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僕は経営者ではなく研究者だ

2月16日に株式会社midnight sunを設立し、ちょうど1か月が経過しました。

とはいっても、具体的に何か事業を進めているわけではなく、水面下で試行錯誤を繰り返している感じです。

この1か月間で気付いたこと、言語化できたことがたくさんあり、今回はその一つについて書こうと思います。

研究所を立ち上げます!

midnight sun総合研究所(midnight sun Research Institute)を立ち上げることにしました。
「研究所」ではなく「総合研究所」にしているのは、「いろんなことを研究していくよ」というメッセージです。

所長はもちろん僕で、研究員は今のところ僕だけ。
研究所という名前はつけつつも、一旦はオンライン研究所という感じで、リアルな箱はしばらく持たずに運営していきます。
(遠くない将来には箱を持ちたいですけどね)

では、このmidnight sun総合研究所でどんなことを研究していくのか、なぜ研究所を立ち上げるのかなど、whatの部分について触れていきたいと思います。

博士課程進学or就職で迷った修士課程時代

研究所、ひいては研究というところに着地したのには、大学院の修士課程時代が大きく影響しています。

学部3年生ぐらいのときに勉強の面白さに取りつかれ、迷いなく院への進学を決めました。
学校で学んでいる知識も、突き詰めると超面白いんだろうな、という予感からです。

修士課程時代に、僕の好きなように研究を進め、面白い結果が出たため、国内外の学会にいくつか出させていただくように。
国内では東京や仙台、海外ではペルーで発表したりしました。
(以下の写真は、ペルーでの発表の様子。デザインがひどい)

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こんな感じで、「学び(研究)を突き詰めた先に、さらに面白い世界(学会や研究者とつながる機会)があるんだな」という体験をしたのが、僕の大きな糧となっています。

それゆえ、修士課程を修了してからの進路は、かなり迷いました。
そのまま大学に残って研究をすることも大アリで、その選択肢も残すために就活はほどほどにしていたのです。
結果、「まずは社会(&学問が社会でどう生かされているのか)を知ることだ」と思い、内定をいただいた会社に入社することに。

なので、あんまり他人に話したことはないのですが、研究への心残りがある状態で社会人としてのキャリアを歩み始めたのです。

(学生時代最後の学会の写真。遠目からでもわかるデブさ)

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ちなみに、僕の研究テーマは、「火星北極冠における密度流がもたらす氷床地形の変動」でした。
意味不明だと思いますが、要するに「風が吹くと氷が溶けたり固まったりするんですよ」ってことです。

僕の論文がネットでも見られるようなので、研究好きな方はぜひ。

「研究をしたい」と訴え続けていた新卒時代

まあ、そういう未練があるのは自分でも認知していたので、研究所を持つ企業(メーカー)へ就職することにしました。
研究がしたくなったら、退職せずに異動するだけで実現するから。

でも、最初はいわゆる実務(プラント工事)の部門を希望して配属されました。
いろんな人に相談して、「最初に実務を経験した方が、研究にもいきてくる」という意見が多かったからです。

というバックグラウンドで入社したので、上司との面談のたびに研究への想いは伝えるようにしていました。
異動希望は常に出していたし、研究所の見学なんかも都度都度行かせてもらいました。

その会社で2年と少し勤めた結果、それまでとは全然異なるベンチャーの出版社の編集者として転職をしたのですが、その理由の一つが「しばらく研究職には就けそうにない」でした。
これも他人にあんまり話したことがないのですが。

(現場の写真は外部公開できないので、全然関係ない社会人野球時代の写真を載せておきます。1社目の退職と同じ年に野球もやめました)

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研究への想いが消えなかったベンチャー、スタートアップ時代

上記の出版社、そしてHR系のスタートアップで勤め、現在独立したというのが僕のキャリアです。
編集者から始まりインターン・パートナー採用、広報、営業、企画など幅広いことを経験させてもらいました。

もちろん、どの仕事もすべてやりがいがあり、すべて僕の糧になっていることは間違いありません。
僕の特技となっているもののほとんどは、この期間に培ったものです。

でも、働く中で常にこのような想いを抱いていました。
いつか大学に戻って研究したい」と。

ベンチャーやスタートアップは、環境や運によっては稼ぎを大きく増やすことができるため、その期待をして入ったのですが、その先のゴールとして大学の博士課程に行くを設定していたのです。
どんな研究をしたいかはあんまり決めていなかったものの、研究者としての生活をもう一度経験したいという想いは消えていませんでした。

(編集を担当した書籍が出版された時の写真。笑い方下手やな)

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「やりたいことを全部やるため」の独立、起業

そして、2020年11月をもって会社員生活を終了することにし、2021年2月に会社を設立しました。

この理由についても、本当のことはあんまり話してこなかったのですが、ここで初めて書くと「やりたいことを全部やりたいから、その手段として会社という看板を使うことにした」という感じです。
やりたいことがありすぎて、かつ全部に一瞬で飛びつく性分なので、そのすべてに自分の時間を使いたいと思ったためです。

だから、「経営者として大成したい」という気持ちは正直あんまりなくて、僕がやりたいことをやる方が優先度高です。
「経営者なんだから〇〇すべき」とか言われても、そんなの知ったこっちゃない。

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で、何をやりたいんだっけ?

じゃあ、具体的に何をやりたいの?ということですよね。
たくさんあって、ここでは書き切れないくらいなのですが、この章ではまた別のことについて触れます。

会社を設立してからの1か月間、無理に事業を進めることなく、自分自身がやりたいことや提供できる価値について今まで以上に考えてみることに。
かつ、インプット量も激増させ、おそらく今までで一番本を読んでいる気がします。

その中で、自然と出てきたのが「研究」というキーワードでした。
テキストコミュニケーション研究家と名乗ってみたり、学びの仕組みを変える「マナビアイ」というサービスを作って感触を確かめてみたり、最近は「一日の体感時間を72時間にしたい」なんてアホなことも真面目に考えていたり。

だから、僕は「経営したい」「事業を成功させたい」というより「研究したい」という気持ちの方が強いんだな、ということに気付いたのです。
つまり、僕はやっぱり研究者でいたいんだな、と。

(修士2年のときに行った火山科学館。こういう科学館系、めっちゃ好きです)

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せっかく会社を作ったんだから、自分で研究すればいいじゃん

研究の王道はやはり大学へ行くことです。
設備も人のネットワークも充実しています。

とはいっても、僕は会社を設立したばかり。
形としては、経営者としてのキャリアを歩み始めたところです。

だから、大学へ進学する道はしばらくなくなったわけですが、突然あることに気付いたのです。
自分で研究所を作ればいいじゃん」と。
ないなら自分で作ればいい、という発想です。

確かに、僕は研究をしたいのであって、研究ができれば企業だろうが会社だろうがこだわりはありません。
そして企業だったら、人様の会社でもいいし自分の会社でもいい。
だったら、自分で研究所を作ってしまって、自分で論文発表などをすればいいじゃん、と。

これを経営者的発想というのかはわかりませんが、今までにない発想だったので、これだけでも「会社を作ってよかったな」と思っています。
わりとガチで。

(大学の低温研究所というところで実験をしていたときの写真。マイナス30℃の実験室で実験することもありました)

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何を研究するの?

最後、具体的な内容について。
冒頭にも書いたように、あらゆることを研究する前提ではいますが、現時点で決めているものを3つあげます。

①コミュニケーション研究室

昨年秋より「テキストコミュニケーション研究家」という肩書を自らにつけ、テキストコミュニケーションの活性化について知見をつけてきました。
(以下のようにトークイベントもたまにやっていました)

テキスト含め、コミュニケーション全体において「よりよいコミュニケーションができないか?」ということを突き詰めていきたいと考えています。

②学び方研究室

現在、水面下で「マナビアイ」というサービスの開発を進めています。
僕自身、学ぶことが大好きで、大人になっても学びを楽しめる機会を提供したいと思い開発中です。

名前のとおり「学び合う」ことがコンセプトで、ギブアンドテイクではなくギブの循環。
α版として絶賛トライアンドエラー中なので、興味のある方はぜひこちらからどうぞ。

③時間術研究室

僕の核になりつつある「やりたいことは全部やる」を実現するための研究室です。
時間を効率よく使うことももちろんですが、そもそもの「時間を伸ばす」ということにも挑戦したいと考えています。

具体的には、「一日を72時間にする」というもの。
意味不明だと思いますが、僕も意味不明だと思っているので、研究を進める中で言語化していきます。

研究すること自体がもはや研究。そんなライフスタイルへ

研究するとは言っても、事業として成立しないことには僕はご飯を食べていけません。
また、その解決策は現状見つかっていません。

でも、もはやそれも研究にすればいいのでは?と。
マネタイズの仕方も含めて研究でいいじゃん、と。

だから、なおのこと僕は経営者ではなく研究者でありたいと思っています。
研究者が、お金のやり取りをしやすいように会社を作っただけ、みたいな感じ。

やっと光が見えてきた僕の研究者としての道、楽しんで形にしていきたいと思います。

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