作品鑑賞《聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと》百瀬文

25分ほどの映像作品《聞こえない木下さんに聞いたいくつかのこと》(百瀬文)を鑑賞した。

耳の聞こえない木下さんに、百瀬さんがインタビューを行う形式の映像作品。声をテーマに話が進んでいた。途中入場できない作品だったけど、見終わったら納得。途中で見たら面白さが全く伝わらないねと思った。

ここからは作品の内容がわかってしまうかもしれない。だけど私は感想を述べたいので書きます。

全く音の聞こえない状態ってどんな状態か、インタビューを通してみてるこっちも探っている感覚になる。話している口の形から言葉を推測して、文脈からも何を話しているのか想像して、会話をしたり、自分の発する声は振動でしか感じることができないでいたり、耳が聞こえる者からすれば、本当に想像が難しい世界だと思う。

口の形だけで何の言葉を発してるのか難しい場合があるという話になって、百瀬さんが口の形はそうだけど、その口の形で発している音が違っていて、全く別の話をしていたらとか、口の形だけで言葉を判断することの不安定さを話しはじめてからは聞いてるこっちも怖かった。

そして木下さんの感じている感覚はどんなだろう、音が聞こえないってどういう世界が広がってるんだろうと考えていたら、作品に置いていかれそうになった。
何回もみることができたら考えが深められる作品だと思った。

聞こえること、聞こえないこと、声、声を発する時の口の形、それを使ってすごく上手に遊んでいるようにみえて、好きな作品です。

とんちにわ〜

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