〔玉造温泉街再生秘話㊴〕消滅寸前から一転、超優良施設へ
いつもご覧いただきありがとうございます!
さて、今回も本編で入りきらなかったお話です。
2008年春。
玉作湯神社の願い石・叶い石が神仕組みによってブレイクした頃です。
※詳しくは第11話 神様から届いた奇跡のギフト をご覧ください。
ひだまり、という障がい者施設のお話なのですが…
周藤ファンの皆さま!お待たせをいたしました!!
ここでも周藤さんが大活躍をなされます。
※そしてちょっと感動の涙のお話です
それでは、どうぞ!
小さな灯のような施設
2009年 4月
玉造温泉のレジェンド周藤さんは難問を抱えていました。
当時、観光協会事務局長の他に理事職を兼任されていました。
※なんとその全てが無報酬です。神!
その中のひとつに
『NPO法人ひだまり』という施設の理事、という職務に就いておられました。←これも無報酬…神すぎる。#どうでもよいのですが怒らすと大魔神になります。
〔ひだまりの説明/ざっくり)
☑ 障がい者の就労支援施設(B型) つまりお仕事をするところ。
☑ 地域の障がい者が通っている。
☑ 当時、5~8名が通所していた。
話を戻します。
周藤さんが抱えていた難問…
それは
『このNPO法人ひだまりには仕事の依頼が少ない』
という事でした。
このひだまりはとても小さな施設です。
平屋に2部屋しかない小さな小さな施設です。
▲小さな灯のような施設 ひだまり
当時、同じような障がい者就労支援施設は近隣のまちにも複数ありました。
市場にある仕事の絶対数は決まっています。
そんな少ない仕事を各施設で取り合いをしても…そんなの意味無いよね、と周藤さんは考えておられます。
つまり…
他の同業施設と取り合いにならない、新しい仕事を見つける事。
これが見つからなければ ひだまりの危機…
深く悩まれています。
周藤さん「何か新しい仕事を作るしか…ねだねかの…(無いじゃないか)」
※さすがの周藤さんでも難問でした。
そんなNPO法人ひだまりでは定期的に理事会が開かれては(平均年齢65歳の)理事の皆さんがこんな意見を交わされます。
「何か新しい仕事を見つけないと、このままでは閉鎖しかない」
「でも障がい者のみんなが出来るような仕事だからなぁ」
「では、理事の皆さんで、次回の理事会までに何か新しい仕事を見つけてきましょう!」
と、この繰り返しだったそうです。←1年くらい毎回コレだったらしいです。
そして
なかなか新しい仕事は見つからず…
赤字続きとなり…
いよいよ・・・
「ついに…このままではやっていけなくなってしまった」となりまして…
隣町にある同様の施設へ吸収合併の話となりました。
隣町に吸収合併…
仕方がない、、、とはいえ
通う障がい者の皆さんは運転免許証もマイカーもありません。
ほとんどの方がバスで通われます。
そして、残念な事に隣町にはバス路線が繋がっていません。
自力でバスで通うことは不可能だよね、という事です。
親族の負担が増えるか…
もしくは家から出なくなり ひきこもるか…
障がい者の皆さんにはデメリットしかない状況となります。
理事の皆さんからも良いアイデアは出てこらず…
周藤さんの悩みは深まるばかりでした。
▲難問を抱え悩む周藤さん(をムリヤリやってもらって撮りました)
突然にブレイクした叶い石
さて、場面はちょっと変わりまして
2009年 6月
玉作湯神社は連日 参拝客で賑わってきていました。
一番の理由は願い石・叶い石のブレイクです。
〔補足〕前年12月に女性セブン誌に紹介されて半年後です。(第11話参照)
▲お守り『叶い石』
叶い石のお授け数(販売数)も800体/月となっておりました。
ここで、角さんにも軽い問題が発生します。
実は…
当時、叶い石は角さんが梱包して作っていたのです。
衝撃を受けた方へ、作業内容をお伝えします。
〔作業内容〕
☑ 材料の発注(石、お守り袋、包材)
☑ お守り袋の制作
☑ 梱包
☑ 神社へ祈祷依頼
☑ 納品
※だいたい500個/月
これをまさか角さんが、、、
観光協会とまちデコと結婚披露宴の司会の合間にやっていたのです!!!
※鉄人です。
なかなか時間が無い中ですが、自分で作り、そして中学時代の同級生に頼んでは頑張って作っていました!
必死で作ってはいるのですが…
神社の参拝者数の増加のペースに追い付かず
寝る間を惜しんで作っておりました。
そんな、とある日曜日の事です。
丁度その日は角しか出勤していません。
叶い石の制作が間に合わず観光協会で叶い石を作っておりました。
すると、たまたま周藤さんが来られました。
角「あ!周藤さんおつかれさまです!」
周藤さん「や、ちょっと忘れ物を取りに来ただども」
周藤さん「それは、叶い石かね?」
角「そうなんですよ!ありがたい事に神社の参拝者が増えまして」
角「ちょっと間に合わなくなって、必死に作ってます」
周藤さん「角君が作っちょーかね… 大変だのー」
角「同級生にも手伝ってもらっているんですが…」
周藤さん「・・・・」
周藤さん「大変だけど身体こわさんやに、頑張って(こわさないように頑張って)」
と帰っていかれました。
周藤さんキュピーーーーン!
1週間後の事です。
周藤さん「角くん、ちょっと、えかの?(ちょっといいかい?)」
角「はい!大丈夫です!!」
周藤さん「ちょっとお願いがあーだの(あってね)」
周藤さんは閃かれたそうです!
ひだまりは仕事を探している。
角君は叶い石の制作が間に合わず困っている。
これだ!
▲周藤さんキュピーーーーン☆
周藤さん「叶い石は障がい者の皆さんで作れんもんだーかの?(作れないかな?」
周藤さん「どげだーかの?(どうだろうか)」
角「え!マジですか!!それは私も助かります!」
そして、周藤さんはひだまりの状況(吸収合併の危機、障がい者の皆さんの社会参加の大切さ)も話してくださいました。
こうなると角さんはスピードの速い男です!
その日の午後にサンプルとして10個分の材料をひだまりへお届けました。
すると、ひだまりの所長も
「これならうちに通うみんなでも出来ます!」と大変喜ばれました!
そして、料金交渉です。
聞くところによると、普段承っている仕事は本当に内職的な物ばかりです。
つまり、1個1円~3円といった仕事しか無いそうです。
周藤さんの想いは
☑ 他の施設から仕事を奪うことなく、新しい仕事を作る。
☑ 稼ぎを作り施設と障がい者の皆さんが自立をする。
の2つです。
この想いをお聞きしていたので、なるべく高い金額にしてあげたいなぁ…と思っていました。
でも、現在の材料を包むだけの仕事は工程が12です。
内職の相場からすると6円~8円です。
そこで、所長に聞きました。
角「所長さん、あのですね…」
角「このお守り袋ですが、現在は他社から仕入れをしているんですよ」
角「例えば、ですが…このお守り袋をひだまりさんで縫って作ってもらう事は出来ませんか?」
角「そうすれば仕入れが無くなるのでその分工賃も高くできますし」
所長「え!」
所長「そういえば…たしか一人、ミシンが得意な方がおられます」
なんと!うまく話しがまとまりました。
こうしてお守り袋も作っていただく事となりました。
角「それでは金額ですが…1個90円でお願いできませんか?」
所長「ええ!?? そんなに高額で…よろしいんですか?」
角「大丈夫です! 周藤さんから施設の状況もお聞きしてますので(ニコ)」
所長「いやーー!! いいんですか?それは助かります」
こうして、ひだまりの消滅問題+叶い石の制作問題は周藤さんのアイデアにより一気に解消されました。
何より嬉しかった事
角さんは、というと
超多忙の中で叶い石の内職が無くなり大変助かりました。
ひだまりの皆さんも楽しそうに作ってくれています。
すると不思議な事に、まるで神様が〇をつけてくださったかのように玉作湯神社の参拝者数もさらに急増します。
叶い石のお授け数も1500体/月 と急増していきました。
玉作湯神社の賑わいが ひだまりにも良い状況を生み出します。
叶い石の制作、という仕事が増える事。
それは障がい者の皆さんの受け入れ者数の増加につながります。
つまり、さらに障がい者の皆さんが仕事に就くことが出来るわけです。
募集をすると、次々と希望者が通うようになりました。
これまた不思議な事に、通う障がい者の皆さんが増えると叶い石のお授け数も増えていきます。
こうしてひだまりの経営状況は一気にV字回復しました。
隣町の施設との合併の話もどこかに消滅しました。
周藤さんもニッコリされています。
なによりも嬉しかった事を紹介します。
玉作湯神社は参拝者数がどんどん増えていきます。
すると、さらに取材が増えます。
雑誌に掲載されます。
その雑誌をひだまりへ持って行ってあげると
「あ!これ!私たちが作っている叶い石だ!」
障がい者の皆さんが大変喜んでくれるのです。
テレビ取材も増えたので放送日を教えてあげます。
親御さんも一緒になって大変喜ばれるそうです。
この話を聞いたときに
「あぁ…ひだまりさんにお願いして本当に良かったなぁ…」と心から思いました。←ちょっと涙が出ました。
▲自分達が作った叶い石雑誌やテレビに出る事が嬉しいんですよ、とお話してくださる山本所長(当時))
周藤さんも
「角君のアイデアが障がい者の社会参加にとても役立っているよ。えだねか!」とほめてくださいました。←や、そもそも周藤さんのアイデアですが#手柄を自分のものにしない周藤さん
さらなる新商品
2011年5月
あれから2年後です。
叶い石のお授け数が順調に伸びている中でした。
おしろい地蔵がある清巌寺の錦織住職から周藤さんへ連絡が入ります。
そうです。
おしろい地蔵のプロデュースのお話です。
周藤さんがここでも閃き、祈願札の制作をひだまりに依頼することになります。
▲この祈願札のお話です
詳しくは第24話 あるもの探しとあるもの磨きをご覧ください。
こうして、おしろい祈願札もひだまりで製作することになりました。
ますますひだまりは忙しくなっていくのです。
地域の優良施設へ
叶い石、そしておしろい祈願札は玉造温泉街の賑わいと共にどんどんお授けされていきます。
ひだまりに通う障がい者の皆さんも定員いっぱいです。
希望者からの問い合わせもありますが、スペースが狭いのでこれ以上の受け入れは出来ない程の人気施設となりました。
全国の障がい者施設からも視察に来られたそうです。
そして、
通われる障がい者のみなさんの平均賃金が!
なんと!
島根県で一番高額の施設となった!
という嬉しいニュースもいただきました。
5年連続を含め何度も一番高額となり、県内の障がい者就労支援施設の平均賃金の向上に寄与しているそうです。
玉作湯神社、清巌寺への参拝者が増えることで、その恩恵が温泉街や旅館だけでなく、障がい者の皆さんの社会参加にもつながっている、というお話でした。
おしまい
最後までご覧いただきありがとうござました!
いかがでしたでしょうか。
久しぶりに秘話を書いたのですが、スラスラ-っと書けました☆
こんなこぼれ話がまだあると思いますので定期的にUPしていきますね。
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