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「川嶋志乃舞の いとみち」について

2020年に公開された『いとみち』という映画が好きだ。撮影ロケ地の青森県板柳町まで遠路はるばる行ってしまうぐらい好き。思い返すように今でもBlu-rayをたまに再生しているくらい好き。
とある少女の成長譚がメインストーリーだが「津軽三味線」が親子3代を繋ぎ、それを手にした彼女は成長していく。
タイトルにある「いとみち」とは三味線を弾く際に指にできる糸道のことで、三味線を弾かないでいると指先は柔らかくなり いとみち も消えてしまう。
主人公「いと」の「生きる道」というダブルミーニングも含むのである。


CHiLi GiRLのライブに行ってきた

今年も夏は暑い。もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…

連日の暑さでもう疲れちゃって休日は家から一歩も出たくないけど、今日はそんなこと言ってられないので早起きして三軒茶屋まで繰り出してのサマーロマンス計画。7月22日はずっと楽しみにしていたCHiLi GiRLさんのライブだ。
しかも開演時間がお昼の13時前からと帰りの時間を気にしなくていいのが嬉しい。ライブ終わりが日曜日の夜とかだと次の日がしんどいのよね。

今回は今ではあまり披露されない川嶋志乃舞名義の曲もフルバンドで演ってくれるという。なんということでしょう。

ロゴがとても可愛いグレープフルーツムーン

田園都市線を三軒茶屋駅で降りてホームから地上に出たらやっぱり暑い。
そういえば うちの会社の専務から「7月でこんな暑いんだから、このままいったら8月はもっと暑いかもなー。12月には50℃くらいになってるかもなー」って言われたけど聞こえないふりをした。だったらそれに対応出来るように調子の悪い事務所のエアコン早く直してよ…

今回のライブ会場である「三軒茶屋グレープフルーツ・ムーン」は駅から歩いて10分ほどの住宅街の中にあるビルの地下に居を構える。日常の街に非日常を提供するライブハウスがあるのはとても良い。ただ周りは住宅街なだけに時間を潰せる場所が無いのがつらい。

秩序ある音の洪水

お久しぶりです・お元気ですか のCHiLi GiRLさん。
開演時間となり広くはないステージにバックバンド6人が並ぶと流石に迫力がある。最後に現れた志乃舞姐さんには後光が差す。僕には見えるのだ。けっして暑さとアルコールのせいではない。
なんか姐さんに違和感があると思ったらビジュアルアイコンである狐キャップ被ってないのね。そうかCHiLi GiRLではなく川嶋志乃舞楽曲から始まるのかと音が鳴り始めて理解した。

CHiLi GiRLの前身(?)川嶋志乃舞名義の曲は三味線の音色が前面に出ているものが多く、いつも以上に三味線の盤面で踊る指先は休むことなくステップを刻み続ける。
複雑なフレーズを奏でながら歌って客席を煽ってと、とんでもなく難しいことをさも涼しげにこなす。この人はやっぱ凄えよと今回も思うのである。
川嶋志乃舞名義の曲は今ではあまり披露する機会はないと言っていたが、それは勿体無い。こんなカラフルな曲達を眠らせておくなんて。僕も好きな「ささやかな悪口」が聴けてよかったよ。この曲の言葉遊びの詰まった歌詞が耳に残るのよね。

ライブの後半はCHiLi GiRLに生まれ変わったステージが始まる。
何度かライブで聴いてきた楽曲も今回は音の厚みが違う。バックバンドは手練れのメンバーだらけで、なんかとんでもなく贅沢なものを見せてもらっている思いが。何せ皆んなが楽しそうに演奏しているのがいい。そんでサックスの晴萌さんのたまに見せる笑顔が可愛い。

「Bitter Young」の三味線とSaxの達人同士が真剣で斬り合うような音のぶつかり合いや、「愛の罠」でのツインギターの火花が見えるような音のうねりなど、CHiLi GiRLのライブでは音の洪水が最後まで続いた。一歩踏み間違えればバランスを崩しそうな複雑な音の組み合わせを、秩序ある音の洪水に美しくまとめるプロミュージシャンは凄いな。
その真ん中でニコニコと華麗に歌うCHiLi GiRL、あなたは美しい。

こころざしの舞

この間 思ったのだけれど「志乃舞」という名前は「こころざしまい」と書くんだよね。めちゃくちゃ素敵な名前じゃない?

志(こころざし)の主な意味
①心に思い決めた目的や目標
②心を集中すること
③相手のためを思う気持ち
④相手を慕う気持ち。愛情

今日は川嶋志乃舞時代から今現在のCHiLi GiRLまでの紡いできた「いと(三味線)道」を辿れた気がする。同時に彼女の「志」も。
SSWと三味線奏者の顔を持ち とんでもなく多忙のスケジュールの中、クオリティの高い曲のリリースは途切らせることなく、ライブでは全てをまとめ上げ 観客の期待を裏切らないステージを提供する。
世間にあまり知られてなくても世の中には凄い人は居るのよ。


「川嶋志乃舞&CHiLi GiRL mixed one man show LOVE SPiCE HARBOR」 SET LIST

川嶋志乃舞
①おしゃれなふたり
②遊廓ディスコ
③花千鳥
④イントロデュース津軽じょんがら節
⑤UKIYO FUNK 5
⑥Yoichi On The Beach
⑦キツネ倶楽部
⑧ささやかな悪口
⑨City Shake

CHiLi GiRL
①都会の森
②Bitter Young
③Scrolling Girl
④Make You, Make Me
⑤One Q
⑥壊れちゃう予感がするの
⑦サマーロマンス計画
⑧愛の罠
En)Bye Bye Method

豪華すぎるライブで採算が取れてるのか心配になる

追記

今回のライブにはCHiLi GiRLのアートワークを手がける亀井桃さんも会場にいらしていた。部屋に絵を飾っているくらい桃さんの絵が好きですが、初めて見た実物の桃さんが美人過ぎてびっくりした。
オタク気質で、1人で鳥貴族に行くような酒好きの美人イラストレーターって漫画の主人公みたいだなと思ったのであった。

亀井桃さんが描いたRYUTist実郁さん。凄く特徴を捉えていて桃さんは天才だと確信した。
話は関係無いが「みくのもの」って言葉の経緯を知っている人あんま居ないと思うの…

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