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2月8日(火)

7時すぎ起床。きょう寒い曇り空が広がっている。

昨夜、ネットフリックス「ジョン・デロリアン:世界を魅了した伝説の男」観る。
ここ10年ほど前から車中泊ができる車には関心を持ちはじめたが、元来が車好きというわけでもないから、伝説の名車のことも知らなかった。映画「バック・ツー・ザ・フューチャー」にその車がタイムマシンに改造されて登場しても、映画用に作った車かと思っていたほどだ。
極貧の幼年期からGMの重役に。時代の寵児となってハリウッドの女優と浮名を流し、GMをクビになると夢だった自動車メーカーを設立、伝説のスポーツカーを開発する。しかし、その裏では乱脈経営による破綻がとめどなく広がっていく。
美人妻を持ち、家族恵まれて華麗な人生を謳歌するが、絵に描いたような人生は、しょせん絵に描いた人生。転落は時間の問題だったが、麻薬密売に手を出しての破綻は予想外だった。現実は小説より奇なりだが、その奇なる人生はまた安物の推理小説のようでもあった。
それにしても、伝説の男デロリアンが逮捕されたのは80年代の初頭だったはずで、こちとらは広告制作会社をやめて、というか宮仕えすることをよしてフリーランスのコピーライターになったころ。それなりのオトナだったわけで、世紀のスキャンダルがまったく記憶になかったのが不思議ではある。下半身の欲だけはデロリアン同様にあったから、異次元の世界のセレブがトンマこいて失脚しようが別世界のこと。飲み屋のカウンターの娘っ子に秋波送るのに忙しかったのだろう。
これもネットフリックスで見たはずだが、ビートルズの後援会をまとめていた女性が、メンバーの人間的な魅力に惹かれながらも、いな、だからこそかれらが得た富と名声に同情に近い憐憫を覚えたと告白していたのを思い出した。かの女が回想録執筆の依頼をすべて断って、市井の生活にもどっていった姿が印象的だった。

午前中は万葉集の自習時間。スピリチャル万葉集に投稿予定の2首目の解釈を読み直す。かなりの時間をかけて読み解いたつもりだったが、ある句の表現が突然語りかけてきた。
「おいい、またかよ」だ。
それがきっかけになって、歌のイメージがぐんと骨太に立ち上がってきて、また書き直し。
「万葉集は奥が深い」なんて、いまさら感嘆してみるのも滑稽だが、香具山の向こうにまだまだ深淵な世界が広がっていることをきょうも痛感することになった。
もしや、とんでもない作業をはじめてしまったのではないか、といささか不安になる。

午後からはドリームフィールドでの写真のうち、動物と昆虫関係のものをハードディスクに移し替える。

3時から古い女のひとをリハビリに送迎。待ち時間に移動書斎でネットフリックス「トランプ アメリカン・ドリーム」を携帯で観る。
5時前に帰宅しローリング・ストーンズをBGMに雑務の片づけ。いい機会なのでストーンズをきちんと聴いてみることにする。

夜はビル・エバンスを聴きながらデータの整理。
寝る前に焼酎の湯割り。「トランプ アメリカン・ドリーム」つづきを観る。

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