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ZINEづくりの味方・「小ロット大冒険」

浅草橋(蔵前)にあるeast side tokyoさんで年に2回行われている「小ロット大冒険」という、激アツの祭典をあなたはご存知だろうか?

「小ロット大冒険」とは?
なかなか普段は出会えない、活版印刷・製本工房・工場・作家など紙加工のエキスパートたちがeast side tokyoに集結!ワークショップをメインに、紙や革・紙加工・印刷・製本などを楽しめるイベント。過去には2022年6月、2023年2月と通算2回開催。

紙加工や印刷などを業者さんにお願いするのには、ある程度の数を作らなければいけないのでは....?と、ハードルを高く感じがち。そんなかゆい所に手が届く、実はこんなもの作ってみたかった....というささやかな願望が小ロットでも叶う!イベント。まさに、ええ、「あんたの夢叶えたろか」と言わんばかりの頼もしいアベンジャーズがそろっているわけです。

過去2回、私も少しだけ参加しているのですが、今回もワークショップや出店の内容が、マニアックかつ胸アツな技術が詰め込まれた宝箱のようになっていました。

参加した日は興奮のあまりツイートを連投。Twitterで #小ロット大冒険 で検索するといろんな人の体験ルポが見られます。

そんなわけで、今回の各ブースのようすはこちら。

◯活版印刷:AUI-AŌ Design

AUI-AŌ Designさんでは、ひらがなの活字を拾って、活版印刷でメッセージカードが作れるワークショップ。紙のブックカバーも素敵でした!

◯製本:紙束 こいずみしょう

紙の端材から生まれた美しい「紙束」。好きな色の紙を選んでドライフラワーの花器が作れるワークショップです。紙の切れ端ってどうしてこんなに美しいのだろう。

自在な組み合わせで作れる「ZIGZAGBOOK」も、製本家こいずみしょうさんがその場で蛇腹製本してくださいます。一部工程を体験できて、愛着もひとしおのものとなりそう。

◯箔押し:Kit かく田

日々DIYな印刷加工を研究しSNSにアップし続けている「kitかく田」さん。オリジナルのプレス機を使って、熱を使わない箔押しの体験ができちゃう。DIYな印刷加工をいろいろ教えてくれます。

お手製のプレス機
熱を使わない箔押し!

◯製本:とじ郎倶楽部

とじ郎倶楽部さんでは、豆本を作れたり、ポップアップするタグなど、綴じる楽しさが詰まったキットがもりたくさん。メッセージタグがたくさん作れるくじ引きも。

◯製本:中正紙工

中正紙工さんのブースでは、個人的にもとっても注目している製本「紙ホチキス」が体験できました。自社で染められた水引(紙でできている)でホチキスのように中綴じ製本ができてしまう。これぞZINEづくりにぴったりだし、色も選べて、「なんてことだ…」を連発。

紙ホチキスと同時に、ミニリングノートも作れました。紙もリングも選べて迷いまくり。

◯リソグラフ:中野活版印刷店

中野活版印刷店さんのリソグラフブースでは、スタンプやスクリーントーン、コピックなどを使ってオリジナルの原稿を作り、それを紙袋にリソグラフ印刷できるというワークショップ。

あまののはんこが活躍中

みなさんのこだわりが詰まった袋が仕上がります。

紺+橙の2色刷り。
蛍光色との組み合わせも人気

◯箱:Hako de kit

ハコデキットさんの箱づくりワークショップ。名刺・ポストカード・ペンケースサイズから選んで、チョコレートもようの箱も作れちゃう!

こんなにピッタリチロルが入るなんて…!!

◯凹版印刷:hirune工房

hirune工房さんのブースでは、牛乳パックの紙を削るようにして描ける紙版画体験ができました。kitかく田さんのプレス機を使ってくるくると刷り上げていきます。

参加者さんのクオリティが半端じゃない…!!

「餃子」版画と、それに触発されて製作された「ラーメン」版画

◯蝋引き:ゆらり本舗

ゆらり本舗」さんオリジナルのろうそくを贅沢に使って、アイロンの熱で溶かして紙に浸透させていう「ロウ引き」。カラフルなろうそくと、とってもいい香りに引き寄せられてしまいます。

さらに今回はバレンタイン時期の開催とあって、「チョコレートくじ」も行われていました!1等はチロルチョコ50個または板チョコ10枚が当たるという鼻血モノの企画。オリジナルのチロルチョコ入れや板チョコ包装紙などもリソグラフ印刷。

さらには株式会社サンコーさんからの残紙販売も。とってもいい紙がお得な価格でどーーん!!と大放出。みなさん真剣に髪を選んでいかれます。

このイベントの素晴らしさは、もちろん内容はさることながら、出店者・お客さんともに印刷・紙加工好き(変態ともいう)が集まっているので、各ブースをはしごして、さまざまなコラボが次々と生まれていたこと。

たとえば紙版画で作った絵をリソグラフ印刷で紙袋に印刷しそれをロウ引きするとか。ロウ引きした紙を表紙に製本してノートを作るとか。活版印刷をしてロウ引きをして袋にする....などの複合ワザの嵐。


(ロウ引きした紙を表紙にして紙ホチキスでとめたノート。中正紙工さんinstagramより)
(紙版画で作った絵柄を、リソグラフ印刷し活版印刷を載せ
それをノートにしたり袋にしたり、ロウ引きまでしちゃって全部載せ!
hako de kitさんinstagramより)

マニアックなイベント…?に見えがちですが、お子さん連れでも気軽に楽しめるプログラムがもりだくさんでした!
次回開催は2023年9月を予定しているそうです。楽しみに待ちましょう〜!

ZINEづくりに役立つ要素しかないイベント

現在、私は岩手の紫波という町で「ZINEづくり部」という活動をはじめた。みんな手探りで作ろうよという会であり、印刷や加工に凝っていなくてももちろん良いのだけれど、ちょっとした工夫で仕上がりに大いに差が出る。このイベントでも、「ZINE作りたいんですよ」という声をいくつも聞いた。ZINEを作るにあたって、印刷・製本・表紙の仕上がりにこだわりたいなという人にはこのイベント、ぜひおすすめしたい。


「小ロット大冒険」
2023/02/10-12 開催 (次回は2023年9月開催予定)
場所:east side tokyo 8F (〒111-0051 東京都台東区蔵前1丁目5−7)
協賛:
◯株式会社サンコー
◯株式会社シモジマ
協力:
◯理想科学工業株式会社
https://syo-lot-daiboken.jimdosite.com



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