神﨑寿美代

札幌テレビ放送アナウンサーを経て現在フリー。ヨミガタリスト、司会、話し方・朗読コーチ•…

神﨑寿美代

札幌テレビ放送アナウンサーを経て現在フリー。ヨミガタリスト、司会、話し方・朗読コーチ•••などよろず「話しことば」屋さんです。2019年よりふるさと神奈川県厚木市の民話に取り組んでいます。余談ながらムテキの晴れ女です。https://kamibokko.amebaownd.com

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  • むかしむかしの厚木のはなし シリーズ

最近の記事

いも洗い(厚木市上荻野)

相模川は、神奈川県の中心にあたる厚木市の街外れで三本の川に分かれます。このうちいちばん西の川をさらに二キロあまり遡ると、小鮎川と荻野川に分かれます。 このお話は、その荻野川が流れる山裾の農村で、千二百年ほど前・・・時代でいいますと平安時代が始まる頃の物語です。 ある秋の日、ひとりの女が川で里芋を洗っておりました。水道などもちろんない時代のこと、たらいに汲んだ水に泥を払い落とした芋を入れ、そこにまな板のような板を突き立ててキコキコと回しますと、里芋同士が擦れて泥や皮がとれて

    • 【配信終了】むかしむかしの厚木のはなし〜鎌倉殿と厚木と民話 

      厚木市の民話と郷土芸能のコラボレーション@ギャラリー喫茶なよたけ 当日チケットよりコーヒー分だけお安くなっています。 木戸銭が確認できますと入口が開きます。 お好きなドリンク片手にぜひご覧ください。 注)スマホアプリでは開けません。スマホのブラウザ(Googleや Safari)またはパソコンでご覧ください。 民話に取り組むようになって、言い伝えと史実とされているものは必ずしも一致しないことについてたびたび考えます。 かと言って、各地に伝わる言い伝えも、必ずしも間違いではな

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      • 民話を書く作業

        民話は口承文学。 語り伝えているうちに枝葉がついたり削ぎ落とされたり。だから同じ話なのにさまざまなバージョンがある。 私が祖父から毎晩聞かされていた「桃太郎」は、草履のサイズが15センチだったり、体重が18キロだったり、ハンバーグをモリモリ食べて大きくなったりしていた。 そんなふうに、語る人が何らかの思いを込めて語った民話。同じ(または類似)タイトルの話をできる限り集めてみる。 そして最大公約数的な部分を抜き出して、さらに骨格だけにする。 その上に土地に伝わる歴史だ

        • 配信終了 むかしむかしの厚木のはなし 2021.2.13

          配信期間が終了しました。 ありがとうございました。

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        いも洗い(厚木市上荻野)

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        • むかしむかしの厚木のはなし シリーズ
          2本

        記事

          「むかしむかしの厚木のはなし」 当日感染対策のルールを守ってお運びいただいた皆様、ありがとうございました。 度重なる状況変化に相談に乗ってくださったなよたけオーナー、そして旧友の無茶振りに面白がって取り組んでくれた2人にも感謝。 動画完成次第配信いたします。 しばしお待ちを…。

          「むかしむかしの厚木のはなし」 当日感染対策のルールを守ってお運びいただいた皆様、ありがとうございました。 度重なる状況変化に相談に乗ってくださったなよたけオーナー、そして旧友の無茶振りに面白がって取り組んでくれた2人にも感謝。 動画完成次第配信いたします。 しばしお待ちを…。

          私が民話を書きはじめた理由。

          私という人間は、トークが飛び抜けて上手いわけでもなく、ただ読むのが好きというだけでアナウンサーになってしまったので、いわゆる「局アナ」を辞めてからの紆余曲折が長かった。 結局「そうか、読みたいのか」ということに気づいたのがここ数年。 生まれた土地の民話に出会ったのがそれからすぐのこと。 実家では祖父が厚木の生まれではあったけれど、市外に出ていたし、祖母も横浜育ちとあって、地元の民話を聞いたことなどなかったのでびっくり。 図書館へ行ってみたら、教育委員会を含め何人かの著

          私が民話を書きはじめた理由。

          松林庵と山王さん(厚木市松枝の民話)

          神奈川県の中心にある厚木市。この「厚木」という地名が書物に登場するようになるのは南北朝時代と言われていますから、今からおよそ700年ほど前のことになります。 地名の由来はいくつかありますが、そのうちのひとつに、大きな川があるため、山から切り出した木を川を利用して運び、集めておくのにちょうどよかった。このため木を集める「集め木」から次第に「厚木」という呼び方に変化していったという説があります。集まった木を売り買いしていたということがわかる地名が「木売場」というバス停の名前に残さ

          松林庵と山王さん(厚木市松枝の民話)