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千葉オンライン留学 終

すけです。

note執筆は初めてで、正直何をどう書けば良いのか全く見当もつきませんが、イチ大学生の超個人的な備忘録として、温かい目で見ていただけると幸いです。

先日、約7ヶ月の千葉オンライン留学生活に一旦終止符を打ちました。というのも、1年間のアルゼンチンでの留学期間の残り3ヶ月をメキシコで過ごすことに決めたからです。

コロナの影響を誰よりもモロに受け、アルゼンチン行きを断念せざるを得ず、千葉で半年以上も隠居した挙句、突然メキシコ渡航を決断というイカれた経緯とその振り返りを、ここにまとめたいと思います。

文章下手に加えものすげぇ長編の予感なので、適当に読み飛ばしてください。笑

■オンライン留学?

昨年7月、無事自校慶應義塾大学・派遣交換留学第3期の熾烈な競争を勝ち抜き(アルゼンチン希望は私だけだった模様)、2021年2月〜12月のトルクァト・ディ・テラ大学での留学生活が決定した。日々バイト(東進ハイスクール担任助手)に忙殺され、十分な対策が取れず不安ではあったが、本当によかったと安堵した記憶がある。

ちょうどその頃、新型コロナウイルスが私より先に世界へ進出し、各地で猛威を奮い始めていた。ワクチンも対策も不十分な中、猛スピードで広がっていく小さな小さな脅威に、全世界が混乱と恐怖に晒されていた。私の留学先、アルゼンチンも例外ではなく、隣国ブラジルと共に破竹の勢いで感染者数を伸ばしていた。

事態が動いたのは9月。例によってバイトに追われていた私は、大学からの一本の電話でその場に膝をついた。
「貴方の留学先、トルクァト・ディ・テラ大学が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を鑑み、来期の留学生受け入れをオンラインとする旨決定しました。」
とのこと。留学キャンセルするか否か、期限は10日程度。私はこの短い期間で自分の留学への希望とオンラインでのメリット・デメリットを考慮し、返事をしなければならなかった。

その後、悩み抜いた結果私はオンライン留学を決定したわけだが、その最も大きな理由が「現状を変えたい」という漠然としたものであったと記憶している。それについては次で触れることにする。

■俺、大学生活2年間で何を得た?

高3夏の突然の進路変更により慶應義塾大学商学部へと入学した私は、特にこれといった情熱もなく、バイトと授業を消化する日々が続いていた。批判覚悟で言えば、せっかく入った最高学府での日々は想像以上につまらなかったのである。
だが、この「つまらない」というのは、文字通り生活に飽き飽きしている、というよりは、楽しいことは楽しいけど心から満足できていない自分がいる、という方が適切であると思う。

サークルもバイトも、もちろん大学も、何事もなく充実していたとは思う。だが、対面授業がなくなり、それなりに自分の時間が増えたこと、バイトで「志指導」のリーダー職に就いたこと、東進の偉大な先輩たちと深く関わるようになったことで、自身の大学生活に何か物足りなさを感じるようになっていった。思えば、「何か本気でやりたいことが見つかればいいな」という入学時に立てた目標は、その一片のカケラも掴めていなかった。

大学生活もそろそろ半分終わる、という中で芽生えた漠然としたモヤモヤが日々大きくなっていた時期の「オンライン留学」宣言。悩んだ末、私はこれを好機と捉えた。
もともと、アルゼンチン留学自体、「どうせならみんなと違うところ行きたいな」「スペイン語話せるようになりたいな」位の陳腐な目的しかなかった。表ではペラペラとそれっぽいことを喋りつつも、実際はそんな高尚なことなど腹から本気で考えてはいなかった、というのがぶっちゃけた本音である。

しかし、オンライン留学ならどうだろう。現地に行けないのだから、言語習得という意味では大きくデメリットだろうが、忙しなく余裕のない日々から解放され「自分を見つめ直す期間」として良い機会になる、と思えたのだ。以前から考えてはいたものの、目先の物事に気を取られ十分な時間は取れていなかった。
仮に当初の目的が達成されなくとも、「私だけの1年間」はその意味で非常に有益と判断し、少々昂りながら「オンラインでも良いので是非貴学で留学させて下さい」と返信メールを打った。

■ド田舎オンライン留学 開幕

それからの4ヶ月は以前と何ら変わらぬ日々を過ごし、1月末、遂に2年続けた東進バイトを引退した。

この2年間、本当に沢山の出会い、しかも斯くも立派な大人との出会いに恵まれた。まぁ辛かったが、むしろ辛い記憶の方が色濃いが、未熟だった自分に様々な学びをくれたこの職場に、今では感謝している。

さて、2月から私は千葉に拠点を移した。出生から10年住んだ、私の故郷である。ドが5個くらい付くレベルの田舎であるが、家族の協力もあり、
・家には親父だけ
・日本語少ない
・友達いない
というオンライン留学にはもってこいの環境の元、満を辞して「Adelante!」

「生活編」「授業編」「スペイン語編」「本編」の4つに分け、つらつらと振り返っていきたいと思う。

■千葉隠居生活〜生活編〜

・時差との戦い

何よりもまず大変だったのが、ライフスタイルの大幅変更である。2月末からはオンライン授業が始まるため、アルゼンチンの時間に合わせた生活をしなければならなかった。その差、ピッタリ12時間。夜中に勉強、昼間に睡眠、というおそらく日本で私しかいないであろう変態ライフスタイルを強いられた。

親父と協力し、13時起床→勉強→17時ランニング→帰宅後風呂→洗濯物取り込み→飯→皿洗い→勉強→24時飯→勉強→7時就寝のようなルーティンを確立した。人間恐ろしいもので、1週間も経てば余裕で順応してしまうのである。

そんなこんなである程度生活感は掴み、本格的に勉強をスタートさせた。2月の目標は「感覚を取り戻すこと。」勉強しないことに慣れ切った腐れ大学生を心身ともに叩き直す期間であった。

・受験生モード突入

「暇じゃないのに何故か暇」とはよく言ったもので、きちんとやるべきことを整理しないとあっという間に時間が過ぎてしまう。ある程度生活リズムが整ったところで、受験生ぶりのStudyPlusを再インストールし、勉強姿勢への改善に努めた。

それからというもの、毎日10時間以上PC画面に向かい、親父以外誰とも話さない日々が続く。覚悟はしていたが、それまでの当たり前が消えたことに、精神的なストレスを抱えずにはいられなかった。

・少年との出会い

唯一のストレス発散法、それは平日夕方の誰もいない公園で思い切り壁当てをすることだった。30分ほどだったろうか、頭の中でセルフ実況しながら無我夢中で投げ続けていた。出来れば毎日投げたかったが、少年時代から約10年間酷使した右腕にそんな余裕はなく、週1回がやっとであった。

2ヶ月ほど経ったある日、公園に向かうと野球少年とそのお母さんと思しき2人に遭遇した。どうやら私の壁あてに興味を持ってくれたらしく、それから毎週水曜は少年に野球を教えることになった。結局メキシコ渡航までの約5ヶ月の間お世話になり、最後には一緒に焼肉に行ったりと、かけがえのない関係となった。
きっと彼ら(途中から少年が増えた)がいなければ鬱になっていただろう。この素敵な出会いに今でも感謝している。

・彼女の支え

7ヶ月もの長い期間、陰で精神的に支えてくれた彼女の存在は、私にとって本当に大きかった。「私を待ってくれている誰かがいる」と思うだけでこんなにも安心できるものかと、日々感じていた。

もちろん想いがすれ違ったり関係がうまくいかない時も多々あった。だが、お互い協力してそれらを乗り越えられたことは、私たちにとって非常に大きな財産となるだろうと思う。

残り3ヶ月を含め約1年間待ってくれている彼女には本当に誇りを持っているし、感謝の気持ちでいっぱいである。これ以上迷惑と心配をかけないよう頑張ります。どうぞこれからもよろしくです。

■千葉隠居生活〜授業編〜

・日本とのギャップ

とにかく、課題の量が半端ではない。なんだこの予復習の量は、と毎授業耳を疑いたくなっていた。それ前提で授業内容はほぼディスカッション。授業内での発言も「貢献度」が重視され、常に学生は積極的かつ真面目に取り組んでいる。

聞けば、海外の学生はほぼ全員が学費を実費で払い、奨学金の取得への努力を怠らず、バイトも学生のうちはせず勉学と社会勉強に励んでいるそうではないか。おまけに「学びたくて大学に入ってるからね、笑」と言われてしまう始末である。
英語もスペ語もまともに話せず、ディスカッションにもついていけない日々。見た目も心も大人びた彼らに、ある種の劣等感を覚えてしまうのは留学の洗礼と言ったところか。

・TEAM2

予復習に追われる日々、海外大学はキチィなぁと萎えていた中で結成された「Consumer Behavior」というクラスでのTEAM2。授業の最終プロジェクトを一緒に作るチームとなった。

このTEAM2での活動は、私に学びの楽しさを教えてくれた。大テーマを決め、各講義後に我々のテーマではそれがどう活かせるのだろうか?とディスカッションを交わし、最終プロジェクトにむけ準備を進める。インプットを整理し、即座に応用してアウトプットするプロセスが、「新しいことを学ぶ」楽しさを何倍にも引き上げること、その「楽しい」という感覚が勉強の醍醐味であることを再認識させてくれた。

日本の大学生活で忘れかけていたこの感覚。
大学のため、就職のため、と「受動的な」学びではなく、「能動的に」学ぶことの重要さに気づけたのは大きな収穫であった。

■千葉隠居生活〜スペイン語編〜

・空白の2年間

実は大学1年からスペイン語の授業は取っていた。その理由は、楽単だから。おそらく慶應商学部のスペイン語選択の9割はこの不純な動機であるに違いない。

そんなわけであるから、真面目にスペ語を学ぼうなんて思うはずもなく、試験前のみ猛勉強するという典型的な文系大学生であった。

アルゼンチン留学が決まってから再燃するはずだったスペ語へのモチベーションも、日々の激務と怠惰で薄れ、気づけば2月。留学開始。

さてと。単語帳を開いてみる。全然知らない。ホコリの被った文法書を開く。まるで理解できない。オンライン留学だから…と油断していた自分を殴りたい。これじゃあスペ語の授業になんてついていけるはずがあるまい、と焦りが募った。

・授業開始!

幸いにも、今年のスペ語の授業はマンツーマンに変更になった。とはいえ、挨拶もまともに出来ない私に乗り越えられる気は全くしなかった。

留学開始から2週間後、Ruth先生との週2回の授業がスタートした。難解なアルゼンチン方言を巧みに操り、私がド初心者と見るや英語を交えて話してくれる優しい先生の元で、なんとか基礎文法、重要表現等を叩き込んだ。

この授業は6週間しかなかったものの、意思疎通が若干とれるまでには上達したと思う。だが今後、仮にアルゼンチンに行けない日々が続いたらすぐ忘れるな…とネットのスペ語勉強ブログを漁っていると、何やらすこぶる人気なオンライン会話レッスンがあるようだった。

・Melisaとの出会い

その「スパニッシモ」とやらは、グアテマラ講師を採用、さらにスカイプによる完全オンライン授業ということで、界隈でも屈指の値段設定を実現していた。早速体験授業を受け、その授業体系と質の高さに感動した。
すぐさま「集中コース(1回50分、90日で100回、7万円くらい)」を申し込み、私のスペ語大成長物語が幕を開けることとなる。

豊富な講師陣の中から私が選択したのは、Melisa先生。ふくよかな体型で、教育関連の仕事をしているらしく、その優しい雰囲気が良いなと感じた。彼女は日本人の生徒を沢山抱えているらしく、日本への知識と興味が半端ではなく、話していて非常に楽しかった。

開始当初は彼女の授業を結局200回も受けるなんて思ってもいなかったが、その6ヶ月間で悲しいことに英語と同等レベルまでに話せるようになってしまった。

異国語で自分の考えを表現する難しさ、異国語だからこそ分かる文化の違いを毎日ヒシヒシと感じ、回を重ねるごとにスムーズに会話できるようになっていく感覚は嬉しかったし、楽しかった。

・だが、壁は厚い

オンライン留学も二学期が始まり、本格的にアルゼンチン行きが絶望的な中、ついにスペ語で行われる集団授業を受け始めた。担当は半年前と同じRuth先生。しかし、その話ぶりは半年前とはまるで違う。それを理解できている自分に少しだけ自信を持てた。

と思いきや、他の生徒は母国語でないにもかかわらず、当たり前のようにペラペラと話している。それまでの私はいわゆる井の中の蛙であった。Melisa との会話に慣れたからと、彼らと対等に話せると思っていた烏滸がましい自分を戒め、さらに精進していかねばならない。

メキシコ渡航が決定し、自分の現時点でのスペ語が現地でどれほど通用するかは分からないが、「コミュニケーションを楽しむこと」を忘れず、実践主義で積極的に学んでいきたい。

■千葉隠居生活〜本編〜

私のことを少し知ってくれている人ならば、「お前が本?頭狂ったか?」と思われるであろう。実際これまで20年間、自らできるだけ活字を避けてきたし、勧められた本も最後まで読んだ試しがない。そんな私が何を思ったかKindleを購入し今では毎日2時間ほど読書に時間を割いている。やはり頭が狂ったのであろうか。

遡ること1月はじめ、バイトの研修にて「志プレゼン」を行い、「今年は時間ができるので本を読みます!」と堂々と宣言した。そこから4ヶ月はまるで本とは無縁の生活。また有言不実行をかますのかと思われた矢先、一冊の本と出会うことになる。

・イメージの大転換

その本とは、斎藤幸平さんの「人新生の資本論」である。例によって本の虫である親父に勧められたのであるが、これがまぁ面白い。本の要約等はここで明記するのは避けるが、知らない分野・難解な分野に対してここまで人々の興味をそそる文章が書けるのかと、ひどく感動した覚えがある。

それまで「本」といえば、いわゆる自己啓発系、ハウツー系とばかり思っていた。バイトの先輩たちも皆そういった類のものを読んでいたし、彼らは須く豊かな思考と魅力的な内面の持ち主だったこともあり、何回か挑戦したこともあった。

でも、どうも心に刺さらず面白くなかった。というのも、私自身がそれを本気で必要としていなかったからであろう。本に対するこういったバイアスが私を活字から離していたが、「人新生の資本論」はそのイメージを払拭し、「本を読み、著者の思考・人生を知ることで読者の人生に深みを増すことができる」と、やはりここでも「受動」から「能動」へと意識を転換させてくれた。

・哲学

それからというもの、突然色々な分野に興味を持ち出し(寧ろよく知らない分野は全部興味の対象であった)、中でも特に「哲学」に惹かれた。昔から、「意思がない」とか「すぐ流される」とか指摘され続けてきた私にとって、自分の信念に絶対の自信を持つ哲学者たちは非常に魅力的に映ったからだ。

解説本や翻訳版が簡単に手に入る時代に生まれて幸せだと感じる。本来彼ら哲学者の思考を読み解くことは一生かかっても難しいのに、現代なら要点をつまみ食いしながら理解することがいとも容易くできてしまう。それを生かしてOpen mindedな今、色々なものを吸収したいと思う。

また、伝記や自叙伝のような類の本も、彼らの思考を学ぶのには打って付けの資料だ。「どんな決断」を「どんな信念に」基づいて行なってきたのか、そこに注目しながら読むと、「なるほど、だから成功(失敗)したんだな」とか「この思考回路はすごい合点がいくし面白いな」などと気づきを得ることができる。

8月には本好きの必需品「Kindle」も購入し、日々読書リストに読みたい本を続々と追加している。

というわけで、千葉生活で最も重要だったと言っても過言ではない意識の転換ののち、様々な方面に興味を持たせてくれた読書という新たな趣味を、今後も止めることなく続けていきたいと思う。
(向こう3ヶ月間は和書禁止するから、読みたい本ストックしておこうっと)

■これからについて

ダラダラとまとまりの無い文章を書き続けて思ったこと。
それは、一見なんの変哲も無い日々の中にも、色々な出来事とそれに伴う思考や行動の変化があり、それを一々反省しどう今後活かすかを考えることが重要だということである。

元々7ヶ月の振り返りとして文章に残しておきたいと思って始めたこのnote執筆も、どんどんと書き込みたい内容が増え、いつの間にか7000文字を優に超えている。

想像以上に学びの多かった7ヶ月間。
おそらく予定通りアルゼンチンに行けていたら得られなかったことも多かっただろう。この環境を用意してくれた家族、支えてくれた彼女や友人をはじめ全ての人に感謝し、向こう3ヶ月のメキシコ滞在に向け出発しようと思う。


ここまで稚拙な文章にお付き合い下さった皆様、貴重なお時間を割いていただきありがとうございます。
また機会があったら書きたいと思います。
より文章下手になっている可能性大いにアリです。どうぞあしからず。

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