見出し画像

グロービス クリティカル・シンキングを受講した話②

間が空いてしまいましたが、前回の記事に引き続き、グロービス経営大学院でクリティカル・シンキング(以下クリシン)を学んだ話です。今回は、クリシンを学んだ目的の一つでもあったデータ分析についてです。
講義を受けてからすこし時間も経ってしまったので、復習も兼ねて書いています。

私はデータ分析ツールのTableauを毎日のように業務で使っていますが、エンジニアとして開発やサポートのために習得したため、一つの業種のデータにじっくり向き合うという経験はしていませんでした。そのためTableauの操作はそこそこ知っていても、データをどのように見て示唆を得るのかという分析スキルについては力不足という状況でした。(実際、DATA Saber挑戦時にもその点で苦労しました…)

その穴を、クリティカル・シンキングが埋めてくれた気がします。
クリティカル・シンキングでは、Day2の内容でデータ分析が出てきます。(2023年10月期時点)
それぞれの回で学びが深かったですが、データ分析をやっている仕事柄、このDay2のデータ分析パートの資料を何度も見返しています。
データ分析やり始めて年数の浅い人は、ぜひここだけでも受講して欲しいと感じるほど。とはいえ、私も全6回通して受けてみてようやくDay2で学んだことの意味が腑に落ちたんですけどね…。

クリシンで学ぶデータ分析の内容

実際のデータ分析のパートでは、私の受講した時点ではB.LEAGUEの決算データを使って演習を行いました。予習課題でデータから分かることを分析して、講義の中で気付いたことを発言したり、分析のポイントを学ぶ流れです。
ちなみに予習では事前に加工済みのデータが用意されているのですが、Bリーグのサイトでは各年の決算データ(ただしPDFのみ)が公開されているので、講義で学んだ手法を使って他の年度のデータで分析することもできます。

講義の構成としては、
①森を見る(比重の大きな点から着目する)
②木を見る(分解して詳細を見る)
③分解とは?
という順に進んでいきます。
細かい内容はネタばらしになるので控えますが、Tableauなど扱ったことある方は腹落ちする部分が多いと思います。
例えば森を見る部分では、インパクトの多い指標から見ていったり、分かれている費用を合計で見たり、順位を見たり。Tableauでいうと、重要度の高いメジャーに注目したり、複数のメジャーを費用合計としてまとめる(あるいはピボットする)、並べ替えやランクを使用する、という感じでしょう。
分析する際のツールは特に指定されていないので私はTableauを使って見ていましたが、Tableauの機能は分析の見方をスピーディに切り替えられるよう設計されているんだなと、今さら感心しました。

切り口を考える

分解とは分けて考えることだとよく言われます。
通常は、すでにあるデータの中からどの指標を切り口にすると示唆が得られるのか、という所から分析を行うことが多いと思います。
そこは流石クリティカル・シンキング。講義では、与えられたデータ・切り口に対しても、このままでいいのか?さらに細かく分解できないのか?という所を問う考え方を学びます。
例えば、「売上」というデータも、店舗毎の売上データを積み上げてできている数字ならば、「店舗数」と「売上/店」に分けてみる。さらに「売上/店舗」からは客数のデータと紐づけて「客単価」や「客数/店舗」という数字を導き出すことができるよね、という具合です。
これ、マーケティングや経営企画とか特定の業務の中でデータ分析している方には当たり前のことに思われるかもしれませんが、私にとっては結構目から鱗でした…。すでにあるデータを組み合わせて「利益÷売上」で利益率にするようなことはしましたが、データとしてはないが、構成要素として考えられるものに目を向ける、というアプローチはやったことがなかったからです。

また、今あるデータの分解だけでなく、データを見る際にどのような視点で見ればいいかの枠組みについても触れます。
まず基本的な切り口としては、以下のものが挙げられます。
・What(モノ)
・Who(ヒト)
・When(時間)
・Where(場所)

他には、コンサル業界でよく使われるフレームワークです。代表的なものは以下になります。
・事業分析の3C
・PEST
・マーケティングの4P
・バリューチェーン(研究開発→調達→マーケティング→販売→アフターサービス)
・ヒト、モノ、カネ

ビジネス課題はよく5W1Hとかフレームワークで考えろと言います。ですがクリシンでは最初からこの視点に当てはめるというより、課題について考えていく上で自分の推論や視点に偏りがないか、上記の切り口からも考えられているか、という補助的な使い方で学びました。
つまり自分の論や視点がMECE(漏れなくダブりなく)であるかを検証し支えるためのツールとして考える形です。
講義では、例題として具体的なビジネスの事例を挙げ、その状況において考えられる切り口はないか?と質問をされ、そこにバンバン挙手して回答する形です。これによって、嫌でも4つのWやフレームワークを思い出さざるを得ず、以前書籍やData Saber Bridgeでも(失礼)全く頭に入らなかった切り口が多少は身に付いた気がします。
やはり具体的なケースに対して使って初めて知識は定着するものだなと再確認した場面でした。

では、それらの切り口を用いて得た気づきに対して、どのように補強をしていくか。あるいは偏りがないかを確認してくか。
そのためのテクニックは、演繹法・帰納法や、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーとなります。
こちらについても時間を見つめてまとめたいところです。

長文、お付き合いいただきありがとうございました。