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休職四週目 | 心地よく生きたし編

2024年、年が明けてすぐに休職した私のおやすみライフが四週目を迎えた。休む前は、休んでしまったら暇で暇でしょうがないかと思っていたが、案外ここまで忙しかったり寝込んでいたりしていて、四週目の今、やっと『暇だな〜〜っ』と思いながら枝毛を探している。

先週までは一週間ごとの目標 (といってもちっぽけなもの)を立てていたのだが、今週はとくに立てなかった。私はもっと、目標なんて立てずとも、のらりくらりと生きていても自らの心地よさを大切にできるような、気ままな人間に生まれ変わりたいのだ。決して面倒になってきたからではない。



あっさりと延長


休職を始める際にもらった「一ヶ月間の休養を要する」と書かれた紙っぺらによると、この週で休職期間は一旦終わりということになっていた。火曜日、心療内科で名前を呼ばれて部屋に入ると、先生は日常生活がどの程度ちゃんと送れているかの確認をしたのちに、「ま、一ヶ月で回復できるなんてことは滅多にないからね、もう一ヶ月延長ね」と一般論であっさりと延長を言い渡した。

もともと、職場の環境改善を待ってからの復職とさせてもらうために、あと数週間は休むつもりでいたので想定内だったが、いざ言い渡されると『ああ、また社会のはみ出し者としての生活を送るのか…』といったような、なんとも言えない虚無な心情になった。

それから医者に対しては、『一般論ではなくてですね、私の状態を見て判断や助言をしてくれませんかね』と少々の憤りを覚えたが、このメンタル後進国こと日本において適切な治療を受け身で期待することは不毛だと心得ているので、無言で次回の医者をチェンジした。

自らの意思で健やかになり、自らの意思で社会に帰属していかなければ、社会からは外れたままでいることになるのだなと、小さい頃に抱いていた社会への想像とは違う現実に、いささか疑問を抱いたりもした。

何はともあれ、もう一ヶ月遊べるドンなので、治療第一、生活リズマーを目指しながら、なんかやりたいこと見つけてやってみようと思う。今のところのやりたいことは、築地で朝ごはんを食べることと、鎌倉の海を見に行くことと、高尾山に登ること。


心地よさの追求


火曜の診察の際に、心療内科に併設されているカウンセリングも受けた。担当の心理士さんは、私の「4人兄弟の長女です」という発言に対して「そりゃあそうもなるわな」といった納得と可哀想にの表情を浮かべたりしながら、生きやすくなるために具体的にまずは何からしてみようか、というところまで話を進めてくださった。まずは、私の好きなことである読書を、家の中で安全安心にできる空間を作ってみて、毎晩そこに身を委ねることを習慣化してみよう、ということになった。

家の中にリラックススペース候補地はあったのだが、休職前のズタボロ期間にそこで在宅ワークしていたので、仕事道具がそのまま置いてあったし、空気も澱んで近寄りづらいスペースになってしまっていた。まず手始めに仕事道具を『ええい、おまえら二度と私の前に現れるなあぁぁ』の気持ちで全てクローゼットに仕舞い込み、デスクを綺麗にして、間接照明やお香、本、刺繍キットなどのお気に入りの道具たちを並べてみた。


先日行った沖縄で買ってきたお香立てには、シーサーが刻まれている。私を嫌な気持ちから守っておくれよ。


生きる糧の探究


私は、死にたいわけではないが、生きたいわけでもない。小さい頃から「こちらにお進みいただければ人生リタイア頂くことが可能でございます〜」と受付スタイルのお姉さんが立っている別れ道に出会ったら、迷わずリタイアコースを選んでやるんだと思って生きてきた。でも、どうやらこの世界は、自主的に人生から退場することを推奨していないようだ。

生まれたからには人生楽しまなきゃ損!とか、一度きりの人生、楽しんだもん勝ち!とか、そういう類の言葉には同意しかねる。楽しむのにあんまりエネルギーを要しない体に産まれられて良かったですね、とか、じゃあお前は人生でうんこをする機会が一度きりだったら楽しむんですか、とか、そもそも人の人生に口出しすんな、とか、ひねくれ者として物申したいことは山ほどある。

ただ、回復がある程度進んだ最近は、ほっとくと生きるのが億劫になってしんどくなっちゃうから、なんか楽しくて気がまぎれるわくわくを適度に散らばせとかないとな、ってな風には思っている。そして、そのわくわくとして、今後は旅を採用していこうとも。

近頃お気に入りのYouTuberのmikuさん。旅の様子をとってもキュートに紹介されていて、まるで自分もその土地に行ったかのようなわくわく感を味わわせてくれる。そして、いつか私も行きたいな〜を募らせてくれるので、この世に自分を繋ぎ止めることができて良い。いつか北欧に行きたい。森をお散歩してベリーを摘んで、マリメッコで可愛いお洋服を買うんだい。


***


未来への希望と日常の安らかを見つけられた週だったけど、そろそろ休むのにも飽きてきた。でも働きたいとは到底思わなくって、自分の怠惰っぷりにもはや笑いが込み上げてきちゃう。私の人生2ndシーズン、怠け者編が幕を開けているのかもしれない。どんな人生だって悪くないよねって思えるくらいには、自分を受け入れることが進んできているんだよ。きっとそういうこと。



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