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リーダーシップ往復書簡 002

おかげさまで「リーダーシップ往復書簡」ですが、第2回目を迎えることができました。

いくつか手元にリーダーシップに関する質問がたまっておりますので、しばらくはちゃんと不定期連載ながら、継続連載できそうです。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.2】
リーダーシップを発揮しているように見える。しかし、売上は上がらず組織は疲弊している(それどころか不正に近しい事象を隠す)。
これでもリーダーシップを発揮していると言えるのか?
影響力を持って人を動かすことは、方向性を間違うと危険なのではないか?


<コメント>

ご質問に回答すると、これではリーダーシップを正しく発揮しているとは評価できないと思います。

「影響力を持って人を動かす」を正確に定義しなければならないと思います。

一般的に、もし会社で社長から指示をされればサラリーマンは動く(指示に従う)と思います。この事例を使って、なぜサラリーマンが動くのか、動く理由に着目して、ご説明をしたいと思います。

この時、サラリーマンは、社長が持つ組織の指示命令系統上の制度的権限など「パワー」による影響力で動いているかもしれません。社長という組織上、最上位の地位にある人が言っているから、自分も”組織人”として指示に従わなければならないという考えです。

それとも、社長が持つ夢や社長に対する共感などの影響力で動いているのかもしれません。こちらは地位や組織は一切関係なく、一人の人間として、協力したい・動きたいという考えです。

私は、後者の影響力のことを、リーダーシップと表現しています。

ご質問の会社は、売上は上がらず、組織は疲労し、さらには、不正に近い事象まで隠されているとあります。その会社のリーダーが、私が先ほど定義したリーダーシップが発揮できているとは思えません。

読者の皆さんもご経験があるかもしれませんが、夢や共感の力で人が動いている時は、個人も主体性を持っているため日々を前向きに感じられ、組織にも活力が生まれ、不正が生まれるような余地はないものです。

また、ご質問の中で、発揮されているように見えているリーダーシップとは何かというと、「パワー」に基づく影響力が大きいのではないかと思います。

拙いながらも、私の経験則では、リーダーシップに基づく影響力を正しく行使できない人は、どうにか「人を動かしたい」と焦るからか、ますます「パワー」に基づく影響力に頼る人が多いと思います。

なお、私は、ビジネスシーンにおいては、影響力を大別して、「パワー」に基づく影響力とリーダーシップに基づく影響力としていますが、他にも心理学を悪用したマインド・コントロールやプロパガンダのような影響力もあると思います。

また、私は「パワー」に基づく影響力の行使を全て否定するものではありません。但し、その「パワー」に基づく影響力の行使には、行使するリーダーの人としての正しさ、また、行使時には細心の注意が必要だと考えています。

【ご参考】
リーダーと考える経営の現場・第2回 リーダーシップに立場は関係ない



※この記事は、2019年8月19日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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