見出し画像

(学生時代の話)ピア・サポーターとして活動していました

おはようございます。

いまだに自己紹介をしていないので、たまには自身が過去にしていたことの紹介をしたくなりました。ですので、今日は、ピア・サポートについてお話します。しばしお付き合いくださいませ。

ピア・サポーターとは

タイトルの通り、わたしは学生時代にピア・サポーターというものをしていました。ピアは英語ではpeer、すなわち仲間です。仲間が仲間をサポートする活動がピア・サポート、それをする人がピア・サポーターです。ピア・サポートは、同じ境遇を経験している者であれば成立します。病院でも、場所によっては同じ病気を持つ者同士(たとえばがん患者)のピア・サポート活動があります。あとは、田代まさしさんで有名なダルクも、薬物依存に関するピア・サポートです。

ピアではないサポートというのは、カウンセラーのような専門家が行うサポートです。専門家は、困りごとに対して効率的なサポートを提示しやすいことがメリットです。一方、ピア・サポートは、境遇が近い(例えば大学では学生同士)ため、相談しやすいことがメリットです。また、大学においては、履修相談のように、専門職カウンセラーにとっては不慣れで対応しづらいことにも対応しやすいこともメリットとして挙げられます。

大学では、学生が学生同士で情報を共有したり助け合ったりする活動をピア・サポーターが行います。ピア・サポートは、多くの人が日常行う助け合い行為に近いです。ただ、どの大学でもピア・サポーターとして活動するためにはトレーニングをします。というのは、スキルを必要とするからです。相談活動に絞っても、サポートするために必須である人の話を聞く(聴く)スキルというのが、日常行われる行為の割に座学やトレーニングを必要とする案外難しい代物だからです。これを怠ると、相手に不信感を抱かせることになったり、学生とサポーターの両者が危険な状態に陥ったりとしばし悪影響を及ぼします。

大学のピア・サポート活動は大学によっても活動のやり方が異なります。サポーターが学生に直接サポートする団体もありますが、団体によってはサポーターが直接サポートしないところもあります(例えば東京大学)。そして、この団体も大学によっては複数組織されているところもあり、愛媛大学はなんと9団体あります。誰でも入れる団体もあれば、誰でも入る希望を出せるけど審査があったり、「心理学専攻の大学院生」のように、特定の条件を満たした学生しか入れないところもあります。逆に、強制参加させられる大学もあります。

具体的な活動内容としては、対面で行われる相談活動、手紙等による相談活動、車椅子の移動支援、ノートテイク等です。数個だけ書きましたが、本当はここには書ききれないぐらい多岐に渡ります。なお、障害を持つ学生を支援する場合は、大学が合理的配慮の内容を決定してからの活動になるはずです。

サークルや部活動との違い

これの執筆が3月ですので、来月から大学生になる方のために、サークルや部活動との違いを記しておきます。

サークルや部活動との大きな違いは「大学が公式に組織している」点です。これは、大学が学生に対しよりよい学生生活を送ってもらうために行うことだからです。サークルや部活動は良くて「公認」までです。あくまで学生目線ですが、公式だと、サークルではできないような場所で活動できたり(サークル活動に提供されていない時間帯でも講義室などを使用できることもあります)、活動の宣伝も大学の授業ツールやサークルでは使用できない掲示板を使用できたりします(講義で活動が紹介されることもあります)。なお、ボランティアサークルはあくまでもサークルでしかないので、たとえピア・サポーターと同じようなサポート活動をしていようと、ほかのサークルと同列に扱われます。

ちょっと裏の話をすると、大学が公式に組織しているので大学から予算が降ります。予算があるので、例えば他大との交流をしたければ、旅費にその予算を使えることがあります。団体によっては活動報酬があるところもあります。活動報酬については団体ごとに出方が違いますし、団体内部でも活動内容によって出たり出なかったりとまちまちです(幹部のみ報酬が出ていたり)。

もうちょっと裏の話をすると、大学がピア・サポートを実施すると、それが大学の評価につながります。評価されるとどうなるのか知りませんが、文科省から予算が付きやすくなるんだと思います。

(最後に)認知度が上がってほしい、そして、困ったら気軽に相談してほしい

近年、ピア・サポートに力を入れている大学が増えています。これは、活動によって学生やサポーターのQOLが上がるメリットがあるからです。しかし、ピア・サポーターが組織されていても、学生の認知度が低いことがよくあります。そして、知っていたとしても相談するまでに高いハードルがあり、相談したいけど相談できないこともあります(こんなことで相談してもいいのかなと思ったり)。どんなことでも相談していいですし、ピア・サポーターには受けた相談に対する守秘義務がある(たまに、相談内容どころか活動そのものに守秘義務を課している活動もあります)ので、これから学生の人も、今学生の人も気軽に使っていただきたいです。もちろん、ピア・サポーターや専門職カウンセラーが彼らから困っている学生に対してアプローチできればいいのですが、なかなかそうできないのが現状です。これは、どの大学も案外困っているところだと思います。相談活動を受ける側もそのことに一生懸命考えることで成長できるメリットもありますから、その点でも、なにか困ったことがあったらピア・サポーターを使ってください。ピア・サポーターでは対応できないことだったら専門職カウンセラー等にリファーしてもらえますから。

これから大学生になる人へ

大学入学者のうち、一定数は履修登録でつまづいたことで中退するとされています。高校までとは違い、大学では履修登録という手続きが発生します。1年生のうちは選択肢が少ないことが多いとはいえ、時間割を自分で組まなければなりません。生まれて初めてのことをすることで、隠れていた自身の苦手が露呈することはしばしばあります。履修登録がうまくできなかったら、大学の事務、相談室(専門職カウンセラー)、ピア・サポーターでもいいので、とにかく相談してください。なお、大学の事務はそのような相談にうまいこと対応できない時があります。そのときは、相談室やピア・サポーターに頼めば履修登録を一緒にしてくれたり、場合によってはその後に合理的配慮といった特別な対応を検討してくれることもあります。ですから、困ったときはとにかく相談することをおすすめします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?