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文学フリマ大阪11 ありがとうございました。

 最初にエッセイがあります。でもエッセイの形を成していないな、たぶん。


『レモンイエロー、いつかそいつを越えてやる。』 高野悠


 小説が好きで、小説が書きたくて、小説が書ける大学の学科に入学した。それがあと数年も経たずに10年以上前の話になる。
 入ってわかったことは小説を消費するのが好きなだけで、書くのは精神を削るばかりで好きではないこと。友達にも知り合いにも、顔を知っている人物に読まれたり、批評されるのが苦痛なこと。
 最初から折れた筆で書いているような感覚。それでも、1年に一度あるかないかの頻度でもの凄く楽しく書ける日があった。それが私を小説から離してくれなかった。それが毎日ならよかったのに。

 「社会人忙しいので創作止めます!」といったツイートが大嫌いで、そんな人生は生きたくないと思っている。文章に関する職について健全に生きていける気がしなかったが、卒業してからも絵と小説を一年ごとに交代するようなリズムで二次創作をしていた。絵ほど楽には書けないが、顔を知らない他人に宛ててなら小説を見せることはそう難しくないらしい。批評される環境からも離れて、私は小説との距離をなんとなく掴めそうになっていた。

 知り合いのいない後輩たちの卒業展で、とうとうオリジナル小説が書けると思った。大学卒業時にはすでにおぼろげな設定ができていて、毎年、今年こそは書こうと思っている作品。題名とラストの一文だけ、はっきりと決まっている。
 題は『いつかのレモンイエロー』。隣にいた友人に、また一緒に小説を書かないかと声をかけた。
 4万字の小説。設定を考えて執筆して、たっぷり6ヶ月は掛かったが、私には短すぎたように思う。掴みかけた小説との距離を見誤ったりしかけたけれど、なんとか書き上げた。執筆は大学の時ほど苦痛ではなくなっていて、私にはそれが嬉しい。
 決めていたラストの一文は、どうしたって主人公が言いそうにない台詞で没にしている。最初に出てきたアイデアは、いつの間にか世界観にそぐわなくなって弾かれることが多い。例えば、たくさんの鳥籠が両脇にある、古い町屋の通りの夕焼け……。それが今回は一つの文章だった。

 私の頭でストックできる物語は2,3本しかなく、ここ数年はそれが動かなかった。できた空白に新しい物語が生まれるのかもしれないし、今あるストックを書き終えたあと、何も書かなくなるのかもしれない。どちらも幸福であればよいと思う。とにかく、私は書ききった。
 主人公のために用意していた一文が、題となって私のものになるとは思わなかった。




ありがとうございました。

 『悪天を裂く』『いつかのレモンイエロー』各7冊 計14冊購入していだたきました。やったー!
 
記念すべき1冊目は私が不在の時に旅立っていったので実感がありませんが、2冊目、つまり私の目の前で一冊売れてからはなんかもう……帰ってもいいかも。みたいな満足感がありました。じわじわ来る幸せ。在庫そのまま家に持って帰るものだと思ってたから……
 悪天は8冊、レモンは9冊販売用に持っていったので、大量に在庫が余ったわけではないが完売していない、いい結果になったのではないでしょうか。
 フリーペーパーは余りました。おまけにtwitterのアカウント名間違っていたし。「Twitterあります?」って聞いてくださった方に「フリーペーパーに書いてあります!」って言っちゃったけど、ね。奥付を……奥付を見て私にたどり着いてください……。
 でも当初予定していた枚数である2,30枚は全部捌けたので良し。ミスって刷り過ぎていたので、余ったのは当然でしょう。

 何十冊売れたという言葉に羨ましく思う心もありますが、それは物理的にも不可能だし比べるものでもないし、と思いつつ次回京都に現れようと思います。(待って合計14冊だから10冊以上売れてるよ~すごくない?)

文学フリマ京都

【文学フリマ京都8に出店します!】

🗓1/14(日) 11:00〜16:00開催!

📍京都市勧業館「みやこめっせ」1F 第二展示場B・C・D

✅入場無料

📘文学フリマとは?→https://bunfree.net/attend/

📕イベント詳細→ https://bunfree.net/event/kyoto08/ #文学フリマ京都

ブース名【時雨文庫】

 橘水海さんが、間に合えば自分の好きを前面に出した薄い本を出すかも、とのことです。今回『悪天を裂く』が刺さった人はぜひ京都へ。近くに図書館や平安神宮、美術館もあっていいところです。
 私は無鄰菴のお庭を眺めるのが好きです。今は予約する必要があるそうですが、入場だけなら無料ですのでぜひ。会場のみやこめっせから徒歩約9分です。

 大阪で出した本二冊がメインなのは変わらないと思います。刷りなおすのですが、新たにカバー付けるかどうするかなど、考え中です。

#文学フリマで買った本

 詰んだ本じゃなくて買ったばかりの新鮮な本しか読めないので、かなり厳選して購入いたしました。

 読まないのは申し訳ないし、読んだからには感想を伝えたい。

感想

 ここから先は当日の脈絡もない感想を呟いていきます。
 次回に向けて、私宛のメモの役割もありますのでここで終えていただいて問題ないと思います。明け透けに書いてますし……。
 ですので、お読みいただきありがとうございました。



・#文学フリマで買った本 にぜんぜん私の本がない
 (欲)
『悪天を裂く』は見かけました。販売した半数以上は見つけたかな。両方買ったよって方の投稿も。ありがとうございます。ただ、『いつかのレモンイエロー』単品でお買い上げいただいた方の投稿が見つからない! 同じ冊数捌けたはずなのに! 私の本が写ってる写真が見たい! 単に見逃してるだけかも! 欲深くてごめんね!
 予想どおり二冊買っていただいた方より一冊ずつ買っていただいた方が多かったです。客層の差を感じなかったのですが、変なところで差があるのを見ると、ちゃんと層が違ったのでしょう。

 それはそうと、タグで私たちの本が移ってるとめちゃくちゃ嬉しいですね。だからって絶対に上げろとは言わない。好みばれちゃう面もあるし、上げる場所を持ってなかったり、そういう行動がそもそも嫌いだったり。
 必ず読めとも言わないけど、大事にしてくれたら嬉しい……

・結局自分の客層とは
 どの世代のどんな人に向けて書くか。これが昔からわからなかったのです。宣伝方法を見ても、客層が好みそうなデザインを! と書いてたりするけど私の客層とは?
 なので、こちらから誰に向けて書くかを考えるより、買ってくれた人から逆算しようと企んでいました。今回お買い上げいただいた方を見ればわかるかなと思ったのですが、ばらけていた印象です。メモしたので個人的に考察はする予定。

・人違いした
 めっっっちゃ知り合いに似ている方がいらっしゃったんです。大学の同級生で、ここ数年会ってない方。背格好も仕草も記憶とそっくりで、知合いですか? とおそるおそる聞いたところ知らないと言われました。本当にごめんなさい。でもお買い上げいただきありがとうございます。

・もしかしたらブース位置悪かったかも
 ・一般来場者数4千人超えとのことでしたが、体感もっと少なかった
 ・4時台、隣の方が「出口の方は人がいるけど……」と会話していらした。入口ー出口の導線上にブースがなかった。
 ・通路の真ん中にある柱のせいで、ブース前の道が数メートルあった
 あたりからの考察。別のブース間の道が狭くて驚きました。が、売れた冊数的に、弊ブースにとってはいい塩梅だったかも。全体的にのんびりしていてよかった。
 しかし、スペースBの会場奥に配置された所、かなり厳しかったんじゃないかなと思いました。運ですね。

・目を惹くブース、表紙とは
 勉強のために巡ったりしたのですが、わからずじまいでした。内容(キャッチコピーやあらすじではなく本文)の方が気になって。本でジャケ買いしたのが過去数冊のみ、というのもあるかも。
 でも、布があって什器がしっかりしていると本への信頼度が上がると感じました。ここまで用意できる人の本だ、って。
 表紙はwebカタログの話になりますが、青色が好きなので青に目が行きました。青色は多く使われていた印象なので下手にやると埋もれるかも。でも、青好きだし青い本作ってみたい。
 そして、レモンイエローの表紙、もっと色がはっきりしていてもよかったかなって。逆光を描きたかったのですが、明度差をつけるの難しい。マットPPにしたのも影響あったりするのでしょうか? 原色でない鮮やかな黄色は光に飛びますね。

ちなみに弊ブース。ゴチャァ


将来の自分が確認しに来るでしょう

・宣伝効果があった!
 私がほとんど宣伝見ずに参加したため、効果があるか不安でした。が、snsとnoteで気になってと言ってくださった方が2名も! 一人はtwitterでそう言ってくださったので、会場で言ってくださった方と同一人物だったりして。二人いらっしゃったとすると、二人とも両方買ってくださったのでとても嬉しい。あなた様のおかげで少なくとも4/14は宣伝効果があったと証明できました。snsで見かけた本だから、じゃなくてsnsで見かけて気になって、と言われて嬉しい。
 あと、フリーペーパーをお渡しした方が一直線に戻ってこられてレモンイエロー買ってくださったのも嬉しかった! 無用配布は購買に繋がらない、との文章をよく見ていたのでびっくり。ショートショートをメインに、宣伝を載せていなかったのでよけいに。お声がけできなかったので、実際の理由は不明ですが。

・どうしてこんなに売れたのか、正直わからない
 初出店で、知り合いが買ってくれたわけでもなく、snsで誰とも繋がっていない状況からスタートしてよくこんなに売れたなと。結局sns上の繋がりもほとんど作らなかったので横の繋がりで買ってくださった方もおらず、過去作もほとんど世に出していないのに。
 購入理由聞けたらよかったのでしょうが、お話難しい。
 ぱっと見で技量がわからない小説だったからでしょうか。宣伝や表紙デザインがよかった?
 毎回出られてるのですか? と一度聞かれたので、こなれてる感があったのかもしれない。

 といっても始まらないので考察。
 ・ポスターがよかった可能性
  写真だと小さく見えるし前面に置いたフリーペーパー用のポップに重なっているなど物置きすぎ感ありますが。
  見にくい下には本文の引用。題名は主張したところで意味がないと判断したので控えめに。目印になるであろう表紙、ブース番号は見やすい位置に。
  ジャンル(青春・サスペンス)と一言あらすじのようなキャッチコピーも目立つ上に置いて、遠目でも内容がわかりやすいように。イベント感想を読んでいると、ジャンルと内容の想像ができる方が良さそうだったので参考にしました。特に知名度も知人もいないので、題名作者名より内容! 皆さんの感想を読んで、よかったことを参考にし、悪かったことは改善して(次回こうしよう、と書いている方も多い)可能な範囲で参考にするといいのかも。
  何回かnoteで触れているようにテイストがかなり違う二冊なので、どちらが好みかぱっとわかりやすいようになっていたのではないかと思います。
  ゆえに、
  遠目でどちらが好きかをポスターで判断する→(おしながきを読む)→気になる方を手に取ってあらすじや内容の確認→購入するしない
  の流れができていたような。
 ・宣伝
  私が、宣伝するの好きらしいと発見できてよかった。自己理解。
  同じのをコピペしないようにしていました。それでもシャドバンされましたが……。これも、先人の知恵をお借りしていろいろしました。
  多分うるさくない程度に宣伝して、気になる方に見つかれ! そんな願いが込められています。
  サンプルを読んでもらうのが一番難しい印象。(インプレッションで、画像のタップ回数が多くなかった)本好きが集まるイベントとはいえ娯楽が多い&短文が続くtwitterの短文を読んでいる最中の方々に長文読んでもらうの難しいなって感じです。
 ・webカタログ
  なるべく早めに登録したのと、検索に引っかかるよう、店舗紹介に題名・作家名・あらすじの全部を詰め込みました。
  意味がなかった気もするけど、フリーペーパー用の作品紹介ページも作りました。刷り過ぎたので。急遽イラストを用意して、notimage画像は極力作らないようにして何の紹介をしているのかわかりやすいように……
  試し読みへリンクを繋げたかったのですが、サイトないし……と思ってたんですけど今思えばnoteに誘導してもよかったのでは? 覚えてたら次やろ
  ・中身が最高によかった
   かは知らないけどそういうことにしておきましょ。私史上最高にめちゃくちゃ良かった。たぶん。少なくともこれまでで一番長い作品だしね、ね。うん。

・お隣さんがフリーペーパーの交換してくださったの嬉しかった
 私がブースを巡っている最中に撤収されたので、お別れの挨拶言えなくてすみません。相方の橘はわかりませんが、ネット上で友達を作るのが苦手で宣伝垢ではフォローもしていないのですが、これくらいの塩梅がちょうどいいなと思いました。

・案外座ってられる
 暇になるだろうから会場徘徊しまくろ〜と考えていたのですが、穏やか〜にぽけーとしてたら4時とか5時。せっかくなら見本誌コーナー隅々の他に会場も隅々見れたらよかった。
 道行く人にお声がけするよりぼぅっとしている接客スタイル? の方が性に合ってますね。

・宣伝垢のシャドバンが直らない
 避難先のアカウント、雑多垢だから宣伝に使いたくないのに~
 直らない。助けて。

 直ったよぉ~


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