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読書ノート

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本屋の息子なので、読書は今でも道楽の王道。 iPad のヘビー・ユーザーなので、僕のスタイルは、すべての本を裁断して、電子書籍化。 いつでもどこでも、マイiPad をスワイプしな…
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2021年11月の記事一覧

ライ麦畑でつかまえて J.D.サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて J.D.サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて

1951年にアメリカで発表された青春純文学の金字塔が「ライ麦畑でつかまえて」です。
発表されてから現在まで、世界中の国に翻訳されて、発行部数累計6000万部以上。
現在でもなお、毎年50万部が売れているという、モンスター小説です。
そして、特筆すべきはその読者の大多数が青少年たちだということ。
恥ずかしながら、僕は60歳を超えるこの年齢になるまで、本作は未読でした。
しかし

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女の海 瀬戸内晴美

女の海 瀬戸内晴美



今月の9日、天台宗の尼僧だった作家の瀬戸内寂聴が亡くなりました。
享年99歳。
1999年に74歳で亡くなった母親が、大正15年(昭和元年)生まれでしたので、生きていれば95歳。
それよりも、4歳年上な訳ですから、まさに人生を生き抜いた末の、大往生だったといえるでしょう。
東京女子大在学中の20歳で結婚し、2年後に女児を出産。
しかし、25歳の時、年下の文学青年と不倫関係になり、まだ3歳だった

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アルジャーノンに花束を ダニエル・キース

アルジャーノンに花束を ダニエル・キース

アルジャノーンに花束を

小説としては、今回初めて読みましたが、このタイトルだけは、随分昔から知っていました。
古くは、実家の本屋の棚に並んでいた記憶があります。
うろ覚えですが、ドラマもありましたね。
ユースケ・サンタマリアが主演のものと、最近では山下智久が主演のものもありました。
映画ですと、1968年にラルフ・ネルソン監督が撮った「まごころを君に」という作品の原作が本作です。
この映画の原題

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若きウエルテルの悩み ゲーテ

若きウエルテルの悩み ゲーテ

若きウェルテルの悩み ゲーテ

僕が中学生の頃は、まだSNSなんてものはなかったので、女子とコミュニケーションするツールは、もっぱら手紙でした。
中には、交換日記などで、淡い愛を育んでいるという手合いもいましたが、僕の場合はもっぱら文通でしたね。
雑誌に、文通欄みたいなコーナーがあって、そこに文通希望の女子が投稿していました。
もちろん、わかるのは住所だけで、相手の顔も氏素性も分かりません。
です

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