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リーダーシップ往復書簡 058

前回に引き続き、リーダーが身に着けなければならないスキルである利害関係の調整について共に考えたいと思います。

本稿では、具体的な利害関係の調整の方法について記載をしたいと思います。

なお、利害関係の調整は、案件ごとに全く違う内容・違う当事者のため、この場合にはこの対応といった正解のない世界です。また、報酬を得る目的で、法的な紛争に関して他人と交渉をしたり法律相談に応じたりすることは非弁行為となり違法行為なので注意が必要です。

以前も記載をしてきましたが利害関係の調整は、裁判ではありませんので手続きや証拠うんぬんよりも、当事者の納得度が大事になってきます。

そのため、まずはリーダーの正義や倫理観に基づいて、利害関係の調整が必要な当事者たちの主張を整理し、インテリジェンスに基づき正確に状況把握し、落としどころのイメージを掴むことが効率良いやり方だと思います。

将来の利害の調整であれば、利害関係が一致しない当事者2名の希望の間を取るという調整方法が一般的です。2名が、冷静で合理的なプレイヤーの場合は、この方法で調整がつく可能性が高いでしょう。

既に当事者間でいざこざになっていて、そのうえで、将来の利害の調整が必要な場合であれば、過去のいざこざに対して評価し調整する必要があります。

明かに暴走している当事者については、あえて正論だけで対処するのもまとめる利害関係の調整のコツです。

パワハラやDVなどと同じで感情的に暴走している人は自制が利かなくなっていて止まれなくなっている可能性があります。その場合は、中途半端な調整ではまとまらない可能性があり、目を覚まさせる必要があります。その場合は、ペナルティを示唆したり、脅したりするなど厳しく対処することも視野に入れなければなりません。

日本は村社会だからか、最初にドンと厳しい交渉をしてから落としどころを見つける交渉スタイルの人はあまり多くなく、優れたリーダーの中には、このようなまとめ方に慣れている方もいます。

あと、本当に筋が悪い場合以外は、利害関係人の当事者のメンツを保てるように配慮するなど、調整上手な方は様々なテクニックを持っていると思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.58】
私もリーダーシップの考え方にとても共感していますが、どのように社内に、この考え方を広めていけばいいでしょうか?


<コメント>

以前から本連載でも紹介していますが、「リーダーはリーダーを育てる」という格言があります。

そのため、一番はご質問者の方が、自らリーダーとなって、リーダーシップを実践するのが良いと思います。

リーダーシップを実践する過程で、ご質問者と行動を共にした人は将来、立派なリーダーになると思いますし、リーダーシップの力を知る機会を得ることになると思います。

もちろん、リーダーシップの実践の後は言語化する努力も必要だと思います。私もリーダーの端くれとして、このような連載をするなどして、少しでも多くの人にリーダーシップを学んで欲しいと思い、自身の体験を元にリーダーシップの言語化を目指しています。

今の時代ですので、座学で、リーダーシップを学ぶことも大事なことではないかと思います。

科学的なデータは把握していませんが、私は、座学でもリーダーシップの勉強をした人のほうが、全くリーダーシップを勉強していない人よりも、実際にもリーダーシップを発揮できるような気がしています。



※この記事は、2020年11月8日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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