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「土偶カワイイ」について

青森県内は地域として区分すると「津軽地方」「下北地方」「南部地方」と分かれるという。これが行政上のものなのか通称上のものなのかは理解らないが、方言や文化に違いが見られるという(と波瀾爆笑というテレビ番組で解説していた)。
だが少し調べただけでも県内の区分には色々解釈があって、津軽と南部の2区分のこともあるし、南部地域だけ見ても下北・上北・三八で分けたりと色々あるようだ。

「栃木県が関東なのか上信越なのか問題」のようなことが全国であるのだろうなという感じだ。うちの方だと「町田は神奈川県だろ問題」とか。

青森県弘前市や青森市近辺の津軽地方は何度か訪れたことはあったけど、青森県東部にあたる南部地域には(ややこしい)訪れたことがなったので、いつか行ってみたいと思っていた。青森のハワイと呼ばれる八戸ってどんなところなんだろー。

ということで先月八戸方面に行ってきました。12月という冬の時期にわざわざ寒い地域に行かなくてもいいだろとも思ったけど、思い立ったら青森に居た。僕が訪れた翌週から青森の雪が本番を迎えたので、タイミングとしてはよかったようだ。寒かったけど。

鮫とか鰐とか青森の地名は摩訶不思議アドベンチャー

今回八戸に向かう目的の一つは沸騰ワードというテレビ番組で食事していた『みなと食堂』という食堂で「ヒラメ漬け丼」を食らうこと。それ以外は相変わらずノープランだ。
『みなと食堂』は八戸市中心街最寄の本八戸駅から八戸線で2駅隣りの陸奥湊駅から歩いて少しのところにある。

話は逸れるが、「うみねこレール八戸市内線」の電車の本数が少ないのは覚悟していたけどこの「ワンマン電車」のシステムが初見殺しなのは参った(青い森鉄道もこんな感じだったな)。降りようとする駅に辿り着いて、さぁ降りようと思ってもドアは開かない。ドア開閉ボタンを押しても開かない。出口は一番前の扉だと言われそこに進むと運転室の真後に料金箱があって、運転手さんが切符のモギリまでしている。
現地の人には当たり前のことが部外者には新鮮だ。住んでいる所から離れなれると知らないことばかりだ。

生きろ、そなたは美しい

朝早くから賑う道沿いの魚市場や商店を通り抜けて辿り着いた『みなと食堂』は混雑を覚悟していたけど、他の客は2組しか居なくすんなり座ることが出来た。
繁盛店で常に混んでいるという話を恐れて朝早く訪れたけど、日中はやっぱ混み合うのかな?
頼んでからすぐ出てきた「ヒラメの漬け丼」。あゝ、なんて美しいのだろう。
中央に陣取る黄身を箸で優しく溶き、遠慮がちに少しの醤油を垂らす。ヒラメ本来の味を消さないように、そっと。太平洋の朝日を浴びた瑞々しいヒラメが黄身というベールを纏い、それを白米と共に口に運ぶ。
美味い。     そう、これが八戸。千島海流と対馬海流がもたらす青森の奇跡。
 
端的に言うとマジ美味いので、八戸に行ったら行った方がいいですよ。
王林さんこれを教えてくれてありがとう。

世界遺産登録おめでとう!ありがとう!

前回青森旅行をした時に三内丸山遺跡に行ったのだが、予想外にとても興味を引かれる施設で、学校の歴史の授業では全く掘り下げられない縄文時代の面白さを気付かせてくれた。
わざわざ遠くの八戸まで来て、魚食って酒飲んでるばっかなのは勿体無いので、八戸市街地からバスで行ける是川石器時代遺跡に行ってみることにした。

もっとまともな写真を撮ろうな

バスに揺られて30分程で辿り着いた是川縄文館は三内丸山遺跡程ではないけど、かなりきちんと造られている施設で、ほとんど人が居なくほぼ貸切状態だったので土器やら土偶やらの展示物と解説をじっくりと見ることができた。
入館する時にちょうど課外授業らしき小学生の団体と入れ替わりだったけど、近所に世界遺産があるっていいな。興味がある無いは別として。

オシャンティーな縄文人
石破茂

色々と土偶が展示されているが、ここ是川縄文館のトップスターは平成元年に発掘され、現在国宝指定されている『合掌土偶』だ。

ガンダムユニコーンに給料日15万円突っ込んだ人

風張遺跡の縄文時代後期後半(約3,500年前)の竪穴式住居跡から出土したもので、座った状態で合掌する姿勢の土偶の完形品は国内唯一であることとあわせ、出土状態が明らかであるなど学術的価値の極めて高い土偶です。当初は全身に赤色顔料が塗布され、割れた部分には天然の接着剤であるアスファルトにより修復した跡が残されています。子孫の繁栄や自然の恵みに対する再生を願って製作、使用されたものと考えられています。平成21年、正式に国宝に指定されました。

合掌土偶は国宝のトップスターだけあって特別室に展示されており、ガラスケースの中で一人鎮座している。高さが20センチ位の小柄な彼女はとても愛くるしく見え、約3,500年という時間を過ごしてきた姿に(観覧者は僕一人なので)かなりの長時間見とれることになった。
「合掌」という所作は仏教から始まったものなので、この土偶が手を合わせているからといって、宗教的なものに絡めるのは違うのだろう。じゃあなんでこのポーズをとっているのだろう?とか考えるのも面白い。
体に刻まれた模様はとても凝っていて、背中の模様は左右非対称だ。表はほぼ対称なのになんでだろう。とか。

どうもこの合掌土偶が僕のツボにハマってしまって、土偶の中で一番の推しメンとなった。オタクは推しに金を落としたい。グッズが欲しくて、帰りに売店で売っていた実物と同寸のフィギュアを買ってしまった。
今は家のテレビ台の上で手を合わせて座っている。カワイイな

あっし生まれも育ちも土星のタイタン
是川縄文館で流されていたRINGOMUSUME姉さん

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