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フィリピン住宅用不動産価格指数-2022年第3四半期

フィリピンでの住宅用不動産の価格指数についての2022年第3四半期レポートになります。
フィリピンで不動産投資を考えている方にとっての成長目安になるかと思いますの、是非、御覧ください。

住宅用不動産価格について

フィリピンのさまざまなタイプの新築住宅の住宅用不動産価格は、2022年第3四半期に前年比で6.5%上昇し、四半期比で4.6%上昇しました。(図1)
※マニラ首都圏 (NCR)、マニラ首都圏以外の地域(AONCR)

(図1)フィリピンエリア別住宅不動産価格指数

地域別に見ると、国内首都圏 (NCR) では住宅用不動産価格が前年比で上昇していますが、国内首都圏以外の地域 (AONCR) では四半期比で減少しています。

前年比だと、NCRでは住宅用不動産価格が17.5%、AONCRでは2.3%上昇しており、これは主にコンドミニアム(condominium)や一戸建て住宅(single detached)/テラスハウス(duplex)の価格の上昇が、集合住宅(townhouse)の価格の減少を上回ったことが原因です。

四半期比で見ると、NCRでは住宅用不動産価格が14.6%上昇しましたが、AONCRでは0.4%減少しました。

住居タイプ別不動産価格指数

同様に、住宅タイプ別を見ると、集合住宅(townhouse)を除いて、価格が上昇しています。

2022年第3四半期において、テラスハウス(duplex)、コンドミニアム(condominium)、一戸建て住宅(single detached)の価格が、それぞれ26.7%、19.2%、9.8%上昇したことが、全国のRREPIの成長に寄与しました。一方、集合住宅(townhouse)の価格は16.3%減少しました (図2)。

(図2)住居タイプ別不動産価格指数

同様に、RREPIの4.6%成長の内訳は、コンドミニアム (12.0%)、テラスハウス (3.4%)、一戸建て住宅 (2.7%) のより高い価格が原因である可能性があります。一方、集合住宅の価格は減少しました ( -2.1%) 。

住宅用不動産ローンの利用について

全国的に新しい住宅ユニットのための住宅用不動産ローンの利用は、前年比で減少しましたが、四半期比で成長しました。

2022年第3四半期、フィリピンのすべてのタイプの新しい住宅ユニットのための住宅用不動産ローン(RREL)の発行数は、NCRとAONCRのRRELがそれぞれ2.0%と5.7%減少したため、前年比で4.2%減少しました。
一方、住宅ローンの利用は、NCRとAONCRでそれぞれ32.0%と11.5%の成長に続いて、四半期比で19%増加しました(図3)

(図3)住宅用不動産ローンの発行数

1平方メートル当たりの平均評価額

2022年第3四半期において、フィリピン国内の1平方メートルあたりの平均評価額は、84,589ペソ(約20万円)に留まりました。
NCRでの平均評価額は1平方メートルあたり139,283ペソ(約33万円)であり、AONCRでの平均評価額である47,129ペソ(約11万円)よりも高い数値になっています(図4)。

(図4)1平方メートル当たりの平均評価額

住宅タイプ別販売割合

2022年第3四半期において、RREPIの各タイプの住宅単位の割合は、住宅タイプの合計床面積(平方メートル)を、すべての住宅タイプの合計床面積で割って決定されました。
RREPI内の一戸建て住宅は58.0%を占め、最大の割合を持続していました。
一方、コンドミニアム、集合住宅、テラスハウスはそれぞれ24.5%、17.0%、0.4%を占めました(図5)。

(図5)住宅単位の割合

種類別住宅用不動産ローンの使用

2022年第3四半期において、82.2%の住宅用不動産ローン(RREL)は新しい住宅不動産の購入に使用されました。
さらに、住宅の種類別には、一戸建て住宅(47.5%)、コンドミニアム(39.0%)、集合住宅(13.0%)の購入に使用されていることが示されています。(図6)

(図6)種類別住宅用不動産ローン

NCRで発行された住宅用不動産ローン(RREL)の多くは、コンドミニアムの購入に使われました。一方、AONCRで発行された住宅用不動産ローン(RREL)は単身・付帯住宅の購入に使われました。
地域別では、発行されたRRELの総数の37.1%がNCRから、残りが以下のAONCRからです。
CALABARZON(32.3%)、Central Luzon(11.1%)、Central Visayas(6.7%)、Western Visayas(4.8%)、Davao Region(2.8%)、Northern Mindanao(1.5%)。
NCRとこれら6つの地域の総計が銀行から発行された住宅ローンの総数の96.3%を占めます(図6)。

まとめ

フィリピンではマニラ首都圏 (NCR)の成長が著しく、これからも成長地域になっていると見られます。
また、コンドミニアム価格が一番成長している住宅タイプになります。

今後も不動産情報を注視して、フィリピンの成長を見守っていきます。
※BSP発行:住宅用不動産の価格指数についての2022年第3四半期レポート


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