はまち

一生出世しない気がする。 雑記帳/もうちょっと長い記事はこっち↓ https://sausauco.hatenablog.com/

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最近の記事

大人も前髪で社会と壁をつくる

「長い前髪が社会との壁」 Youtubeに上がっていたあるニュース番組で、不登校の女の子がそう話していました。 顔を見られたくない、他人の視線がまとわりつく感じが落ち着かない、危険だらけの外界を遮断して安心できる空間が欲しい。その感覚は随分前になくしたつもりでしたが、彼女の言葉によって久しぶりに若かりし頃の記憶が呼び覚まされました。 昔のわたしも動画の彼女と同じように、学校の教室に強烈な居づらさを感じていました。その後遺症というべきか、今も、生活する中で「社会との壁」的なも

    • 国語の資料集でおなじみ、襲(かさね)色目 のおしゃれがしたい!

      国語の資料集が好きすぎて、もらったその日に家に持って帰りそのまま失くした経験があります。 どのページも眺めていて楽しかったけど、一番のお気に入りは平安貴族の装束のページでした。 中でも、異なる着物を組み合わせて、季節独特の色合いを表現する「襲(かさね)色目」が好きで、組み合わせと名前の並んだ表を飽きもせずに眺めていたものです。 こういう表、どの国語の資料集にも載っていましたよね。 繊細かつ、高い教養の要求される平安貴族の色彩感覚。かつては花言葉大好き、色見本大好き、高校生

      • 服好きだけど「おしゃれだね」と言われたくない

        「いつもおしゃれだよね〜」 「今日の服かわいいね」 「毎日綺麗にしてるのすごいね」 人からこれらの言葉をかけられた時、どう感じるだろうか? わたしは内心、 「ひぃ!やめて!許してくれ!!」 と思っている。 もちろんわたしは服やメイクやアクセサリーが好きだし、身なりを小綺麗にすることでテンションが上がるし、周りから綺麗な人だと思われたくてそれなりに努力している。だからいわゆる「おしゃれさん」であることは否定しない。しないのだけれど……! 自意識が!それを許さないのである

        • 夏が終わるのでインターホンの怪談をしますね

          たしか高校生の頃の話。 その日は、やけにすっきりと目が覚めてベッドから起きたのを覚えています。 マンションの壁が塗り直しになってからというもの、建物全体を覆うように足場が組まれ、その上から目隠し兼防音のシートのようなものが被せられています。 そのせいで夏だというのに窓から光が入らず、数日はなんとなく朝は寝起きが悪くなっていたのでした。 珍しく早起きね、などと母から茶化されながら歯を磨いて顔を洗います。先に起きていた妹はもう制服に着替えて朝食を食べているところでした。 父は

          忘れられない人になるための必要経費の話

           「好きな人の記憶に残りたい。好かれなくていいから、相手にとって一生忘れられない存在になりたい。」  かつて、ぽろっと友人がこぼした言葉です。「記憶に残る」は結果であって、誰かの記憶の取捨選択に外側から干渉できるものではありませんが、実は心当たりがないではありません。  わたしには捨てられない万年筆があります。  パイロットのカスタム74。黒いボディに金の縁取りの、極めてスタンダードな見た目の万年筆です。  これを贈られたのは誕生日のことで、相手は長い付き合いの友人でし

          忘れられない人になるための必要経費の話

          ルミネがあればメンクリはいらない

           自己治療仮説。  世界がぜんぶ敵に見える時、わたしは決まってルミネに逃げ込む。コンクリート造の無骨な駅構内を抜けて、ショッピングビルの光差し込む自動ドアをくぐると、ほっと息ができるようになる。  中は空調が効いていて、ダウンライトで照らされた店内は隈なく明るく、どことなく香水のいい匂いがする。まっすぐ区切られた小道の両脇を素敵な服やアクセサリーを纏ったマネキンが、背筋をピンと伸ばして立っている。柔らかな「いらっしゃいませー」という声が聞こえてくる。  そしてぼんやり歩きな

          ルミネがあればメンクリはいらない

          今日をよき日に

          先日、初めて自分で着付けをして友人の結婚式に参列しました。 ゲストの中に着物姿はわたしと、新郎の上司らしき女性のみ。 着付けの技術に自信がなく、フォーマルな雰囲気は守りつつも、身につけるものはすっきり最小限にしていたわたし。 対して彼女は、柄や色合いはややカジュアルながら、礼装らしい小物や飾りをしっかり取り入れた、粋な組み合わせをしていました。 いずれもお手本からはちょっぴりはみ出した装い。どきどきしつつ見ていると、彼女もわたしに気付きました。 目が合うと、にっこり。 つら

          今日をよき日に

          猫(のいない)街

          四半世紀とちょっと生きてきて、猫のいない街というものを見たことがありません。 生まれ故郷の小都会ではその辺の家やマンションの前に、 祖母の家のある山奥では納屋や田んぼや店前に、 進学先である山間の学生都市でもいろんなところに、 就職を機に引っ越した街では路地という路地に、 家を持たない猫たちがいました。 一人暮らしを辞めたいま、はじめて野良猫のいない街に住んでいます。 集合住宅が立ち並び、まっすぐで広い道路の通った郊外です。 ここは犬が愛される街のようです。 駅前の大き

          猫(のいない)街