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コンサル1年目の自分に伝えたい、もっと早く意識すればよかったこと。振り返って思う重要なこと

才流コンサルタントの金森(@user_id_us)です。現在、社会人3年目かつコンサルタント歴3年目です。

年末なので、振り返りnoteを残します。

社内の新入社員用に記載していたドキュメントをベースに、noteで公開できる範囲に編集してみました。

若手コンサルタントの方の参考になれば幸いです。情報交換等も大歓迎ですので、お気軽にご連絡いただけると幸いです。

▷Twitterはこちら:https://twitter.com/user_id_us

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もっと早く意識すればよかったこと

・顧客や社内の人、社外の友人から、良い点と改善点のフィードバックをもらう

「自分のことは正しく理解できない」前提に立ちましょう。できれば、フィードバックをもらう仕組みをつくるのがおすすめです。

例)

・顧客へのアンケート依頼をプロジェクト終了後に組み込む
・上長との1 on 1 MTGの実施
・正直に伝えてくれる、信頼できる友人に頼む

※参考記事


・いただいたフィードバックを大切にしよう

フィードバックは年次や立場が上がるほど、もらいづらくなります。

※社内の先輩からいただいたコメントがよかったので引用いたします。

前提、人はそんなに変わらないです。1つ1つのフィードバックを大切にして、自分の中で反芻することが大切です。私の場合、新卒時の上司からもらったフィードバックを3年くらいメモし続けたのですが、いまでも仕事に躓くときは、そのいずれかのフィードバックを無視したときだと感じています。


・ドキュメント作成、資料作成は上手い人の真似をする

社内には、ドキュメント作成が極めて上手な人もいれば、一方でパワポ資料の作成が抜群に上手い人もいます。

ドキュメントやパワポ資料であれば、上手い人のアウトプットを模写をするのも上達の手段と教わったこともあります。


・1人で考え込むのではなく、もっと社内の人に相談する

極端な話、3時間ひとりであれこれ悩んだことが、社内の人に相談することで5分で解決することもあります。

得意不得意はあって当然なので、無理に1人で解決しようとせず、周りに適宜頼りながら進めていきましょう。その分、日頃からどんどんギブしましょう。(経験が少なくても、ギブできることは、きっとあるはずです)


・「センターピンは何か?」を意識する

「戦略」の間違いを「戦術」で修正できないのと同じように、枝葉の部分にいくら力を入れても、本質をつかんでいなければ成功することはできないのです。


・相手の発言の表層を捉えるのではなく、深層心理を意識する

どういう時に特に意識するか?

1)クライアントからボソッと「〇〇なんだよね・・・」「◯◯が困っているんだよね・・・」といった、内心何かを思っていそうな発言が出てきた時

2)提案が通らず、クライアントから質問が重なった時

- この人はなぜ、この発言をしているのか
- (議論が噛み合ってない場合)なぜ噛み合ってないのか?
- (提案が通らない場合)なぜ通らないのか?
- 抽象化して、1つの方向にまとめられないか
- そもそも、この議論を続けるべきか、持ち帰るべきか

※参考書籍


・説明のセオリーを学び、常に意識する

前提を揃える→全体像やサマリーを説明する→詳細を説明する

説明の流れがグチャグチャだと、相手の理解も追いつきません。焦る気持ちもわかりますが、落ち着いて、相手にわかりやすい言葉を使いながら説明するようにしましょう。自分でもよく分かっていないような、難しい言葉はできる限り使わない方が良いでしょう(会社の方針など事情があると思いますが)。

※参考書籍

下記の書籍に記載された「聞き手に地図を示す」という言葉が、コンサルティングの現場でも役立っています。本当におすすめの本。


・コンサルタントの役割は、教えることだけではない

コンサルタントの役割は、正しい方法論を伝えたり、道筋をつくったりすることだけではありません。あたかも編集者や、(コーチングの)コーチ、ファシリテーターのような動きもすることもあります。

以下は具体例

1)不安で動き出せていないクライアントの背中を押す

意思決定に必要な情報はあるものの何となく不安で動き出せていないケースがあります。そういう時はコンサルタントが背中を押すことで動き出すことがあります。

2)言葉やアイデアを引き出す

クライアントが何となく語ってくれたお話が後々、顧客に刺さる表現の開発に繋がったり、インサイト発見につながったりするケースがあります。「今の話、良いアイデアなのでは?」と思ったら「それいいですね!」と相手に伝えましょう。
そもそもクライアントは、その道のプロ(自社業界・自社ビジネス)なので、良い情報を持っています。ただ、自己評価を低く見積もってしまい「これは大した情報ではないのでは?」と思ってしまっている方もいます。コンサルタント当人が良いアイデアと判断できた際は「いいですね!」と伝えましょう。クライアントも積極的に自分の意見やアイデアを話してくれるようになると思います。


・ビジネス書は、乱読ではなく名著を複数回読む方が良かった?

新刊のビジネス書をよく読んでいましたが、むしろビジネス書における古典を読むほうがよかったかもしれないと最近思います。これについては正解はないと思いますので、一意見として受けとっていただければと思います。

また、ビジネス書選定の基準として、「自分が"いま"課題感のあるテーマ」の書籍を読むほうが良かったと最近は考えています。なんとなく読み始めたものは、特に何も身に付かなかったことも多々あります。それは書籍自体の問題ではなく、「今はそのときではなかった」というタイミング要因もあるでしょう。


***


振り返って思う、重要なこと


まずインプットの観点から。

・ビジネスや経営そのものに対する興味を持ち、学び続けること

兎にも角にも、学び続ける習慣をもつことが大事だと思います。


・問題に対処する考え方を学ぶ

考え方を知っていれば、初めてぶち当たる問題でも解決の糸口を見つけることができるためです。一方で、知らないと解決しない問題もあるため、知識習得も重要です。

<考え方の例>

・ロジカルシンキング
例)因数分解して考える、逆算して考える

・アナロジー思考
例)BtoBではなくBtoCの事例を。同業界ではなく他業界の事例を。ビジネスではなくアート鑑賞から得た学びを参考にする

・クリティカルシンキング
「そもそも、どうなの?」「本当にそうなの?」と、批判的に考える。相手を批判(非難)したような言い方にならないよう気をつけましょう



続いて、アウトプットの観点。

・「誰もあなたに興味を持っていない」前提に立つ

こちらのnoteを読んでください。


・ビジネス文書は「わかりやすい」ことが正義

なぜか?

・コンサルタントが対峙する経営者・事業責任者は多忙
・よほどテーマに関心がない限り、長すぎる文章や資料は読まれない
・「わかりづらい」と思われたら最後、どんなに労力をかけても読み飛ばされる。基本的に、「読み込まれない前提」でドキュメントをつくる

構成は、見慣れたものにしましょう。内容に独自性があることはよいが、構成は見慣れたものが理解しやすいです。

例1)前提共有→結論→理由→詳細
例2)前提を揃える→全体像やサマリーの説明→詳細の説明



最後に、クライアントワークの観点。

・「クライアントファースト」のマインドを持つ

「クライアントファースト」の意味するところは、クライアントの言うことを鵜呑みにしよう、というわけでは当然ありません。言いなりになるのは簡単です。でもコンサルタントであるならば、そのスタンスは問題でしょう。

「これは本当にクライアントの為になるか?」と考え、ときには冷静に諭すことも辞さない、そういうスタンスが必要だと考えております。

※クライアントの利益になるよう動くことが、回り回って自社の利益になりますし、自分のためにもなると考えています。


・困ったり迷ったりしたら、顧客や周りに聞く

「それ、考えてもわからないことなので、お客様に直接聞いてしまえば良いんじゃないですかね?」というケースはよくあります。

遠慮する気持ちもわかりますが、「迷ったら顧客に聞く」は鉄板の解決手段なのでおすすめです。

良い関係値を築いておけば、質問をしても疎まれることはないと思います。

※担当クライアントだけでなく見込み顧客、社内の人、社外の人でもOK


・結局は「矢面(やおもて)に立つ回数」が重要

「矢面に立つ」=「先頭に立つ場(自分の回答に責任が伴う場)」

クライアントへの提案、質疑応答など全てにおいて、場数を踏みながらPDCAを回していくことで少しずつレベルアップできます。


・顧客との接点をできるだけ増やす

特に初期は、顧客との会話にビクビクしてしまい、その機会を避けようとしていませんか?相手は経営層であることが多いですし、うまく受け応えできるか不安になる気持ちもわかります。(こう考える時点で、自分の意識が顧客ではなく自分自身に向きすぎだ、と1年目の際にフィードバックをもらったこともあります)

場数を踏むことがクライアントとのコミュニケーションに慣れるうえで重要なので、どんな形であれ顧客との接点を増やすことがおすすめです。定例MTGでも、壁打ちでも、Slackでの質疑応答でも、会食でも、なんでも良いと思います。


・相手を思いやる対応を心がける

人間なので心理状況など諸々の影響で、どんな時でも自分勝手でない行動をするのは現実的には難しいかもしれません。

ただできる限り、相手を思いやる対応を心がけましょう。周りのためになりますし、回り回って自分のために必ずなると思います。これは、対クライアントのみならず、自分が接する全ての方々に対して、この意識を持つことがおすすめです。

ベイジの枌谷さんが「セルフUX」という表現で、上記をうまくまとめているのですが、「まさに!」と思いました。


・クライアントからの信頼をなくす言動をしない

・何度も遅刻する

・Slackやメールの返信が遅い

・発言に「他人事」感がある

・知ったかぶりをする、嘘をつく
例えば、施策Aの成果が出なかったならば、変にごまかさず、正直に失敗の結果共有と、失敗の原因、次回の挽回策などを伝える

・ポジションをとらない
コンサルタントが毎回のように「〜〜かもしれない」と発言していたら、相手は不安になる。一方で、毎回のように「すべき」「〜でなければならない」など断定発言をしてればいいわけではない。ここら辺はバランス


・自分のことを「若手」と思わない

コンサルタントという職業の特性上、若いことのデメリットは存在します。

クライアントからすると、担当コンサルが若手であれば不安なのは当然です。悲しいことに、若手だからと言う理由だけでなめられてしまうケースもあります。

そこで自分まで「まぁ若手だし、できなくて当然だよね」と考えてしまってはよくありません。自分を若手認定してしまうと、クライアントと対等の関係になることが難しくなってしまうでしょう。それでは御用聞きになってしまいます。

自信を持って堂々と対話できるようになることを目指しましょう。では、そのためにできることは何か?なぜいま自信がないのか?といったように分解して原因を特定し、対策を打って行けば良いのではないでしょうか。

ちなみに、自信をつけるうえで格闘技を習うことはおすすめです。

***


入社後にやってよかったこと

続いて、個人的にやってよかったことを紹介します。


・社外に、いろんな友人をつくる

狭いコミュニティのみに所属していると、視野が狭くなってしまいます。

社外に友人がいると、業界ならではの話を聞けたり、時には仕事の相談をできたり、仕事をもらえたりすることもあります。

私には同期がいないため、特にやっておいてよかったことの一つです。日頃から社外の友人にいろんな場面で助けていただいております(ありがたい限り)。

ちなみに、ビタミン株式会社の高梨大輔さんは、「マーケティング力=友達をつくる力」とまで語っています。



・文章を書き、Web上にアウトプットする習慣をもつ

不定期でも定期的でも良いため、なるべく言語化しましょう。できればWeb上にアウトプットするとよいでしょう。

その際は、分かりやすく、他者に伝えることを意識しましょう。

※参考記事


・経営者や事業責任者クラスの発信する情報、経営者の悩みごとを情報収集する

コンサルタントが対峙する相手は、経営者や事業責任者のケースが多いでしょう。

顧客はどんな課題をもっており何を解決したいのか、コンサルタントに何を期待しているのか、何を相談したいのか....などを把握していると、日々のクライアントワークにも生きてくると思います。

若手コンサルタントが経営者・事業責任者と対等に話をするためには、ここら辺がベースとして必要だろうと思います。

例)

・弊社栗原の「Twitterでは言えない話
・弊社栗原のnote
・経営者のTwitter、経営者が執筆した書籍
・事業責任者の方々が投稿しているnote


・クライアントと信頼関係を構築できるように取り組む

結局は、人と人の信頼関係が大事だと思います。合理性や正しさだけで、すべてが決まるわけではありません。信頼関係を築けると、日々の提案やプロジェクトが断然やりやすくなります。仮に、お互い心理的に距離感があると、双方ともにプロジェクトに対する熱量が下がります。熱量が下がるとプロジェクトが進まず成果が出ず、良いことが一つもありません。


わたしの推薦図書

仕事術に関連する、推薦図書をいくつかピックアップしてみました。


ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法 (戦略ブレーンBOOKS)


コンサル一年目が学ぶこと


わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)


知的生産性向上システムDIPS(ディップス)


Sales is 科学的に成果をコントロールする営業

営業パーソン以外にもおすすめできる本です。(コンサルタントは既存営業の役割も担っていると考えています。追加発注をしていただけるかどうかの一要因として、日々のコンサルティングプロジェクトの満足度が関係するためです。)


若手育成の教科書

本書は若手を育成する側を対象とした書籍ですが、若手自身にもおすすめできます。どうすれば自分自身が成長できるのか、その構造がわかりやすく記載されています。



以上です。良いお年を!

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