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ユーザーが「勝手にやる」ことをスタエフ運営がどう思っているのかは、誰も知らない。

2023年4月11日、
noteユーザーなら知ってて当然の
徳力基彦さんのstand.fmチャンネルにお邪魔して、素人の雑談をテーマにおしゃべりする機会をいただきました。

徳力さん、リスナーの皆さん
本当に楽しい時間をありがとうございました。

で、いろいろと昔話をしているうちに、私がスタエフに「沼って」いた頃に、すずたまさん、鈴木嫁(ゆっか)さんと3人で更新していた、
月刊スタエフラバーズについても、ちらと紹介させていただきました。

スタエフことstand.fmを使って音声配信を始めるのに、特別な審査を通過する必要はないですし、必要なスキルもさほど高くありません。とくにここ半年ほどの機能強化はすばらしく、本当に

スマホ一台あれば、あたなもライバー!

って感じです。私が始めた頃(2020年秋)は、ミキサーやマイクなどを駆使して番組っぽく作っている、配信強者みたいな方が数名いらして、
いわゆる「素人」が何もしらずにスマホだけでスタートしても、なんだかしょぼい仕上がりになるよなぁ・・・というのが、素人の一員としての私の実感でした。

その一方で、音声配信業界全体の動きも、当時はにぎやかでした。

審査制で配信者を選んだり、緒方社長自らがクラハでスカウトしまくって、有益配信(?)をつくろうとしていたvoicyと、
井上社長(かおりんさん)も一人のライバーとして自社アプリを使うことで、ユーザー目線の使い方を知り、改善や助言を続けていくRadiotalkと。

どうやって差別化していくのだろう・・・
と、スタエフユーザーたちは期待半分、疑問半分で見守っていたのですが、あやたんさんが表に出ることはほとんどなく、プレスリリースも芸能事務所との連携などが主で一般ユーザーに関係のある話は少なく、たま^にTwitterに投稿されるあやあんさんの謎のつぶやきや、エンジニアの求人をかけるときやエンジニアの会合が開かれたときに露出する資料などを手がかりに、ユーザーが勝手に未来を想像し、期待し、それに合わせた個々人のブラッシュアップをはかる という、他のアプリにはないセルフアップデートを重ねていったのです。

SNS全盛の時代にあって、「賛否両論」にならない議論などないと、個人的には思っていますが、それを差し引いてもなお、賛否がわかれるのが、スタエフの「つながり」の濃さであり、そこから生まれた各種の「勝手フェス」ではないでしょうか?

音楽、朗読、お笑い など、スタエフには人気のエンタメカテゴリーがあり、そのジャンルを好んで聴くユーザーさんたち(自身が配信者である場合も多い)は、互いの存在を認識しあい、つながっていくようになります。
この小さな集団は、スタエフの最大のウリであろう、「コラボ機能」との相性もよく、素人ユーザーの誰かが作詞作曲した(著作権は気にしなくていいよ!と表明された)楽曲をベースに、ガレバンなどで自分の演奏を合成したものを新たな作品として発表することで、「連帯感」と「創作欲」を同時に満たしてくれるスタエフの活用例として広まっていったのでした。

お揃いのサムネにしようよ! と加工OKのサムネを提供する人もいれば、一部を切り抜いてリピートするファンリスナー兼配信者もいます。
そのへんは、Youtubeで著名人の切り抜きが出回るのと同じ仕組みなんですが、素人配信×マネタイズできていない 点では、まったく違います。
それでも、stand.fmに初めてアクセスしたときに出てくる「トップページ」のミュージックカテゴリーを、共通サムネイルで埋め尽くすくらいのインパクトは出せるので、承認欲求は満たされますし、認知が高まることで個々の配信も聴かれるようになっていくようです(そんなに効果が波及しない人もいるでしょう。そこらへんは個人の力量差もあるよね)。

ライブ中にもコメントしてくださった方がいましたが、
そういうキラキラ✨した輪に入りにくいと心理的なハードルがある人や、入り方がわからないと、情報の壁を感じる人も少なくありません。
学校のヒエラルキーで、リア充に入りにくい人がいるのと同じです。

でもまぁ、私は音楽も朗読も、ほとんどやらないので、ほかのジャンルで話のあう配信者さんのグループであっても、がっつり参加することなく応援しているだけですが、別に全員が入る必要もないし、入るほうが偉いんだ! みたいな考えもありません。
ただ、「露出度」という点に話を絞ると、徒党を組んでいる人のほうがアクセスやいいねの数、再生時間といった数字は積みやすく、その結果として(アルゴリズムは知らんけど)トップページやおすすめなどに表出されるケースが多いので、「つるむのを好まない人にも光を」と思うことはあります。

そして、この「勝手にやる」フェスやら選手権やらが、どんどん増えてきて(以前は年に数回という印象でしたが、いまでは毎週何かやっている感じ)、徳力さんが「運営が頑張っているのだと思っていた」という感想につながってしまった事実に、愕然とした夜でした。

よく、企業運営などで、トップやリーダーが声をかけて部下を動かすよりも、部下たちが自ら動くほうがいい という考え方を聞きますし、中央集権型よりは自律分散型(DAOとかね)が時代の要請に合ってるんかもしれませんが、音声配信はまだまだ熟してないですから・・・どうなんだろ?

徳力さんが、チラとspotifyの名前を挙げておられたように記憶していますが、けっこうなお金をかけて養成プログラムを実施しても、それに見合うだけの素晴らしい配信者や番組ができたようには見えない(聴こえない)し、せっかくvoicyの選ばれし配信者になって「配信者ファースト」のアプリを使っていても、stand.fmで勝手にやっていた頃のほうが賑やかで面白かったのでは? と疑問に思う人もチラホラ です。

こうして掘り起こしてもらえることによって、自分たちで編集した月刊スタエフLoversを読み返し、紹介されたチャンネルにアクセスしてみると、わずか2年ほどの間にも流行りすたりがあり、ほとんどの配信者が続けられずに去っていったことを、再認識できました。

すきめしさん、続いているのがすごいよ。

と、職場の同僚にも言われます。
私にも、それなりの承認欲求や金銭欲がありますが、それが大きすぎないのが良かったのかもしれないなぁ と自己分析しています。
あと、人間関係もつかず離れずというか、仲良くしている人や、よく聴かせていただく方はいるのですが、「そのテーマは興味ないから」「今日は仕事が忙しいので」とパスしても気が引けないくらい熱量であることも、ストレスなく続けるコツかもしれません。

知らんけど。

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