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最近読んだ本(6月編)

街を歩きながら、音声入力でエッセイを執筆。それをAIに流し込み、歌詞とメロディーを作成(ようやく50曲です!)。そんな音楽制作を楽しんでいたら、読書があまり進まなかった、6月でした。

合計:24冊(2024年累計:81冊)

移動時間が好きだ

結局僕は小笠原諸島に滞在中、大したことは何もしなかった。小笠原諸島に旅行で来る人というのは大体、海が綺麗なのでダイビングをするか、もしくは父島の隣にある自然が豊かな母島という島に渡って山や海を歩き回るエコツアーに参加したりするのだけど、僕はどちらもしなかった。そういうのはお金がかかるし面倒臭いし、そもそもそういうことをしに来たわけじゃない。僕はひたすら「何もしない」をしたくて小笠原まで来たのだ。  大体毎日適当な時間に起きて、持って行ったパソコンでインターネットを見て、外をぶらぶら散歩して、スーパーで食べ物を買って料理を作って食べて、海を見たり本を読んだりして、夜になったら寝る、といった普段と変わらない生活をひたすら送った。こういう機会でもないと読まなさそうな三島由紀夫の『豊饒の海』という全4巻の長い小説を読んだらすごく面白かったのが今でも印象に残っている。

インカ帝国 歴史と構造

インカにとっては、生と死が連続的につながっていた。死を過去のある時点の出来事としてとらえるのではなく、循環する時間の中に解消してしまうのである。初期の文字は、王の歴史を刻むことと、簿記会計という機能が主体であった。歴史を書くためには直線的な暦が必要であり、歴史の時間軸に生誕、即位、結婚、征服、死などの出来事を強調して記録することになった。王の死を可視化して示すために墓という建造物を造った。つまりインカ帝国が無文字社会であり、直線的な時間概念が発達しなかったことが、大規模な王墓の欠如と関係している。権力者の墓を造る多くの旧世界の文化では、生と死を厳密に分けることが、死者を対象化し物質化する要因だったのであろう。

Everything I Know About Love

A break-up will never be as hard as the first one. You’ll float around aimlessly in the months afterwards, feeling as lost and confused as a child, questioning all the things you knew to be true and contemplating all the things you have to relearn.

賢者の書

「人間は、今この瞬間しか生きることはできない。そのことを正しく理解する者だけが人生において成功をおさめることができる。私が君に伝えたいのはこのことなんだ。 世の中の多くの人は、今この瞬間を大切に懸命に生きるのではなく、過去に生きたり、未来に生きたりしている。まだ若い君にはピンとこないかもしれないが、年をとるにつれて、世の中はそういう人であふれているということに気がつくだろう。 ところが成功する人間というのは、決して過去に生きたり、未来に生きたりしているのではない。今日一日を成功するに足る人間として、精一杯生きているのだよ。

西洋人の無神論 日本人の無宗教

我々の世界は無数の因果関係の集積で成り立っている。日常的な因果関係を外れる超自然的な理由を持ち出すときには、それ相応の理由がなければならない。ある出来事が起きたのが「キリストのおかげではないとお前に証明できるのか?」と誰かが言うのを許すのなら「薬師如来のおかげではないとお前に証明できるのか?」と別の人が言うのも許さなければならない。潜在的に、超自然的な理由は無数に挙げられる。「神のおかげか、神のおかげではないのか」という言い方をすればフィフティ・フィフティの確率という感じがしてしまい、信仰の主張も十分に尊重しなければならないと思ってしまうが、なにせ神様の数が無限にあるので、神様一人あたりの効能の可能性は無限に縮んでしまうのだ。

イランの地下世界

いずれにしても、彼女たちにとってチャドルはもちろん、礼拝も断食もすべて出世のための道具にすぎない。自分がただ出世するだけならまだしも、こういう女性たちは善良な経営者や従業員を 翻弄し、ときに彼らの人生までも狂わせてしまうのだから厄介だ。その意味では、チャドル女性のやっていることは、日本のヤクザと大して変わらない。チャドルは、ちょうどヤクザの入れ墨のようなものだ。見せつけて「堅気の者」を 怖気づかせるのである。

斜陽

「お母さま、私ね、こないだ考えた事だけれども、人間が他の動物と、まるっきり違っている点は、何だろう、言葉も 智慧 も、思考も、社会の秩序も、それぞれ程度の差はあっても、他の動物だって皆持っているでしょう? 信仰も持っているかも知れないわ。人間は、万物の霊長だなんて威張っているけど、ちっとも他の動物と本質的なちがいが無いみたいでしょう? ところがね、お母さま、たった一つあったの。おわかりにならないでしょう。他の生き物には絶対に無くて、人間にだけあるもの。それはね、ひめごと、というものよ。いかが?」

Can't Hurt Me: Master Your Mind and Defy the Odds

Sadly, most of us give up when we’ve only given around 40 percent of our maximum effort. Even when we feel like we’ve reached our absolute limit, we still have 60 percent more to give! That’s the governor in action! Once you know that to be true, it’s simply a matter of stretching your pain tolerance, letting go of your identity and all your self-limiting stories, so you can get to 60 percent, then 80 percent and beyond without giving up. I call this The 40% Rule, and the reason it’s so powerful is that if you follow it, you will unlock your mind to new levels of performance and excellence in sports and in life, and your rewards will run far deeper than mere material success.

人はどう死ぬのか

大切な身内や自分が死ぬ日が、必ず来るという現実を受け入れるのは、とてもつらいことですが、早めにすませばすますほど、〝今〟という平穏な日々の大切さが身にしみ、無事であることのありがたみがよくわかります。そうやって、ふだんから〝今〟を大事にし、大切な身内や友人に精いっぱいの対応をしていれば、いざとなったときにも慌てず、穏やかに運命を受け入れられるのではないでしょうか。

WHO NOT HOW (フーノットハウ) 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」

「目は、脳が探しているものしか見ないし、耳もそれしか聞こうとしない」 自分の望むものをすでに明確にし、加えて成功の基準がすべてはっきりしているのであれば、それはもう、単に視覚化できるだけでなく、望むものを伝えられる状態だということだ。世界に向けて望むものを伝えていると、自分のビジョンが明確な形を持つようになる。そして、100台の車から1台を簡単に見分けることができるように、適切な「誰か」を見つけることができるようになる。それどころか、適切な「誰か」があなたを見つけてくれるようになる。

キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由

まだ準備中ですけどね。僕は全国で通用する業態にしたい。これは、元『牛角』の西山知義さんから聞いたんだけど、『しゃぶしゃぶ温野菜』を定着させるのに 10 年かかったって。地方ではしゃぶしゃぶを外で食べる習慣がない。豚のバラ肉を買ってきて、家で安くやるものだと思ってたから。そんなメニューに3000円も出せない。そういう意識を乗り越えるのに、すごく苦労したそうですよ。だから、業態を新しく作って定着させるのは大変だから、すでにある業態を置き換えた方がいいって言っていましたね。

堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?

パフォーマンスを重視しすぎる接客もあんまりしたくないんです。できれば説明とかも最小限にしたい。聞かれれば答えられる範囲で答えますけど、まずひと口召し上がって頂きたい。鮨は提供した瞬間が一番おいしいですから。 堀江  「 情報を食わせる」ってラクですけど。 黒﨑  ラクですね。言い方によって、そのもの以上においしく思わせることもできますから。 堀江  みんな情報を食わせていますよ。まあ、細かい仕事とかは、お客さんもすぐにはキャッチアップできないし。 黒﨑  カウンターって、そのためにあると思うんですよ。「なんでそこに包丁を入れるのか」「なんでヅケにするのか」って見せられるじゃないですか。それで十分なんですよ。

Forever Strong: A New, Science-Based Strategy for Aging Well

Members of the high-protein breakfast group felt more fullness or “satiety,” and their brain activity suggested decreased food cravings. Compared with the groups eating a cereal breakfast or skipping it altogether, the high-protein breakfast group also snacked less on high-fat and high-sugar foods in the evening. Here’s the takeaway: eating protein-rich foods for your first meal of the day will help quell cravings later, when high-fat or high-sugar snacks can be most tempting. Thus, one easy strategy to prevent overeating and improve diet quality is prioritizing high-protein foods at breakfast.

観光大国スペインに見る、オーバーツーリズムの現在と未来

実際、日本政府は、二〇二五年までにインバウンドの目標を、パンデミック直前の二〇一九年と比べて二割増しする目標を掲げていますから、政府は日本復活の最後の手段と考えているのでしょう。では、観光業が成長した次は?というと、先行する他国を見る限り何もありません。
観光業は国の経済成長の呼び水として行き着くひとつのゴールであり、これがうまくできなければ危機的状況に陥ってもおかしくありません。この典型例が二度目のオリンピックで失敗したギリシャです。
もしもオーバーツーリズムをうまくコントロールできなければ、経済が停滞するだけでなく、人々の間でくすぶっていた不満が爆発し、大きな反乱が起こるかもしれません。バルセロナで起きている数々の観光反対運動は、氷山の一角に過ぎず、さらに深刻な暴動が起きる可能性は十分にあります。
そのような取り返しのつかない事態に陥ることを防ぐためには、オーバーツーリズムが起きた背景を理解することが何より大切です。

大学・中庸 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典

古の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は、先ず其の国を治む。其の国を治めんと欲する者は、先ず其の家を斉う。其の家を斉えんと欲する者は、先ず其の身を修む。其の身を修めんと欲する者は、先ず其の心を正しくす。其の心を正しくせんと欲する者は、先ず其の意を誠にす。其の意を誠にせんと欲する者は、先ず其の知を致す。知を致すは物に格るに在り。物格りて后知至る。知至りて后意誠なり。意誠にして后心正し。心正しくして后身修まる。身修まりて后家斉う。家斉いて后国治まる。国治まりて后天下平らかなり。

変身

妹は演奏しはじめた。父親と母親はそれぞれの自分のいる側から、妹の両手の動きをじっと見守っていた。グレゴールは演奏に引き寄せられ、大胆にも少し身を乗り出し、もう頭が居間の中に入っていた。自分が最近あまり他の人たちのことを思いやらなくなったのは、さほど不思議ではない。以前は、そんな思いやりを持っているのが誇りだったのに。それにしても今こそ、身を隠した方がいい理由が多めではあった。彼の部屋はホコリだらけで、ほんの少しでも動くと舞い上がるので、彼も全身ホコリまみれだったからだ。糸くずや髪の毛や食べかすが背中にも脇腹にもこびりつき、どこへ行くにも引きずって回るはめになっていた。あらゆることに無関心になり、以前は日中何度もやっていたように、 仰向けになってじゅうたんに身体をこすりつけて磨く気にすらなれなかった。そんな状態だったのに、汚れ一つない居間の床の上に 臆面 もなく、少しばかり進み出てしまっていたのだ。

幸せな人は「お金」と「働く」を知っている

ものごとの中で重要なことは、順番とバランスです。順番を間違えないでください。「幸せ」が先で、そのあとに「お金」がくるということを。そんなことは、当たり前だと思うかもしれません。しかし、社会人になって働き始めて、その順番が逆転してしまった人たちがたくさんいます。これが逆転してしまい利益追求だけに走ると、不幸を増やし始めます。いつの間にかお金を稼ぐためだけに働き始めてしまうのです。こうなると幸せな働き方からは遠ざかっていくばかりです。

ぜんぶ、すてれば

思い出っていいものだ。 もちろん、僕にも大切にしたい思い出はあります。 けれど、大切だからといって、それにこだわるのはよくない。 美しい思い出ほど、それにしがみついちゃあいけないと思います。 過去を守ろうとすると、それは〝前例〟となる。 すると、前例と似たことをしたくなる。前例がないと行動できなくなってしまうと、ますますよくない。 前例は未来を縛るもの。 激動する現代において、前例は役に立たない。 いつまでも新しいアイディアを捻り出せる人間でいたいから、僕は思い出も捨てる。 振り返らず、見たことのない景色を求め続けたいと思う。

Hip-Hop Is History

One of the other historic rap songs of 1980 wasn’t exactly a rap song. In those days, the genre was coming into focus. There were rap-adjacent sounds in disco, in go-go, in funk. And then there was one glorious New Wave song, if in fact that’s what it was. I am talking, of course, about Blondie’s “Rapture,” which arrived on the earth after Deborah Harry and Chris Stein accompanied a friend to a party.

Third Way (サードウェイ) 第3の道のつくり方

「自分軸」をもちながら他者を見る。 ただし、「一定の距離」を置いて。 そのうえで、「他者」を見る。他人の意見を聞きすぎて、周りに流されてしまう人がいる。また、かつての私のように、自分の中にこもって結論を出してしまうが故に、大局観を欠いたエモーショナルな判断をしてしまう人もいる。どちらもいいとは思わない。大事なのは、順序。 自分の意見をまず確立し、あるいは仮説を立てたうえで、その後で他者のおこないや思考を検証してみる。 そうすると、他人の動向が過度に気になって流されることはなくなるはず。

How to Know a Person: The Art of Seeing Others Deeply and Being Deeply Seen

Life goes a lot better if you can see things from other people’s points of view, as well as your own. “Artificial intelligence is going to do many things for us in the decades ahead, and replace humans at many tasks, but one thing it will never be able to do is to create person-to-person connections. If you want to thrive in the age of AI, you better become exceptionally good at connecting with others.”

和牛3.0: 人と牛の共生が拓く、自然と文明の新しい関係

牛と人間の関係は、いま文明の本質を問いかけているのかもしれません。
かつて人間は自然の一部であり、他の生き物と共生していました。しかし、文明の発展とともに、人間は自然や生き物を支配し、いつしか利用の対象とみなします。その結果、野生の姿と心を失い、抗生物質漬けになった牛たちは、人間と現代社会のあり方を映し出す鏡のように思えてなりません。

都市と地方をかきまぜる~「食べる通信」の奇跡~

意識や物質レベルでのフロンティアは、今日ではもはやアマゾンやアップルに開墾し尽くされた感がある。都会のマンションの一室で iPhone をワンタップすれば、数時間後には望む物が届く。 iPhone や iPad を一台持っていれば、世界中の情報だけでなく、音楽、絵画、スポーツ、旅、食、経済、教育など、あらゆるジャンルの「疑似体験」もできる。  けれどそれらが当たり前になった現在ではインターネットが登場した頃の高揚感は薄れ、もはや情報は贅沢品ではなくなっている。むしろ溢れる情報の中で、人は頭でっかちになり、生きる実感や関係性などのリアルが贅沢品になっている。都市生活者は、頭と体の崩れたバランスを取り戻そうと必死だ。  頭と体、意識と無意識の均衡が崩れると、命の居心地が悪くなる。どんなに便利なサービスが現れても生命が喜ばない。生きる実感がわかない。物や便利に埋もれれば埋もれるほど、人々は退屈になっていく。  世界は果たして広くなったのだろうか。むしろ意識と物質が支配する予定調和の世界に閉じ込められ、狭くなったのではないだろうか。頭と体、人工と自然、意識と無意識、都市と地方のバランスをとった先に、新たな世界が広がっているのではないだろうか。ITで豊かになった頭と知識に見合う大きさの、もうひとつの未知なる世界があるはずだ。その世界と私たちとをつなぐ窓口になるのが、私は農家と漁師だと思っている。その可能性を「食べる通信」は人々に感じさせたのだ。

日本人の知らないベトナムの真実

またベトナムには、タイやフィリピンのようにスラム街が存在しない。地方から出てきた人々は賃貸の小さな部屋に住み、財産といえばオートバイくらいしかないが、それでもオードバイはほぼ1人が1台持っている。  ベトナムに極端な貧困者がいない理由は、社会主義ではなく村社会の助け合いにあると思う。ベトナムでは田舎から出てきた人が失業すると村に帰る。また村のコネを使って都市で再就職先を探す。そして満足ではないものの、都市でなんとか職にありついている。お金の貸し借りも親族や同郷の者の中で行われるケースが多い。ベトナム人と結婚したある日本人男性は、「親族がお金を借りたいと言ってきた時には、快く貸さねばならない」と言う。そのお金はまず返ってこない。だが、快くお金を貸せば、親族での地位が向上する。ベトナム人は都会に住んでいても気持ちは村社会の一員であり、村社会での地位が向上すると悪い気分ではないのだそうだ。このようなシステムが働いているために、極端に貧しい人が存在しないのだと思う。

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