【自作曲】良い曲がサンプリングに向くとは限らない
先月MPC Oneを購入し、なんとなくビートメイクの真似事を始めてから約2週間ほど。
PCのMPCソフトウェアを含めてやれることが山ほどあるみたいだけれど、相変わらず説明書を読む気が起こらないので、いわゆるDAWのような使い方はまったくせず、黙々とシンプルなサンプリング(録音)とビートの打ち込みだけで曲作りを続けてる。
今週1週間かけて手持ちのレコードからネタ探しをして、ようやく一曲完成したので早速アップしておこう。
雰囲気的にはなんというか僕なりのジャジー・ヒップホップってところ。もともと90年代の東海岸ヒップホップが好きだから、自分で作るトラックは常にどこかジャズっぽいテイストがあるんだけれど、今回はピアノネタってこともあってジャズ指数は普段以上に高めかと。
Lo-fi Hiphopでよくありがちな優しい音ではなく、ちょっとビターな雰囲気を目指して仕上げてみた。
使ってるサンプルネタとその調理法
今回使ったサンプルネタは、とあるヨーロッパのミュージシャンらによる古いジャズナンバー。彼らが演奏する"Stella by Starlight"というスタンダードのピアノソロ部分からフレーズを拝借してる。
テンポとかは特にいじらずにまんま使いしてるけど、いわゆるリフとかの部分じゃないし、そもそも1小節ループだから、元ネタはそう簡単には見つからないはず。
ホントはもう1小節くらい使える部分があれば展開も付けやすかったんだけれど、あいにく他にいい感じに抜けるところが見つからず、仕方なく1小節ワンループで曲作りをすることにした。
さすがに1小節ループを延々繰り返しだと少ししんどいから、8小節目だけ冒頭1拍の4回ループを加えることで、8小節ループっぽい感じにしてるけどね。この手のジャジーヒップホップでは定番の展開で、みんな好きなやつだ。
ただ、それでもなんだか退屈だったから、実は昨日までは正直もうこのループで曲を作るのを諦めようかなと思ってた。
だけどこういうふうに良い感じに抜ける(=使える)ネタって手持ちのレコードでは意外とありそうでなかったから、せっかくのネタを捨てるのももったいないと思い、もう少しだけ足掻いてみることに。
で、いろいろ試行錯誤してるうち、エレピの音を被せて浮遊感を出すことを思いついた。ループに合わせてreface CPで適当にアルペジオっぽくコードを弾いたらそれっぽくなったので、ようやく方向性が決定。
最初はローズmk1音色を使ってたんだけど、このループだとウーリッツァー音色を合わせた方が雰囲気が出ることに気づき、今回はウーリッツァー音色を採用してる。音的には高さ違いでシンプルな和音を2つ弾いてるだけ。でも、ループも1小節だしこれくらいシンプルな方が逆にいい。
全体を通して流れる水っぽい音と雷のSE、それから後半出てくる音色はLo-Fi12のプリセット音をMPCに録音したもの。外で雨が降ってたから、なんとなくこんな音を入れてみたくなった。
いろいろな調整をしつつ展開を組んでたら結局昨日1日かかったけど、まぁそれなりには納得できる形になったかな。
サンプルネタが意外と見つからない
この曲を作るまで自宅でいろいろレコードを聴きながらネタ探しをしてたんだけど、ネタになりそうな曲ってありそうで意外とないことに気づいた。
フリーソウルとかレアグルーヴ系のレコードはそれなりに持ってるし、もっと手軽にポンポンとサンプルネタを探すことが出来るかなと思ってたんだけど、実はそんなことなかったんだよね。
特に僕の持ってる曲は歌モノが多いから、いいなと思うフレーズがあっても4小節まるごと抜こうとすると最後にボーカルが被さってきちゃったりするパターンが多い。
レアグルーヴ系なんかだとイントロ部分が綺麗に抜けるものなんかもあるけど、僕の持ってるレベルのレコードだと、そういう曲は既に誰か有名な人が使ってたりして、ちょっと使うの恥ずかしいし。。。
ヒップホップのネタにインストのジャズファンクやフュージョンがよく使われるのはこういう背景があったのかというのが今回の気づき。まぁもともと分かってたことではあるけど、自分の体験を通じて改めて実感した。
良い曲が必ずしも良いサンプルネタになるとは限らないし、逆に普段聞き逃してる曲のなかに使えるフレーズが潜んでたりする。今回のなんて正にそのパターンだしね。
まぁそういうネタ探しみたいな作業がヒップホップ作りの醍醐味だったりもするんだけどさ。
そんなわけで今日はサンプリングについての話。
まぁ最近はボーカル入りの演奏からデジタル的にボーカルを抜く技術もあって、わりと綺麗に抜けるみたいなんだけど、そういうのは僕のやりたいこととはちょっと違うかなって思ってるから今のところやる気はしてない。
テクノのときもそうだけど、あくまで昔の人と同じ雰囲気で作るのが目的だからね。
そんなわけで、とりあえずまたしばらくは部屋でサンプルネタ探しからだ。また良い感じのネタが見つかったら、頑張ってトラックに仕上げてみることにしよう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?