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リーダーシップ往復書簡 059

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。

本稿では、リーダーの代表格である政治家が行う利害関係の調整について記載をしたいと思います。

政治家は、法律を作ることなどを通じて、実質的には利害関係の調整を行うのが仕事です。突き詰めると、政治とは、利害関係の調整なのです。

それでは政治家は、どのように利害関係の調整を行うのでしょうか。

政治家は、自分の影響力を拡大するためにも、一つでも多くの利害関係の調整役を買って出ます(多くの場合、政治家本人ではなく、秘書がその役割を担っていることが多いです。)。

政治家の多くは利害関係の調整を行う際に、相談に来た依頼者である利害関係人の目の前で、直接相手側に連絡をして問題解決を図ります。これを通じて、問題解決を図るだけでなく、依頼人に対して、力の誇示をするのです。

そして、利害関係の調整を行った場合、多くの場合、それにかかる直接的な見返りを求めないものの、その「貸し」を通じて、その依頼者に対して、長期間にわたり影響力を行使するのです。

政治家は、多数の利害関係の調整を通じて、多くの関係者との間で「貸し」・「借り」の関係性を構築します。

この関係性によって、合理的に考えると、その問題だけでは決して解決できないような問題解決をすることができるようになります。これは市井の人には真似することのできない利害関係の調整方法です。

その結果、政治家は、一般人では想像ができないような調整力を手にしていくのです。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.59】
私は、サラリーマンをしていて、いわゆる中間管理職です。
会社を良くしたいと考えていますが、経営者はとんちんかんで、それを見て、部下はやる気を失っているように思います。
まずは何から着手すべきでしょうか?


<コメント>

まずは、明日会社に行ったら、隣の席の人で構わないので、「会社を良くしたいと考えている。」と伝えるべきだと思います。

リーダーシップの第一歩は、世のため人のため、組織のため誰かのために、「より良くしたい」と伝えるところからです。

具体的な施策の各論になれば意見の相違があるかもしれませんが、少なくとも、その純粋な想いは共感されることはあっても、誰も否定することができないと思います。

「より良くしたい」という話を表に出して伝えれば、「それでは、より良くするためには、具体的にどうすればいいのか?」という話が動き始めます。
多くの場合、「人は性善なれど弱し」で、言い出しっぺになるのは嫌ですし、初めの一歩が重いものです。

まずは、そこのリスクを、リーダーシップを発揮して、誰かの代わりに抱えてあげましょう。本来ならばちょっと考えれば分かるものですが、この程度のリスクはあるとはいえないようなものです。

もはや歴史・伝説と言っても過言ではありませんが、インドのガンジーの塩の行進や公民権運動のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのワシントン大行進も、行進の最初は、小さな一歩です。

ぜひとも質問者の方も、リーダーシップを発揮して、まずは一歩を踏み出してもらいたいと思います。



※この記事は、2020年11月16日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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