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今日まで泣いてた君も、明日からちゃんと笑えるから

インタビューをしてきた後の僕は、異様にテンションが高い。

インタビュアーとして聞いたアツい話に心を打たれ、その様子を同僚に嬉々として話したくなるし、Twitterでつぶやきたくなるし、インタビューの面白さを図解したくなる。
なんなら、その後の仕事がめっちゃ捗る。

どんな感じにテンションが上がっているかと言うと、
「いい記事にしたいな」
「貴重な話を聞けたぜ」
「やっぱ現場が全てだ」
といった具合。

現場で思い出した。

編集者である僕は、一年と少し前まで建設業界の人間だった。
CADというソフトで構造物の図面を描いたり強度計算をしたり、ヘルメットを被って建設現場に立っていたり。

今でこそ取材現場で話を聴くことを仕事にしているけど、以前の僕は建設現場にいたんだ。
同じ現場でもやってることはまるで違う。

正直な話、前職ではいいことが一つもなかった。
何も上手くいかなかった。

図面作成や計算もかなり時間かかるしミスも多いし、かと言ってできるようになる努力をしようとしなかった。
現場でも、工事のスピード感についていけず、できる仕事は本当に限られていた。
次第に、怒られたり見放されたりすることを過剰に恐れ、かと言って改善するでもなく、ただやり過ごすだけの毎日。

そう。仕事ができない人間だった。
必要とされてない人間だった。

現場でボロックソ怒られて、ほとんど全ての仕事が引き剥がされ、最終的には事務所の掃除しかしてなかった僕は、ほぼ毎日宿で泣いてたし、現場で隠れて泣いてたこともあった。

休日に自転車に乗ってて、街の景色を見て涙が止まらなかったときは自分でもビックリしたし、少し引いた。
それくらい心がぶっ壊れていたんだ。

建設現場では、僕は輝けなかったのだ。

前職は2年3ヶ月勤めたけど、本当にうまく行った仕事が一つもない。
これがちょっとコンプレックスだったりする。

でも、今は違う。

取材現場では、僕はイキイキしている。たくさん笑っている。輝こうとしている。

その現場にいることが楽しいし、現場の空気を作ることにやりがいを覚えるし、何より話者の楽しそうな表情を見るのが好きなんだ。

うまくいかないことがあっても、取材に行けばどうでもよくなる。
現場で生まれた熱量が、僕を前に進めてくれる。

だから、インタビューをした後の僕はテンションが高いんだろう。
前に進みたくてたまらないんだろう。

同じ現場でも、建設現場と取材現場では僕の表情は全く異なる。
建設現場では泣いてた僕は、取材現場では大笑いしている。

だから、今日泣いてる君も、明日からちゃんと笑えるようになる
自分の中で何かを変えれば、新しい何かが見える。

君が輝ける場所は必ずどこかにあるし、笑える日が必ずやってくる。
もしそれが信じられないのであれば、僕はそれを証明するために生きる。

今日まで何も上手くいかなくったって、抑えきれず泣いてしまったっていい。
その自分を受け入れ、1mmでも前に進むことで、明日はきっと何かが変わる。

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