一昨日くらいの夢
地下の狭い書店の入口には鉛筆削りを売っている男の人。鉛筆削りは籠の中。
冬特有の暖色の照明の下。
閉店間際。自分だけにかけられた声。逃げるように前を通る。横目に見える金額はたった2桁。
今なら2つで○○円!
エスカレーターの下から、宣伝が足をまとわりついてくる。エスカレーターは地上階に着き2階まで来てもまだ地下からの声が聞こえてくる。
自分以外に人はいない、閉店間際の百貨店。
今なら2個で○○円ですよ !
残り○○個だからあと○個売らないと△△なんだよなぁ〜
なんでこんなに安いのに買わないんだよ
必要のない鉛筆削り。買ったらこの声が聞こえなくなるなら安いけど、また地下に行く=吸い込まれそう。
地下に降りてすぐの場所にいたその男性は顔が見えなかった。ぼやけていた。尖った声のスーツの男性で、威勢の良さから考えるにいつもはもっと売れていそう。いつもはもっと高額なものを。
今日だけはマッチ売りの少女。
少女が売っていても買わなかっただろうか。買わなかったような気もする。
誰もいない店内。
閉店を知らせる放送と、最後の客であり買わなかったの自分だけに聞こえる囁き声。
耳鳴りがしたことは無い。
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