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【自作曲】S-1神プリセットが仕上げてくれた4曲目

このところシンセ熱が高まってて、曲作りの日々が続いてる。ちょうど1週間前と2週間前に一曲ずつ仕上げたから去年作った一曲と合わせてレパートリーが合計3曲になった。ただ、いわゆるEPはだいたい各面2曲の4曲収録だし、なんとなくもう1曲あったほうが収まりがいいような気がしてきて、先週1週間かけてもう1曲だけ作ってみることにした。

ただ、いざ始めてみるとなかなか上手く進まない。。。そりゃそうだよね。前回はたまたま神が降りてきたから立て続けに3曲目が簡単に作れただけで、神様だってそんなに暇じゃない。曲のイメージのおぼろげはわりと早い段階で出来たんだけど、仕上げるまでの試行錯誤で結構苦労した。

この週末も朝からいろいろシンセいじって試しながら、ようやくなんとなく形になったので録音。相変わらずの一発録音でだいぶ荒さはあるけど、まぁ一応は納得できる完成度。というわけで、今日はまたその自作曲について書こう。


今回のテーマ(インスパイア元)と構成図

分かる人はすぐに分かると思うけど、今回作った曲の元ネタというかインスパイア元はフランキー・ナックルズの有名曲The Whistle Song。

フルートの音色が昔から好きで、Lo-Fi12購入当初からプリセットされてる低ビットなサンプリング音源のフルートを使った曲を作りたいと思ってたんだよね。

いつものように構成図を書くとこんな感じ。

いろいろ試行錯誤して最終的に落ち着いた今回の構成

今まで曲作りでは使ってこなかったアイテムとしてはJX-03(ローランドの80年代シンセJX-3Pの復刻版ガジェット)くらい。今回単音でメインのループを担当してるのがこのJX-03で、オリジナルのJX-3Pにも入ってるプリセット音源のStr2をほとんどそのままリバーブだけ噛ませて使ってる。

Lo-Fi12がチェイン再生中もトラックミュート出来ればLo-Fi12に入ってるストリングスを使ってもよかったんだけれど、そういう使い方はできない仕様みたいだから、今回はJX-03で代用してみた。もともとJX-3PもオプションのPG-200がなければ音作りがしにくかったみたいだから、当時もこうやってプリセットほぼそのまま使ってるパターンってあるんじゃないかと思ってさ(笑)

曲作りの具体的な方法

具体的な曲の作り方的には、前に書いたやり方とほぼ一緒。

最初にJ-6を使ってメインのループというかコード進行みたいなものを考えて、それが出来たら簡単な四つ打ちに合わせながら流しつつ、その上に乗せるメロディーを探る超アナログな作り方。

相変わらず曲作りの勉強はしてないから、なんとなく適当に弾いてみて、気持ち良い流れになったら採用みたいな感覚重視の曲作りだ。

今回はコードの次にLo-Fi12を使った大サビのフルートのフレーズが出来た。適当にいろいろ弾いてるうちにフルート音色をシンコペーションっぽく弾いてみたら気持ちよかったからさ。その次に作ったのがJX-03の主旋律。boutiqueのシーケンサーは微妙だから、これもシーケンス自体はLo-Fi12で組んでる。

ここまでは比較的順調に進むことが出来たんだけど、今回苦労したのはこの後。いい感じのフルートのメロディとコード進行と主旋律が早々に出来たから、ループを組んでそのまま流してれば気持ちいいんだけど、これだけだと展開がなくて1曲として成立させることが出来ないんだよね。

ほとんどビートだけみたいなミニマルだったら、ガシガシとループを刻むだけでもいいんだけど、僕の作ってる曲ってそういうタイプともまた違うからさ。ただ、ハードシーケンサーの打ち込み可能ステップ数と音の抜き差しだけで展開を作るのはなかなかしんどくて、今回はかなり苦戦した。。。

神はいつも突如降臨する

とりあえずS-1でベースラインっぽいものを打ち込んでみたらそこそこ悪くない雰囲気にはなったんだけど、それだけだと展開をつけるって意味ではちょっと弱い。そこでもう一つ音を重ねて和音でカウンターメロディっぽくしてしみたら、わりとうまくハマった。8小節のループ。うん、良い感じだ。

ただS-1は一つのパターンが最大64ステップだから、16分音符で8小節のループを組もうと思うと二つのパターンを使う必要がある。しかもチェイン再生機能はないっぽいから二つのパターンを手動で切り替えなきゃいけない。

で、パターン2-1と2-2に打ち込んだものを手動で切り替えながら、いろいろ流れを考えてみてたんだけど、あるとき操作ミスがきっかけで突如プリセットのパターン1-16が鳴った。

あれ?このビリヤードの球を打ったみたいなループ、めちゃくちゃカッコよくない??

一拍目じゃなくて裏から入るのもいい感じだし、なにより全体の曲調にめちゃくちゃマッチしてた。ループ自体は16ステップだけど32ステップで回せば1小節おきにこの音が入る形になってさらに良い感じ。これは使うしかない!

今回、神様が降りてきた瞬間だった。

仕上げの全体調整

ただ、これを使うとさっき考えた和音リードが使えなくなってしまうんだよね。。。そこで悩んだ結果、Volca FM2で同じフレーズを鳴らすことにした。ちょっと打ち込みが大変だけど最大256ステップまで組めるしさ。

なので今回のベース?の和音はアナログっぽい音色だけど実はVolca FM2。僕はFMの音作りは出来ないから、これもプリセット音源だ。

ようやく全体の道筋が見えたので、最後にリズムの四つ打ちを良い感じに整えた後、リアルタイムで曲を流しながら音の抜き差しをいろいろと試していき、納得いったところでやっと最終形が完成。

ザラっとした質感の録音

ちなみに録音は最初に書いたように一発録音。原因がよく分からないんだけど、TR-8が突然暴走していきなり1ステップだけ音が異常に大きくなったりすることがある。

今回の録音でもその挙動は見られて突然音が大きくなるところが何か所かあるんだけど、そのあたりの荒さもある意味ビンテージ機材っぽくて良いかなと。ステレオ2chのみでライン録音してる音質も含めて、DAWじゃこの雰囲気は絶対に出ないだろうしさ。

音量バランスの調整が上手くいかず、3回録り直すハメにはなったけどその甲斐あってなかなかに納得感のある仕上がり。

なかなかキックの音量が上がらなくて、最後ヤケクソ気味でTR-8全体のボリュームを上げたからリスニング用としてはちょっとキック強すぎだけどそれも手作り感ある味ってことで良しとしよう(笑)

まるまる1週間かけて、ようやく4曲目が出来た。

出来てしまえば往年のデトロイトテクノのスタイルながら爽快感あふれるポジティブな一曲で、これ以上ないくらい自分の趣味が詰まった感じだ。フリーソウルとテクノが好きな人が作った曲って感じがちゃんとする。曲作りにかかったのは正味10時間くらい。うん、今回もなかなか悪くないんじゃないかな。


そんなわけで今日も自作曲の楽曲データとその作り方の解説記事。

マシンライブっていうとパフォーマンス重視でミニマルなスタイルでやってる人が多いから、僕みたいな曲を作ってる人はそんなにいないような気もするけど、まぁ同じような人もあるかもだし、どこかにはニーズがあるはず(笑)

まぁ普段ミニマルやってる人も、組み合わせ方次第ではこんな曲も作ることができるという一つのサンプルとして捉えてもらっても面白いかもしれない。

僕は僕で、この4曲で一通り自分のやりたかった曲調を作った感あるから、今度は自分がこれまで作ったことないアシッドスタイルの曲なんかにも挑戦してみようかな。まぁアシッドはアシッドでこれまで以上に神が降りてくるのを待つ必要あるけどさ。

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