見出し画像

私はGIVEできているだろうか。『GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代』

当著を読み始める前、私はこんなことを思っていた。

・ギバーってどんな人のことだろうか。
・私はギバー?それとも?
・「〜したい。給料あげたい」などの思考はテイカーになってしまうのだろうか。
・どうしたらギバーになれるのか。
・家族への”愛”はギブに近い感覚だと思うが、そのような感覚を仕事の場面でも持つことが大切なのだろうか。
・まずはどんなギブから始められるか。
・読了後にどんなことを意識しているだろうか。

このような疑問を持ちながら当著を読み進め、心に留まったような記述をまとめていく。

GIVEする人。ギバーとは。

当著の冒頭では人々を3タイプにわけ、以下のようにカテゴリを分けたうえでその後の議論が進められている。

①ギバー:ギブ・アンド・テイクの関係を相手の利益になるように持っていき、受け取る以上に与えようとする。他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。

②テイカー:自分を中心に考える。

③マッチャー:与えることと受け取ることのバランスを取ろうとするのがマッチャー。

上記のような区別を踏まえると、家族内ではギバーであることも多いかと思うが、職場においては良くてマッチャーであり、テイカーとなってしまっていることも多いのではないかと自覚する。

ギバーの考え方

ギバーの考え方として分析されていた内容のうち、なるほどなと思った部分を引用する。

ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合う事は強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている。
成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイ(総額)を大きくする。

ギバーとは自分の利益のことだけでなく、「全員の利益」であったり「全体の利益」を考えて行動できる人のことなんだろう。

では記事冒頭で挙げた疑問のひとつである、「〜したい。給料あげたい」などの思考はギバーではなく、テイカーもしくはマッチャーとなってしまうのだろうか。
この点については、当著でも具体的な給料の交渉場面の紹介とともに、ギバーである人はどのように給料交渉を行なっているかが記述されていた。

その交渉とは、給料アップを上司や会社に伝える場合に自分の利益のためだけでなく「○○さんのために」と、必ず他の誰かを考慮した上での交渉であるということである。例えば少しでも多く家計への貢献を増やし家族をより安心させたい、などの理由がそうである。

当著ではギバーが給料交渉などをする場面などの考え方や説明はあまり紹介されていなかったため、上記のようなケースのみだと納得感が少し不十分ではあったが、要は行動の理由が一人称でない、ということがギバーの考え方・行動の第一原則なのだと思う。

ギバーの行動

では実際の仕事の場面ではギバーはどんな行動をしているのだろうか。当著で紹介されている研究結果によると、やはりギバーの行動の根底にあるのは「他人志向」。例えば交渉人として成功しているギバーは以下のようである。

交渉上手はかなりの時間を費やして、「相手側の視点」を理解しようとしている。交渉がうまい人の発話のうち、21%以上を質問が占めていたが、それに対して平均的な人は10%以下だった。

営業活動についても、以下のように「自分の売り」ではなく「相手のニーズ」からスタートしている。

相手にものを尋ね、その人とよく知り合うことで、ギバーは信頼関係を築き上げ、ニーズを知ろうとする。

また、職場やチーム内でギバーは他人にアドバイスを与えることを惜しまない。しかし他人にアドバイスをギブすることに加えて、ギバーはアドバイスを求めることも厭わない。

ギバーにとって有利な交渉術がある。それは「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」だ。
知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司受けがいいことが分かっている。

このように、チーム内で求められたら手を差し出し、自分にアドバイスが必要な時はメンバーにアドバイスを求める、という行動はギバーがチームにおける「心理的な安全性」を構築できるという点でもチームに貢献している。

安心感のある環境では、人はより学習意欲が高まり、より新しいことにチャレンジできるようになる。このような環境を作り出すことができるのが、ギバーなのである。

私はギバーになれるだろうか。

当著を踏まえて、ギバーとはある意味でその人の性格のようなものであるのではないか、と率直に思ってしまった。私の浅はかな知識では性格とはだいたい18歳くらいまでに構築されており、既に社会人生活をスタートしている私がこれから完全なるギバーとなるようなメンタリティを持つことは難しいのではないか。
しかし、ギバーとして完全なメンタリティを持つことは容易ではないかもしれないが、ギバーとしての行動をとることはできる。そしてそれはそんなに難しくないんじゃないかとも思う。私が今後意識して行動できることはごく簡単なことで、

相手の視点に立ち、相手の利益・助けになることは何かを考えヘルプをすること。アドバイスや強力を求められたら惜しみなく手を差し出すこと、である。

短期的には自分の仕事の時間が削られ、より忙しくなるだけでメリットは生まれないかもしれない。しかし長期的な視点で見た時に、ギバーであることは大きな価値を生み出していると思う。「他人志向」を忘れずに、ギバーとしての行動を増やしていきたい。

事実、ギバーであることの恩恵は時間とともに大きくなっていく。ギバーであることは100メートル走では役に立たないが、マラソンでは大いに役立つ。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?