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自己否定からの解放ー自分を知り荒波を乗り越えたワタシの半生記35.ある風水師さんとの出会い

そんなわけで、

いつまでも”同棲状態”ではいかん!!との強迫観念から、ワタシはとうとう結婚することに成功した。
27歳。
なんと友人はほぼほぼ結婚し、子どもを育てており、話が全然かみ合わなくなっていた笑。

「結婚」できたことで、ワタシの心に平穏が訪れた。それは「世間体」を気にする親の目だったり、それが刷り込まれた自分自身の思い込みが原因なのもあるが、意外にも「もう相手との駆け引きが必要ない」ことも大きな理由だった。

恋愛は疲れた。
いつも相手の思いを気にしていた。
「本当は自分のことをどう思っているのか」とか
「さっきのあれは、どういう意味なんだろう」とか
それを確かめるべく、相手を試すような行動に出たり、遠回しに探ってみたり…
そんな日々に実は疲れ果てていたみたいだった。

結婚したら、もう相手の思いを確かめたりしなくていいんだ!!
もう相手を信頼していいんだ!!

無邪気で単純なワタシはそう思っていたのだった。

結婚生活は確かに、それなりに楽しかった。
ワタシは結婚してからも、派遣社員としてではあるがフルに働いた。自分で稼ぐことにこだわった。それは何となく、口には出さなかったが、相手から生活費をもらうことで、卑屈になる気がしたからだった。ワタシはいつまでも相手と対等でいたかったのだ。

そしてワタシは、子どもが好きでなかった。これまた母の影響だった。母は出かけたとき、どこからか子どもの声が聞こえると
「うるさいねぇ」
「まったく、親が黙らせればいいのに」
と毒づく人だった。
ずっとそんなことを聞かされていて、子どもが欲しいと思えるだろうか。
ワタシが影響されやすいから?
とにかくそんな理由でワタシは相手にも「子どもはいらないよ」と言っていた。

二人でいるのは楽しかった。あちこち旅行に行ったり、美味しいモノを食べに行ったり…しかし、何かが物足りない。

そりゃそうだ。今ならわかる。あちこちに刺激を求めても、自分からつくり出すものがなければダメなタイプなんだもの。

ちなみに、派遣先でヒマな時間、裏紙に「今日起きた出来事」や「社会で疑問に思ったこと」なんかを書き連ねていたのはこの頃。
(隣の席の、定年間近な女性職員さんに「あなたは作家さんになるのね」と言われ「いやいやとんでもない!!」と、全否定していた)
新聞にあれこれ投書していたのもこの頃。
普段は星占いも血液型占いも全然興味ないのに、とある雑誌でみた風水師さんに興味を持ち、編集部に手紙を出したのもこの頃だった。

なぜ風水師さんに興味をもったのか。
仕事の相談にのってくれそうだったから。
なにか、もっと、やらなければいけないことがあるのではないか、と感じていたのだと思う。

しかし、その頃のワタシはあまりにも、本当にあまりにも自己肯定感が低かったし、自分のことがあまりにもわかっていなかった。
辛うじて事務の仕事ができる、パソコン使える、それだけです(;'∀')
みたいな感じで生きていた。

みんなはどうやって自分のことを知るのだろう。
自分の得意は?
自分の武器は?
そんなの、ヒトと比較してみないとわからないのに。
ヒトから客観的にみてもらわないと、自分の強みなんて案外わからないものだと思うけど。

編集部を通じてお会いした風水師さんに「ワタシは一体、どんなことをしていったらいいのでしょう」みたいな質問をしたのだと思う。彼は「よっしーさんはどんなことが得意なんですか?」と聞かれ、めちゃくちゃ考えた。だって思いつかなかったから。それになんか、自分のことをそんな風にアピールするのは、恥ずかしいというか、はしたないというか…そう、今では”化石”と言われるかもしれないが、その頃のワタシは思いっきり「いにしえの日本人」だったのだ。
しぼりだすように答えるワタシ。
「んーーーーしいて言えば・・・・・・文章を書くとか・・・」
「(食い気味に)あぁ!いいですね、作家、向いてますよ。編集の方知ってますから、紹介しましょうか?」
「(食い気味に)えっ!!!いやいや、そんな!!!」
その風水師さんは、謙遜するワタシに寄り添ってくれる様子は全くなく(笑)ひたすら縮こまるワタシに対し、ただただ自分の感じたままを言ってくるだけのヒトで、だから、残念なことに会話はどこまでも平行線なのだった・・・・・

今でも「あの時、言うことを聞いて行動していたら、ワタシは何者になっていたんだろう…」と思う。
この道のりあってこその自分ってことはわかっていても、それでも、今でも当時の自分を少し残念に思う。

おそらくだけど、変わりたい自分と今の生活を守りたい自分が、同居していたのだと思う。コンフォートゾーンなんて言葉、全く聞いたことがない頃だった。

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