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子どもの定期予防接種は受けるべきか?

来年、第一子が誕生する予定の佐玖です。そんな時期なので、育児の準備とか、いろいろ考えるようになった今日この頃です。本記事では、子どもが受ける定期予防接種について考えていこうと思います。

小児医療のことを調べると、定期予防接種と位置付けられたワクチン接種が驚くほどたくさん予定されていることに驚きました。

かつて、予防接種は当然受けるべきもの、と私自身考えていました。小学校の頃も、促されるままに嫌な注射をすべて受けてきた記憶があります。しかし、昨年からの新型コロナパンデミックに対する、ワクチンの在り方を目の当たりにし、医療や行政の指示に従うことが果たして正しいのか、ということ自体に疑問が生じてきました。

以下は、KNOW VPDに掲載されている小児の予防接種スケジュールです。

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1歳までに9種類、2歳までに13種類もの疾病に対する予防接種を受けることになっています。

予め明記しておきますが、かつて義務とされていた定期予防接種は、種々のワクチンで様々な問題がおきた結果を受け、現在では努力義務に変わっています。

努力義務は「~するよう努めること」を求めることであって、「しなければならない」わけではありません。つまり、現在の予防接種は、接種の是非を自己責任で各自判断する任意接種である、という前提を理解しておく必要があります。

そして、ワクチンの意義については、調べれば調べるほど、疑念が深くなってきたところです。

やはり、リスクとベネフィットを自分自身で理解し、「医者がいうから」「保健所がいうから」という他人の判断・指示ではなく、自身の確固たる判断を持って、打つ/打たないを決めていくことが大事だと感じました。

今後、何回かに分けて予防接種テーマの記事を書きたいと思いますが、今回は総論として、【世のなかでは予防接種が当然必要と考えられているが本当にそうか】という点を掘り下げてみようと思います。

予防接種についての通論

いろいろ書籍やメディアの記事等をあたってみると、予防接種を受けるべきという論の理由については、大体以下のような要旨になると考えられます。

【1】リスクとベネフィットを比較すると、ベネフィットが圧倒的に高い
ここでいうリスクとは、ワクチン接種の副反応が起きるリスクを指します。ベネフィットは、対象の疾病に罹患するリスクを抑える効果を指します。ワクチンには副反応の恐れがありますが、感染症予防効果という利点の方が圧倒的に大きいということです。

【2】社会防衛性のために予防接種すべきである
社会全体で感染症を予防する観点で、【自分自身が予防接種を受けないのは勝手だが、そのことによって病気にかかった場合、他の人にうつしてしまう危険性がある】という論です。加えて、【人によっては先天性の免疫不全等の理由で、予防接種を受けられない人もいるので、そういう人を守るためにも、接種可能な人は予防接種すべき】ともいわれています。

こういうふうに言われれば、うーんなるほど、やっぱりせ接種しないといけないのかなという気持ちにもなりますが、どうなんでしょうか。順番に掘り下げていこうと思います。

【1】リスクとベネフィットについて

通論では、リスクよりベネフィットが圧倒的に高いとされています。

しかし、掘り下げてみると、そのリスクとベネフィットの見積は本当に適切か、疑問が残ります。

リスクは本当に低いのか

すべてのワクチンで、重篤な副反応が表れる例(酷いものでは死亡する例)というものが一定数存在しています。しかし予防接種推進論では、副反応発生率は非常に低く、ワクチンによる予防によって救える人の数の方が圧倒的に多い、と主張しています。

しかし、その「リスク」の見積は誤っているかもしれません。2021年9月21日のDIAMOND onlineに掲載された記事は、かなり示唆に富んでいると思います。

私も厚生労働省の公表資料をあたりましたが、基本的にアナフィラキシー以外の症例で、ワクチンと副反応の因果関係が証明できたケースというものは存在しません。これは因果関係がないことを意味するのではなく、判断材料が足りないことによるものです。

実際に何百件、何千件という死亡例があり、中には接種当日や翌日に死亡した事例もあります(健康な方の突然死)が、そういう事例でも、現代科学にはワクチンとの因果関係を正確に評価する能力がないのです。

例えば、新型コロナワクチンで問題が取りざたされる血栓症や心筋炎といった副反応もアナフィラキシーとは別物であり、因果関係は目下調査中です。

こういう記事(東京新聞2021年10月25日)もあります。

この記事によると、厚生労働省副反応検討部会の委員からは、アナフィラキシー以外の副反応の因果関係の究明について、

現代医学の限界についても(国民に)理解いただく必要がある」
「因果関係の解明を待っていては病気が広がる。ワクチンの利益と副反応のバランスに専門家は常に悩んでいる

というコメントが出されています。

こんなコメントが厚生労働省の部会で出ているんですが、本当にリスクに対する圧倒的なベネフィットがあるといえるのでしょうか。

先のDIAMONDの記事では法医学者が、因果関係の有無を明確にするには、しっかりとした統計データの蓄積が必要、という趣旨のコメントをしています。

ということは、因果関係の証明には統計データの蓄積、即ち統計的な評価が可能になるような十分な母数の副反応(死亡を含む)事例を蓄積できなければなりません。そのデータとは、私たち国民の何千人かが、今後、副反応(と疑われる症状)で被害にあい、あるいは、死亡することでのみ蓄積するデータです。

私たちは、その大きさの分からないリスクにさらされ続けていることになります。

一応断っておくと、DIAMONDと東京新聞の記事は、新型コロナワクチンについてのものであり、一般の予防接種についてのものではありません。新型コロナワクチンは、mRNAワクチンというこれまで実用化されたことのないタイプのワクチンのため、従来の予防接種のワクチンとはリスクのレベルが違うと思います。恐らく、従来の予防接種のワクチンには、そこまでのリスクはないとは考えられます。

しかし、アナフィラキシー以外の副反応については、因果関係の解明は進んでいない、という問題点自体はどのワクチンでも同じです。

ベネフィットは本当に圧倒的に高いのか

大抵のワクチンは、プラセボ群との比較実験によって、感染者数が激減しており、「95%以上の予防効果」のような形で、予防効果が立証されています。

しかし、予防する病気の種類については、よく知っておく必要があると思います。

例えば、こんな病気の予防接種は必要なのでしょうか。

よほどの栄養失調状態でない限り発症する恐れがなく、発症しても抗生物質で対処可能なジフテリアは、本当に予防が必要か。
国内で根絶された病気であり、感染力が低く、深刻視される急性灰白髄炎を発症する確率は感染者のうちの0.5%、というポリオは、本当に予防が必要か。
感染力が強く予防の必要性が強調されているものの、罹患者の約半数は接種履歴があったというデータのある、はしかワクチンは、本当に圧倒的ベネフィットがあるのか。
細菌性髄膜炎の発症が恐れられるものの、元々、病原は常在菌(常にその辺に存在する菌)であり、免疫の低い0歳児での感染を回避できれば、問題なく自然と免疫が身につくとされる、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンは本当に必要か。
(病原菌の多い、人ごみや病院の環境に不用意に0歳児を晒さないことの方が重要といえないか。)

このように、予防接種の種類によっては、期待するほどのベネフィットがないものもあります。自らの判断なしに「定期予防接種だから」という理由だけで、接種していいのか、疑問の余地があるのが実態と思えます。

【2】予防接種の社会防衛性について

こういう考え方は、確かに筋が通っているように思えます。しかし、社会のために各個人はリスクを覚悟しろ、という感じの論でもあります。副作用の危険を冒してまで、やらなければならないものなのでしょうか。

そのように言い切れないから、政府は予防接種を義務から努力義務に変更したのではないでしょうか。そして、【1】で示したように、思ったよりも予防接種のリスクは大きく、ベネフィットは小さい可能性があります。

もう一つ言うならば、近年、麻疹や風疹に関して、成人年齢層での流行が社会問題化しました。これをもって、予防のためのワクチン接種を強調する向きもあります。しかし、一方で、感染後、自然治癒によって獲得した免疫が一生続くのに対し、ワクチンでの獲得免疫は、10~20年程度とされています。これは、厚生省も認めている事実です。

かつては、幼少期に罹患し、一生ものの免疫を獲得していたものが、予防接種によって、時限付きの免疫を獲得することとなり、効果期限の切れた年齢で流行する、ということが起こっている可能性があります。幼少期よりも、成人の方が確実に活動範囲は広く、感染拡大の要因になります。

このケースでは、予防接種がむしろ社会防衛に対し、マイナスに働いているとも考えられないでしょうか。

終わりに

予防接種の対象となる感染症は、多数あり、それぞれの疾病によってリスク・ベネフィットの状況は異なります。ひとまとめに予防接種は必要/不要と論じることはできません。

何を目的としたワクチンか、リスクはどの程度か、接種以外の予防方法/対処方法はあるのか、という点を、可能な限り情報を集め、判断することが大事ではないかと思います。

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