も然りです。)
気乗りしないなら、とりあえず今年の読書感想文はさらっと終わらせる、というのも一つの手だと考えています。人生の中で、読みたい書きたいと思うタイミングは人それぞれですから。
何より、学生の夏休みは貴重です。やりたい!と思うことを存分にやるために、読書感想文は効率的に書いてしまいましょう。
この記事が参考になれば幸いです。

※この記事の内容は全て、筆者の個人的な見解です。

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