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シーシャカフェから探る、抜群に高い顧客満足度の秘訣は? |#マーケティングトレース

こんにちは。金森です。

今回は「シーシャ」×「顧客満足度」というテーマで、マーケティングトレースを行いたいと思います。抜群に高い顧客満足度を誇るシーシャカフェから、どこにその要因があるのか、仮説を立てていきます。

【今回のnote】
・前提確認
・ケース
・要因の仮説立案
・サウナと似ている?
・僕がシーシャカフェのマーケティング担当なら

とりあえず、前提確認をしていきましょう。

シーシャとは

シーシャ(水タバコ)とは、中東ペルシア圏発祥の喫煙具の一種です。専用の器具を使って、煙を水のフィルターに通して吸う独特な喫煙スタイルで、地域によってシーシャ、フーカー、ナルギレなど呼び方が異なります。
(引用元:はちグラム

嗜好品の一種ですね。紙タバコは吸わないが、シーシャは吸うという方は一定数いるようで、僕もその一人。シーシャカフェに行って、シーシャを吸っていると不思議と落ち着くんです。まるで時間を忘れさせてくるよう。

事実:シーシャカフェの評価は高いものが多い

シーシャカフェやシーシャバーって、一般的な飲食店に比べてGoogleマップの評価が高いんです。いくつかケースを見ていきましょう。

【ケース1】高円寺にあるシーシャカフェ「はちグラム 高円寺店」

ここには行ったことないので、行ってみたいですね。

【ケース2】高田馬場にあるシーシャカフェ「ばんびえん 高田馬場店」

よく行くところ。居心地が最高に良いです。

【ケース3】恵比寿にあるシーシャカフェ&バー「モフーム」

恵比寿にもシーシャカフェはあります。

もちろん、全てのシーシャカフェが高評価を叩き出している訳ではありません。とは言え、たとえばケース2で紹介した「ばんびえん」は、22件の口コミ中、平均評価は4.9/5。一般的な飲食店だったら、こんなケースはほとんどありません。よほど人気のお店でない限り、ここまでの評価を得ることはできないからです。

参考までに、新宿ゴールデン街にある有名ラーメン店・凪はどうかというと。

さすがの人気ぶり。凪はホントすごい。

さて、話をシーシャカフェに戻します。

では、なぜこれほどまでにシーシャカフェは高い顧客満足度を得ているのでしょうか。

今回のエントリーでは、その仮説を述べていきたいと思います。「どうしたら、高い顧客満足度を得ることができるのだろう?」とPCを眺めてウンウン悩んでいるビジネスパーソンの方にとっても、何かしら役に立てば良いと考えています。実際に、ここで紹介したようなシーシャカフェに行くことで、高い顧客満足度を得られるヒントも浮かぶかもしれません。

圧倒的に高い顧客満足度を誇る要因を、まず二つの側面で考えてみました。さらにそこから、分解していった図表がこちらになります。

【1】圧倒的な居心地の良さ

顧客満足が高いひとつの要因として、「居心地が良いから」ではないかという仮説があります。これをさらに分解し、どんな要素から「居心地が良い」というユーザー体験が生まれているのか仮説を立てます。

要因仮説①シーシャカフェは薄暗い

僕が行ったことのあるシーシャカフェは、どれも薄暗かったです。もしかしたら、暗闇効果のおかげで、居心地が良いのかもしれません。

*暗闇効果とは*
暗闇が持つ不安感や秘匿性、一体感を感じやすい事に影響を受け、他人との関係が急速に親密なものになりやすくなる効果の事。
暗いが故に、不安感を打ち消すために誰かの存在を近くに感じていたいという感情、物理的に近くにいかないと見えないという事実、容姿の欠点を隠してくれる事による安心感などにより、物理的・心理的な距離が縮まるとされています。

要因仮説②フレーバーによるリラックス効果

シーシャには多種多様なフレーバーがあるので、店内にはフレーバーの香りが充満しています。はじめての時は、なかなかびっくりしますが慣れると、とても気持ちが良いです。実感値としては、このフレーバーによる効果が大きいですね。

要因仮説③ソファ

シーシャカフェに行くと、ソファがあります。リラックスしてシーシャを楽しめるよう、お店の方の配慮があるのでしょう。ファストフードのように、ササッと食事をするようなものでもないですからね。

【2】接客が気持ち良い

シーシャカフェにいる店員さんは、なぜか、皆さん接客が気持ち良いんです。人懐っこいというか、初心者の方にも丁寧に一から教えてくれます。「自分の好きなシーシャを広めたい...!」という純粋なGIVEの精神 or 邪念のない布教精神から来ているのかもしれません。(自分の好きなものって、紹介したくなりますよね。)

そして、さらに注目すべきポイントは、

複数回にわたるコミュニケーション

という点です。

BtoB企業でよく言われている、「顧客と複数回にわたって、タッチポイント持とうよ。」というものにイメージ近いでしょうか。

シーシャカフェの場合、商材の性質上、炭交換などの作業があります。そのため、必然的に複数回にわたる顧客との接点(コミュニケーション)が生まれます。仮に、無愛想なスタッフさんだったら逆効果かもしれません。しかし、シーシャカフェのスタッフさんは皆さん素敵な人です。

つまり、コミュニケーションを取ればとるほど、「またこの店、来ようかな。スタッフさんとも楽しくお話しすることができたし!」と、顧客をグリップできるかもしれません。

それにより、リピーター率が向上し、お店の経営的にも売り上げアップ、お客さんの満足度もアップという結果に繋がります。
コミュニケーションの機会を「接客コスト」と捉えるか、「グリップできるチャンス」と捉えるかで大きく違いがありそうですね。

*参考文献*

アプリ開発プラットフォーム「Yappli」庵原CEOの記事。エンタープライズを相手にする際は、リアルでの接点を複数回持つべきことを強調されています。

もちろん、物理的側面である居心地の良さ、接客の良さに加えて、「シーシャそのものが美味しい」といった要素もあるでしょう。自分自身詳しいわけではないので細かいことは言えませんが、どうやらシーシャも誰が作るのかで味も変わるらしいです。いわば、プロダクトの品質ですね。プロダクトの品質で差別化することに注力するのではなく、質の高い顧客対応等でカバーするというのも戦略としてはありですよね。

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シーシャカフェのポジショニングマップ

シーシャカフェのポジショニングマップをノリで作成してみました。

主観でつくった、シーシャカフェのポジショニングマップ。縦軸を何に設定するかすごく迷ったんですが、「シーシャカフェと言えば、癒しだな。癒しの反対と言えば、刺激かな?」と思い、これに落ち着きました。

他に、「ニッチ」×「癒し」というポジションに入るものの候補はこちら。

・猫カフェの類
・銭湯&サウナ
etc.

どちらも「好きな人はすごく好き」というイメージがあります。より多くの人に受け入れられているのは、猫カフェや銭湯&サウナでしょう。

何れにせよ、母数はそれほど多くないはずなので、コアなファン層をグリップする必要がありますね。

ここでのニッチの定義は、「多くの人が利用しているイメージはあまりない」といったくらいザックリとしたものです。

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さて、noteを書いていたところ、思ったことがあるんです。

この感じ、どこか「サウナ」と似ている?

自分自身はサウナ愛好家ではないので分からないですが、サウナ好きって側から見ると異様なほどにサウナ好きなイメージあるんですよね。コミュニティもあるし、新R25でもサウナ特集記事があるほど。

たとえば、「サウナイキタイ」というサウナ検索サイトもあります。特に面白いところは、「みんなで作るサウナデータベース」「みんなで作る」って、この割り切り方というか、かっこよく言えば「共創」というか。サウナ愛好家は、サウナ業界を盛り上げるべく投稿をするんでしょうね。熱量の高いユーザー投稿型のサービスはひとえにすごいです。

「サウナイキタイ」単体でマーケティングトレースしたい...

リアルの体験から学び取れること、本当にたくさんあります。まさに、「書を捨てよ、町に出よう」ですね。

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僕が、シーシャカフェのマーケティング担当なら

僕がシーシャカフェのマーケティング担当であれば、こんな施策を打つかなと考えました。

この図で言う、「体験」がここまで見てきたものを抽象化したものになります。シーシャという商材の性質上、「認知→前提の検討」の段階で少数に絞られるでしょう。「タバコの類は、絶対に無理!」って方もいますよね。

もちろん、それ以降の「比較検討」フェーズにおいても、自店舗を選んでくれるお客さんの数は絞られていくでしょう。このことからも、新規顧客獲得のコストは非常に高く、基本的には既存顧客との関係性継続を重視することが得策なのかなと伺えます。

参照ツイート

以下に、「僕がシーシャカフェのマーケティング担当だったら」という視点で4つの施策を考えてみました。(地道に仮説検証サイクルを回す必要あり)

全体的な戦略としては、

(1)顧客満足度を高めること=既存顧客への打ち手
(2)アテンションを広げること=新規顧客獲得への打ち手

この2つに尽きるのかなと考えました。

【1】顧客満足度向上を追求

仮説:顧客満足度を高める(体験を経て感じる価値を高める)ことこそが、クチコミによる新規顧客獲得においても既存顧客グリップという面においても、結果的に一番集客効果が高そう。

一番これが重要なのかと考えています。その上で、どこに満足しているのか、どこが不満なのか、何があったらもっと良いのか等リサーチを繰り返し、課題と思われるものに対して打ち手を講じる必要があるでしょう。

(1-A)そのために、顧客調査を行う

・複数回にわたるコミュニケーションの中で、リピート率と新規顧客率の割合を計測&蓄積。

リピート率と新規顧客獲得率の割合、お店を知ってもらったきっかけ(流入経路)を計測することで、集客チャネルとしてどこの部分が強く、どこが弱いのか等、新たな仮説を立てることができるはず。

ただのイメージですが、紙のアンケートなどのお堅いやつは使わない方が良さそう。

調査という点では、他店に通うことも重要でしょうし、SNSにシーシャに関する投稿(UGC)を挙げている人は、なぜその投稿を挙げたのかを知る必要もありそうです。

*参照文献*

【2】アテンションを広げる

出典:ソーシャルメディアラボ

(2-A)Webからの集客にも注力:SEO施策に取り組む

「シーシャとは?」「シーシャ 初心者」等のキーワードを取りに行く。無料キーワード提案ツール「Ubersuggest」によると、難易度は低い。基本的なキーワードで上位をとり、Webからの集客を見込むのもあり。

現状のSERPはこんな感じ。

(2-B)イベント開催:あとは、Peatixなどのイベントサイトで「初心者向け!はじめてのシーシャ会」みたいなイベントを開催。イベントという形にこだわりはなく、ハードルをいかに下げるかが重要。

以上です。

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シーシャを吸いながら、ひたすらマーケティングや企業の話について語らう会がしたいですね。もっと芯をつくような施策を考えられるよう、精進していきます!最後までお付き合いいただきありがとうございました!

(最後に個人的願望を載せて、ここで締めます...)

*メモ:個人的願望*
😎シーシャカフェに行きたい気持ち:しかし、時間に余裕がない

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電子シーシャ以外で、この中間となるものがあれば...!
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😔家でシーシャを吸うには手間がかかる、炭が危ない

最後までお読み頂きまして誠にありがとうございます。 TwitterなどSNSでシェアをして頂けるのが最も嬉しいです!