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〰〰メンヘラ書籍化物語〰〰

スイスイです。
note公式さんから書籍化に関するリリースを出してもらうにあたり「書籍化とnoteとcakesに対する想いを300字で書いて下さい」と言われたがどうしても2000字を超えた。ということでその激烈なコメントの全文を、以下に載せます。想いが溢れて帰ってきません。

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第一回cakesコンテストから5年、念願の書籍化を果たした私の話です
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私がnoteに足を踏み入れたのは2015年で、
精神的にも肉体的にも微妙に苦しい秋だった。


次男妊娠によるツワリがピークで、1歳半の長男と毎日一日中過ごしつつ、
CMプランナーの仕事をなんとか続けていた。ただ、子供が動き回るようになりミーティングに連れて行くのも限界で、スカイプで参加してみるも現場にいない自分だけが置いていかれるようで苦しかった。


『このつわりが明けたら、文章を書こう…』
と夜中に突然思ったとき、いきなり過ぎて自分でびっくりした。
だけどすぐ『文章を書きはじめるためにこの夏があったのでは?』くらいまで気持ちが昂ってた。(急)
CMの仕事は続けられないし、続けたくないんだと気づいた。


元リクルートなので、その夜のうちに目標を設定していた。
【子供達が幼稚園に入る2019年には、エッセイの連載を持っていたい】
というものだった。

どこに書こう?と考えて色々なブログサイトを見るも
「ブロガーになりたいわけではないしな?」と登録せず、
そのうちにnoteを見つけた。アーティストひとりひとりが個展を開いているような空気が「まさにこれですね!」という感じだった。(何様)


ここからはウォータースライダーのごとく、あれよあれよだった。
つわりが明けた9月下旬。note下書きにエッセイを書き溜めはじめたころ、ちょうど「第一回cakesクリエイターコンテスト」の開催が発表された。

それを見たとき「これで転職できる」と思った。
応募期間一ヶ月。そのあいだはCMの仕事をすべて断り、子供が寝ている間に毎日応募作品を書いた。それは一ヶ月間の転職活動だった。今振り返っても最高で渾身な8作品を応募。そのうちひとつが軽く炎上、めちゃくちゃ叩かれるなか「わたしイケるのでは?」と興奮し続けたのを覚えている。


無事に入賞したあとはnote株式会社代表の加藤さんや編集者さんが参加する「連載ができるかもしれない打ち合わせ」に参加した。(それが入賞者の特典だった)連載したすぎる私はそれまでnote下書きに書き溜めた120本の記事タイトルと、自分の人生年表を持っていった。その年表を眺める加藤さんが一点を指差し「おお、メンヘラいいねえ」と仰った。

その場にいたみなさん盛り上がり、
さらに加藤さんがいきなり閃いた!という感じで
「メンヘラ・ハッピー・ホームってどう?いいよね??」と言い放った。
ウォータースライダーの水が噴水のように湧き上がって「ああ私はこれから連載を、はじめられるんだ…」という恐ろしさと嬉しさが弾けて帰りの車で少し泣いた。

はじめは8話か12話完結のはずだったけど、まさかの3年半続いた。
cakesはとってもシビアで、一年目の途中でほんとうに全然人気でなくてこの媒体大丈夫ですか?とcakesに逆切れするという愚かな日々を過ごし、そこも乗り越え目を覚まし…自分の実力のなさに本気で向き合いながら、ファミレスで涙を垂らしながら執筆すること多々。

次第に少しずつ「私の連載にも読者がいるかもしれない説」を実感できるようになり、毎週毎週オリンピックに挑む気持ちでメダルを目指した。メンヘラホイホイである編集担当氏とずっと二人三脚で走った。


…って書籍化に進むまでにあと5000字挟みそうなのでその過酷オリンピックを続けた私が「書籍化に至った話」に場面切り替えで進む。


書籍化は、ぜんぜんされなかった。
いくつか話が来てもうまくいかなかった。cakesの他連載がつぎつぎ書籍化されるのを見て、剥がし損ねたシールのような焦燥が私の心臓にこびりつき、つまり結構きつかった。きつすぎて「もう書籍化とか興味ないんで」と言う時期もあった。興味ないわけなんてなかった。だから今回の書籍化の話が来たとき、企画も含めてとてもやりたいと思える内容で、この本をどうか沢山の人に届けたいと思った。


「おおメンヘラいいねえ」と加藤さんに言われた2015年のあの日。
あの日の私は、『自分の恥を晒す連載をするんだ…』と覚悟を持った。メンヘラだったことは黒歴史で、過去の自分を生贄にするような気持ちだった。


だけど2020年現在。
お悩み相談も含めた3年半の連載を通し「メンヘラ」にとことん向き合わせてもらった結果…私の考えは連載開始当初とはガラリと変わっていた。メンヘラは恥じゃない。そもそも…


メンヘラっていうのは一部の人間のみに発生する「バグ」なんかじゃない。
メンヘラっていうのは人間全員に「標準装備」されてる性質なんだと。


いま改めて宣言する。「メンヘラ」の定義は「感情のコントロールが苦手で、暴走してしまう人」。だけどそれって心を持つ全員が、コンディションや状況次第でなり得る。だから「すべての女子はメンヘラ」であるし、なんなら人類全員がメンヘラだと思う。だから私はこの本を通して、悩みを抱えるすべての人が自分の中のメンヘラ性とうまく付き合えるようになってほしい。はじめは自分のエゴのためだけに飛び込んだ夢のスライダーだったけど、私が培った考えや編み出したトレーニングなどが、どうか苦悩を抱えるすべての人達に降り注いで欲しいと今は思うし、それで誰かの日常から少しでも苦悩が取り除けたら、こんなに嬉しい事はない。


もうすぐ2000字になる。
もはやリリースコメントという定義からはみ出した感情が暴れて帰ってこない。予約してください。8/6発売です。得しかさせないつもりです。あなたが自分のことメンヘラじゃないと思ってても、でも私はこの本を読み終わるあなたの日常を、一層晴らす自信がある。どうか信じて欲しい。

最後に。
あの夏、苦悩を抱えた私にあたらしい道を与えてくれたnoteという世界に、心から感謝します。健やかなる時も病める時も、全力でつくって、つながって、とどけたい。

スイスイ


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『すべての女子はメンヘラである』8/6発売!

本日書影公開(涙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

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