はまち

一生出世しない気がする

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ルミネがあればメンクリはいらない

 自己治療仮説。  世界がぜんぶ敵に見える時、わたしは決まってルミネに逃げ込む。コンクリート造の無骨な駅構内を抜けて、ショッピングビルの光差し込む自動ドアをくぐると、ほっと息ができるようになる。  中は空調が効いていて、ダウンライトで照らされた店内は隈なく明るく、どことなく香水のいい匂いがする。まっすぐ区切られた小道の両脇を素敵な服やアクセサリーを纏ったマネキンが、背筋をピンと伸ばして立っている。柔らかな「いらっしゃいませー」という声が聞こえてくる。  そしてぼんやり歩きな

    • 今日をよき日に

      先日、初めて自分で着付けをして友人の結婚式に参列しました。 ゲストの中に着物姿はわたしと、新郎の上司らしき女性のみ。 着付けの技術に自信がなく、フォーマルな雰囲気は守りつつも、身につけるものはすっきり最小限にしていたわたし。 対して彼女は、柄や色合いはややカジュアルながら、礼装らしい小物や飾りをしっかり取り入れた、粋な組み合わせをしていました。 いずれもお手本からはちょっぴりはみ出した装い。どきどきしつつ見ていると、彼女もわたしに気付きました。 目が合うと、にっこり。 つら

      • 猫(のいない)街

        四半世紀とちょっと生きてきて、猫のいない街というものを見たことがありません。 生まれ故郷の小都会ではその辺の家やマンションの前に、 祖母の家のある山奥では納屋や田んぼや店前に、 進学先である山間の学生都市でもいろんなところに、 就職を機に引っ越した街では路地という路地に、 家を持たない猫たちがいました。 一人暮らしを辞めたいま、はじめて野良猫のいない街に住んでいます。 集合住宅が立ち並び、まっすぐで広い道路の通った郊外です。 ここは犬が愛される街のようです。 駅前の大き

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