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建設業の働き方・キャリアについて考える「建設業働き方フォーラム2024」を開催

こんにちは、助太刀総研です。

当研究所は2023年2月に設立し、共同研究パートナーの京都大学大学院工学研究科の金多・西野研究室とともに、建設業界の人手不足に起因する実態について調査・研究を行っています。

そしてこの度、国土交通省の後援を受けて、助太刀総研と京都大学が共催し、「建設業働き方フォーラム2024」を7月17日(水)に東京国際フォーラムにて開催いたしました。


「建設業働き方フォーラム」の概要

本フォーラムは、人手不足が叫ばれる建設業界において、重要な役割を担う方々を各界からゲストに迎え、それぞれの知見を集結し、建設業における人材・働き方のあり方について政産官学が連携した課題解決の可能性に関して、講演・パネルディスカッションを通じて共有や発信をすることで、今後の建設業の発展に貢献することを目指して開催しました。

当日は、国土交通省、一般財団法人建設業振興基金、一般財団法人建設経済研究所、一般社団法人建設産業専門団体連合会、ゼネコンをはじめとする建設事業者やメディアなど、建設業界に関わるさまざまなステークホルダーから総勢220名の方々にご参加いただきました。

会場は超満員

冒頭、開会のご挨拶として、株式会社助太刀 取締役CFOの北川から「本フォーラムが、ご参加いただいている皆様や建設業に携わる多くの方々と共に、建設業界の問題解決に取り組んでいくきっかけとなることを願っております。」とお話しさせていただき、幕を開けました。

株式会社助太刀 取締役CFO 北川憲二郎

次に、ご来賓としてご参加いただいた、自由民主党 国土交通部会長 佐々木紀衆議院議員、衆議院財務金融委員長 津島淳衆議院議員からそれぞれご挨拶を頂戴しました。

佐々木紀衆議院議員からは、
「建設業界だけでなくメディア、学者、行政の皆様が一体となり闊達な議論がなされ、人手不足をはじめとする建設業界の様々な課題に挑戦していってほしい。皆さん共に頑張りましょう。」

津島淳衆議院議員からは、
「机上の空論に終わらない生きた政策を作り上げるためにこの場を最大限活用したい。ここでの議論が充実した建設業の実現、人手不足の解消に繋がる大きなきっかけになったと後に言われるよう期待しています。」

という趣旨のコメントをいただきました。

自由民主党 国土交通部会長 佐々木紀衆議院議員 
衆議院財務金融委員長 津島淳衆議院議員

パネルディスカッション

ここからはセッションの内容を抜粋してお伝えいたします。

 『業界リーディングカンパニーにおける人材・協力会社の支援戦略』

【 登壇者紹介】
・鹿島建設株式会社 安全環境部 部長 加藤 昌二 氏
・株式会社竹中工務店 調達本部 企画管理グループ長 齋藤 幸隆 氏
・株式会社きんでん 技術本部 技術統轄部長 内田 徹 氏
・株式会社助太刀 CFO室 大塚 裕太(モデレーター)

左から助太刀 大塚、鹿島建設 加藤氏、竹中工務店 齋藤氏、きんでん 内田氏

1つ目のパネルディスカッションでは業界のリーディングカンパニーである3社の方々にご登壇いただき、人手不足に対してどのような取り組みを行い、今後どういったことに取り組んでいくのか展望を探りました。

テーマ①協力会社支援の取り組みについて、鹿島建設の加藤氏からは2021年から取り組まれている重層二次化に関して、きんでんの内田氏からは資格取得や経験年数に応じてポイントを贈呈する「きずな制度」に関してご紹介いただきました。
また、テーマ②職人の処遇改善に向けた取り組みとして、竹中工務店の齋藤氏から、マイスター制度を通じたキャリアの見える化と賃金アップの実現に向けた取り組み、きんでんの内田氏からは協力会社の新入社員や中堅社員に対する教育支援に関してご紹介いただきました。

 『研究者×メディア×スタートアップから見た建設業の今』

【登壇者紹介】
京都大学 大学院工学研究科 建築学専攻 准教授 西野 佐弥香 氏
・株式会社日経BP 日経アーキテクチュア編集長 木村 駿 氏
・助太刀総合研究所 所長 植村 具民

2つ目のパネルディスカッションでは、建設業に直接的には従事していない研究者・メディア・スタートアップに属する3名が、外の立場で見た建設業の課題やトレンドについてディスカッションを行いました。

左から助太刀総研 植村、京都大学 西野氏、日経BP 木村氏

西野氏は、新規入職者の減少に関連して、建設業界への就職動向やキャリアの考え方の変化を指摘され、エンプロイアビリティを培える環境がより重視される傾向についてお話しいただきました。木村氏は、2024年問題や働き方改革に対する業界の取り組みを評価しつつも、「今日ここに来られている全員に嫌われる覚悟で…」と前置きし、業界全体の危機意識の低さと社会へのアピールの不足、重要性について指摘されました。厳しいながらも核心を突くご意見に、当日ご参加いただいた多くの建設事業者の方から強く印象に残ったとご感想をいただく内容となりました。最後に、植村はスタートアップの視点から、建設業界の効率化や人材確保の取り組みを紹介し、透明化と外部資源の活用が必要と述べました。

特別セッション

『建設現場における人材の確保と働き方、これからどうする?』

【登壇者紹介】
・国土交通省 大臣官房参事官(建設人材・資材) 宮沢 正知 氏
・一般財団法人 建設業振興基金 専務理事
 建設キャリアアップシステム事業本部長 長谷川 周夫 氏
・一般社団法人 建設産業専門団体連合会 会長 岩田 正吾 氏
・株式会社助太刀 社外取締役(元国土交通省 国土政策局長)木村 実
 (モデレーター)

特別セッションでは、国土交通省、建設業振興基金、建設産業専門団体連合会それぞれの立場で責任のある方々にお集まりいただき、「建設業これからどうする」というテーマを設けて、これからの人材確保と建設現場での働き方について議論を行いました。

左から助太刀 木村、国土交通省 宮沢氏、
建設業振興基金 長谷川氏、建設産業専門団体連合会 岩田氏

国土交通省の宮沢氏は、建設業の人材不足について賃金や労働条件の問題を指摘し、「担い手三法」の改正により処遇改善や価格転嫁、働き方改革を推進する方針を述べられました。建設業振興基金の長谷川氏は、技能者の賃金適正化や生産性向上、公正な取引を促進するため建設キャリアアップシステムの活用と、その拡大について説明しました。建設産業専門団体連合会の岩田氏は、賃金の低さや労働環境の厳しさが若者や外国人労働者の国内における建設業離れを招いていると述べ、標準労務費の重要性を強調されました。

共同研究発表

次に、助太刀総研 共同研究パートナーの京都大学大学院工学研究科 金多教授より共同研究発表を行いました。
今回の研究テーマは「建設業の賃金上昇に係る考察」。技能労働者の賃金状況の実態を調査することにより賃金の決定要因を明らかにし、賃金上昇のために必要な要素の手がかりを見つけることを目的としたアンケートを実施し、その結果を基に考察を行いました。

京都大学 金多教授

▼共同研究レポートはこちら

ご講評

最後に、一般財団法人 建設経済研究所の佐々木基 理事長よりご講評として、「人材の流動化を前提として、どう対応していくかを業界全体で考える必要がある。このような会を積み重ねていくことによって、建設業界の危機を脱していけるのではないかと心より期待している。」という主旨のお話をいただき、閉会いたしました。

建設経済研究所 佐々木氏

懇親会(ネットワーキング)

フォーラム後は、参加者の皆様との懇親会を執り行いました。
株式会社助太刀 代表取締役社長の我妻が乾杯の音頭をとらせていただき、セッションの内容を踏まえた、それぞれの立場からのご意見や情報交換など、皆さま活発にコミュニケーションを取られておられました。

参加者の皆様からのご感想(※一部抜粋)

・非常に勉強になる内容だったので、自社内で共有して今後に活かしていきたいと思います!

・大変参考になりました。課題に対してどう対応していくかが難しいのはどこもみんな一緒。個社ではどうにもならないことを業界全体で動いていく必要性を改めて感じました。

・どのセッションもそれぞれの立場から建設業を良くしたいという献身的な想いが伝わってきました。

・政産官学ほぼ全ての領域から参加されていて、色々な立場からの意見・情報を得ることができて大変勉強になりました。

・建設業界のリーダー的存在にあたる方々の貴重なお話・考え方には共感するものが多く、自社でも改善できるものがいくつかあると感じたので、採用できるよう動いていきたいと思いました。

最後に

このような大規模イベントの開催は初の試みでしたが、今回、ホットスケープ社に企画段階から当日の運営まで多大なサポートをしていただき、イベントを成功させることができました。本当にありがとうございました!

「建設業働き方フォーラム」は来年以降も継続して開催する予定です。 次回はよりアップデートした内容をお届けしたいと思っておりますので、ご興味をお持ちいただいた方はぜひ次回のご参加をご検討ください。
今後も「建設現場を魅力ある職場に」すべく、あらゆるステークホルダーの皆様との連携を図り、建設業界の発展に向けて取り組んでまいります!

今後のリリース予定

以下のコンテンツを順次公開予定です。どうぞお楽しみに!

イベント特設サイト :9/5公開済み
・ ダイジェスト動画 / 全セッション動画 :9/5公開済み
・ 京都大学×助太刀総研の共同研究レポート :9/5公開済み
・ 各セッションの詳細レポート



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