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はじめてのデザインフェスタ出展。マーケティング視点で観察してわかった「出展者の心得」

どうもこんにちは。
メディアクリエイターとしても活動する角田尭史(すみだたかし)です。
写真や動画、音声などを使った作品を作って楽しんでいます。

去る11月19日20日に東京ビッグサイトで開催された、アジア最大級のアートイベント「デザインフェスタ vol.56」に初めて出展しました。
デザインフェスタ(通称デザフェス)に出展するのが初めてどころか、足を運ぶのも初めてだったので、本当に発見の連続でした。

その感想はInstagramにも簡単にまとめていますが、改めてnoteにも書いていこうと思います。

デザインフェスタとは?

デザインフェスタは、半年に1回のペースで東京ビッグサイトで開催される国際的な総合アートイベントです。ジャンルは本当にさまざまで、アクセサリーやバッグ、ライブペイントなどたくさんありました。

デザインフェスタは、オリジナルであれば無審査でどなたでも参加できる国際的なアートイベント。魂を込めたアート作品や日常を彩る雑貨、アーティストとの交流、ライブパフォーマンスや世界各国のグルメなどをお楽しみください。

オフィシャルHPより

アジア最大級と書いていますが、どのくらい大きなイベントかと言いますと、出展ブースが5000(!)、毎回5万人ものお客さんが来られるほどです。
今回は噂によると10万人くらい来ていたとか。
石巻市の人口の約8割を2日間で見たことになりますね。

どんなメンバーで参加したの?

今回は一人だけではなく、「Creative Hub」という石巻を中心拠点としたクリエイターチームで出展しました。
僕の他にはアップサイクル家具作家、リメイク洋服ブランドオーナー、猟師作家、フラワーサイクリストという個性的な面々が揃っていました。

僕は「深夜徘徊」というタイトルで、石巻で深夜に撮った写真を3枚飾っていました。

青い光がエモい石巻の飲み屋街
面白い方法で撮った「石巻市立病院」
シャッタースピードを遅くして撮った車の光の形跡。タクシーの「空車」が連続しているのが面白い

どんなブースだったの?

どの出展者も条件は大体同じだったのですが、2.5m四方ほどのスペースで出展していました。
お金を出せば出すほど広く使えるシステムだと僕は認識していて、我々はミニマムサイズの2.5m×2.5mの空間にパーテーションを立てて作品を展示していた形です。

こういうこと

結果どうだったの?

場所の狭さゆえに5人でシフト制で対応していて、ブースにいない時間の方が長かったのですが、体感値としての結果を記載しておきます。

1時間ごとの体感値
・ブースに関心を示してくれる:30人/時間くらい
・ブースに立ち寄ってくれる:10~15人/時間くらい
・熱心に話を聞いてくれる:1~3人/時間くらい

2日間合計(1日8時間、2日間で16時間で単純計算)
・ブースに関心を示してくれる:480人くらい
・ブースに立ち寄ってくれる:160~240人くらい
・熱心に話を聞いてくれる:16~48人くらい

この数字が多いのか少ないのかは、ブース全体や出展者自身の目的によって基準が変わるので一概には言えませんが、数字としてはこんな感じです。
ただ、列ができているブースもいくつもあったので、単純に数字だけで比較すると少ない人数ではあります。

かつ、増やそうと思えば増やせたな、とも思ったので、その観点から今回の学びを書いてみようと思います。
僕自身もお客さんとしていろんなブースを回っており、そこでの発見も盛り込みます。

学び

結論

「どうすれば生き残るクリエイターになれるか?」のヒントが山ほど詰まっていた、が今回の結論です。
もう少し具体的に書くと「どうすれば売れるクリエイターになれるか?」ですね。
さらに解像度を上げて書くと「自分の作品や商品が売れる可能性が高い場において、いかに売れる確率を上げていけるか」です。

デザフェスの前提条件

初めて足を運んだので行って初めてわかったのですが、デザフェスには以下のような前提条件があるように感じました。

  • 来場者の99%は、ある一つのブースを素通りする

  • 来場者は、全ブースのうち99%を素通りする

  • 来場者の99.9%は、自分たちのことを知らない

  • 来場者は、「何かを買いに来ている」人が多い(=財布の紐がゆるんでいる)

  • 来場者は、そのブースに足を止めるかどうかを0.5秒で判断している

  • 来場者は、目の前にある商品を買うかどうかを1分以内に決めることが多い

上記の前提条件を理解していると、やるべきことが明確になるのですね。
それらについて以下書いていきます。

遠くからでも何のブースかがわかるようにせよ

来場者は、ブースの目の前ではなくその少し前から当該ブースに立ち寄るかどうかを判断しています。
遠くから見て「なんか良さそう/別に行かなくていいや」と判断しているのですね。
だから、遠く離れた場所にいる人でも、そこが何のブースかがわかる工夫が必要なのですね。

その観点で言うと、すごくわかりやすかったのが服を販売していた青彩衣(あおさい)さん。
遠くから見て「青っぽいグラデーションカラーの、僕好みの服がある」と一瞬でわかって、案の定好きなテイストだったので即買いしました。
※添付した投稿はデザフェスのものじゃないけど

0.5秒でブースのコンセプトを伝えよ

前提条件に書いたように、来場者はそのブースに立ち寄るかどうかを0.5秒で判断しています。
つまり、自分が見たいかどうかを0.5秒で決めているのですね。

何のブースか伝わらなかったらその時点でアウトで。
いちいち説明する時間なんてもらえないし、来場者の検討のステージにも上げてもらえません。

なので、0.5秒でコンセプトを伝える工夫が必要なのですが、0.5秒で説明するのはどう考えても無理です。
ブース全体として統一感を出したり、目立つ掲示物を作っておくといったことをすると良さそうですね。

その観点で分かりやすかったのがUさん。
一目で「抽象画アクセサリーを販売している」とわかって、一瞬で惹かれて一瞬で買いました。

また、コンセプトを全面に出すことには別の意味がありまして。
さっきから「一瞬で買った」と書いているように、コンセプトやデザインに惹かれてすぐに購入を決める人が多い印象を受けました。
分かりやすく言うと、「好き!」と一目惚れして買うという感じですね。

実際Creative Hubのブースに来た方も、ドライフラワーのリースを1分も経たずに購入を決めていました。

来場者の手が届くところに商品を置くべし

これはデザフェスに限った話ではありませんが、手前にある商品の方が手に取りたくなりますよね。
服を買いに行っても、お店の手前にある割引コーナーについつい手を伸ばしがちです。

これは自分たちのブースを観察していてわかったことですが、人はよほどの理由がない限り奥まった場所には行きません。
手前で眺めたりチロチロ触ったりして、基本的にはそれだけで購入するかどうかを判断したいもの。
だから、なるべく手の届くところに商品を置いた方がいいのですね。

実際、自分たちのブースでも手前に置いていた古着はよく手に取ってもらえていました。
それが答えな気がします。

紙媒体を確実に準備せよ

今回僕が一番ミスったと思ったことですが、紙媒体を何も用意していませんでした。
用意した方がいいとは頭ではわかっていたものの、それに気づくのが遅すぎて準備する時間が全くなかったのです。

紙媒体を用意した方がいい理由は明白で、自分たちの情報を確実に渡せるから。
来場者一人ひとりとの接触時間が限られるし、人間の記憶力には限界があるので、紙でスッと渡せるものがあるのは非常に重要です。
もう1回来てもらえるきっかけにもなりますし。

これまでの僕は「Webサイトを見てもらったりSNSをフォローしてもらえればいいじゃん」と考えていました。
しかし、こういう大人数が来る場では意味をなさないことに気が付いたのです。
なぜなら、その時アクセスしたとしてもページを遷移した瞬間に忘れられるから。
ブースを離れた瞬間に「あれ、あのブースどこだっけ?」と忘れられるのと全く同じ現象です。
だからあの場では紙は必須でした。

まあ、紙を渡してもどうせ捨てられます。
家に帰ったら確実にゴミ箱行きです。
それは悲しい事実だし環境負荷的には最悪ですが、でもクリエイターとして「覚えてもらう」努力は確実に必要です。
特に来場者がインプット過多になるデザフェスにおいては、「頭で忘れても紙が手元にある」だけで思い出してもらえる可能性がうんと上がります。

もしくは、脳に強烈に残るようにブースにド派手な装飾をするか。

出展してみたい人は出展してみた方がいい

以上、デザインフェスタに初めて出展してみてわかったことを、マーケッター視点で捉え、編集者視点で噛み砕いて書いてみました。
何か印象に残っていたら幸いです。

お客さんを集めるための考え方を小難しく書いているため、作品や商品を出すことを渋ってしまう方もいるかもしれませんが、出展してみたい人は絶対に出展してみた方がいいです。
出展してみてわかることがかなり多いので、デザフェスに限らずそういう機会を積極的に持つことをおすすめします。

一人で出展するのが精神的にもコスト的にも難しいなら、皆で出展すればいい

とはいえ、名も無い人がいきなり一人で出展するのはハードルが高いですよね。
お金もかかるし、一人だったら何をどうすればいいかわからないし。

そういう方には「皆で出展する」方法をおすすめします。
皆でやれば行動のハードルも下がるし、自分自身の負担も軽減されます。

僕が参加しているCreative Hubというクリエイターコミュニティは、石巻が中心拠点ですが全国どこにいても所属できます。
最近DAO化してDiscordで色々情報交換ができるようになっているので、DAOにも興味がある方はぜひ見てみてください。
(直近では12月9,10日に東京・下北沢で出展の機会があります)

(宣伝)作りたい人は作ることに専念してほしい、売る・広めるは任せてほしい

クリエイターやアーティストとして生き残るには、どうしても「売る・広める」に目を向ける必要がありますよね。
かつ、今回書いたようにマーケットを意識したりコンセプトメイキングをしたりすることも必要になってきます。

ただ、クリエイターやアーティストとして活動したい人は「作る(創る)」ことをやりたいのであって、できればお金のことは考えたくない…という人も少なくないですよね。

今回のnoteを読んでいただいた方はもう気づいていると思いますが、僕は「どうすれば手に取ってもらえるか?」「どんなものを欲しがっているのか?」を考えるのがめちゃくちゃ好きです。
デザフェスに出展して改めて気づきました。
また、仕事として地域の企業のマーケティング支援もしているので、その知見も少しずつ溜まってきています。

そこで、「クリエイターさんやアーティストさんのプロデュースにトライしたい」と考え始めました。
熱を込めて作っている素敵なものを、しっかりと手に取ってもらえるようなサポートをしたいな、と。
お互いの得意分野を活かし、お互いにとってプラスになる活動ができればいいなと思っています。

とは言っても足を運べる範囲の方をご支援したいので、最初は関東〜東北ですかね。
かつ、最初の数名はモニターとして無料でOKです。

もし興味のある方は、どのSNSでもいいので私にDMください。
まずは雑談しましょう。


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